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悠木碧&竹達彩奈『プチミレディオ』 5年で得た“崩す”醍醐味とつわものリスナー

 文化放送といえば「超!A&G」を中心に人気声優がMCのラジオ番組に力を入れていることで有名だ。悠木碧竹達彩奈のユニット・petit miladyがパーソナリティーを務める『碧と彩奈のラ・プチミレディオ』(毎週日曜 後10:30)も、そんな同局の人気番組の一つとして声優ファンにはよく知られている。今年4月で番組スタートから丸5年が経過し安定した人気を誇るが、“かわいらしさ”と“毒っ気”の両方を惜しみなく織り交ぜた笑いを届け続けている。唯一無二な2人のコンビネーションはいかに培われたのか。その舞台裏を聞いてみた。

petit milady(左から)悠木碧・竹達彩奈

petit milady(左から)悠木碧・竹達彩奈

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■キュートなイメージを“ネタ”へ昇華 取材中にも新コーナーが誕生?

 普段のビジュアルや歌のイメージからは、キュート、ファンシー(?)なキャラを想像してしまうが、『プチミレディオ』の悠木と竹達はそう一筋縄に我々の“先入観”をなぞってはくれない。

 「花のワルツ」のBGMに乗せて、しとやかな口上で始まったのもつかの間、冒頭に2人で繰り広げられる“寸劇”でさっそくシュールな笑いどころを各所に散りばめる。「ムッチュ☆(=リスナーの総称)」から投稿を募るコーナーも、普通の言葉なのに“意味深”に聞こえるワードを探す「普通の言葉だからエッチじゃないもん」、最も女子高生(=JK)っぽいメールを決める「なりきり女子高生 J or K」などひねりの効いたお題で飽きさせず、スタジオの2人には爆笑が絶えない。


――ユニット結成、そしてこのラジオのスタートから5年が過ぎたわけですが、達成感や感慨のようなものは感じられていますか?

【悠木】プチミレとしては先をこうしたいという展望を持たず、心赴くままに何事もやってきたんですが、5年経ってもまだやりたいことが出てくるんだっていうのがうれしいです。まさか(番組とも)こんなに長い付き合いができるとは思いませんでした。この5年間を振り返ると、きっと大変なこともいっぱいあったような気がするんですけど、すっかり忘れて、楽しいことだけ記憶に残っている感じがします。

――“先を決めずに”というのは開始当初からの方針ですか?

【竹達】最初の頃は、(番組で)テンプレート的なかわいさを出さないとダメなのかな、イメージに追いつかないといけないのかなって、ちょっとした焦りみたいなのが個人的にはありました。冒頭のナレーションも「キュートでポップなトゥインクルタイム」だし(笑)。「ヤバい、これはかなりかわいらしいもの求められているなー」と内心ドキドキしながら始めたんです。最初のうちはその方向でなんだかんだ頑張っていたよね??

 でも、私たちって結局、かわいくしようとすればするほどお互いぎこちなくなるんです。そして、ぎこちなくなった結果、不仲って言われるんです(一同爆笑)。かわいいってなんだろうって探りながら喋っていたら、「不仲なんじゃない?」って言われ出して…。

【悠木】世間のみなさんに「仲が良い」というイメージを持ってもらう前にプチミレを組むことになったから、仕方ない部分もありますよね。でも、不仲になるにも、仲悪くなるきっかけがあるはずなんですが、そこまで(2人が)関わったことすらなかったですからね(笑)。

【竹達】確かに(笑)。あと、プライベートではお互い話していたことでも「これはオフィシャル(番組)ですでに言っている?」みたいな探り合いも最初はあって。例えば碧さんは、“男の子同士がイチャイチャする漫画”が好きっていうのも当初はあんまり言ってなかったし…?

【悠木】今も言ってないわ!(笑)

【竹達】あれ? おかしいなー。5年間でだいぶ浸透して「あ、言って良いんだ」って思っていたんですけど、どうやら違ったみたいです(笑)。おかしいなー。

――では、最初は“キュート”な世界観を作り込んで番組をやろうとしていたんですね。でも5年経ったらその形が…

【悠木】保てなくなった(笑)。あと、この“かわいい”のがいつの間にかネタになって、徐々にそれが楽しくなってきちゃったんですよね。隙あらば“かわいい”をネタにふざけたい。

【竹達】一回「ぶりっ子コーナー」みたいなの作っても面白いかもね!

【悠木】それは面白い! こういうぶりっ子でお願いしますっていうのをムッチュのみんなに書いてもらって。

■5年間で鍛えられたリスナーに「安心感」 ラジオが育んだ絶妙な距離感

――先ほどの「ぶりっ子」のアイデアもそうですが、とにかく斬新な企画やコーナーばかりですよね。例えば冒頭に披露しているストーリーは事前の打合せや練習なんかは…

【竹達】いやあ…、実はここで(原稿を)もらってその場で合わせているんです。だから、相方がどんなテンションで来るかっていうのは始まってみないとわからなくて、いつもドキドキしますね。「斜め上から来たぞ!」みたいな。

【悠木】私、芝居読みにくいってよく言われるからなぁ。最初はお芝居としてしっかり頑張ろうって思っていましたが、今では、「ショートコント、プチミレ」というイメージです(笑)。一度コントだと思えてからは、だんだん「わかるぞ、このテンポ」ってノリがつかめてきました。

――「エッチじゃないもんワード」も結構ギリギリのラインついてきますよね。最近は、エンディングも崩し始めたり…、ノリの良さをリスナーさんと一緒に楽しめている感じがします。

【悠木】ああいうコーナーや企画は、偶然の産物という場合も多いです。実はミスってしまったようなことでも、神が降りた、面白いとなれば採用。「エッチじゃない〜」も、偶然わたしのテンションが上がっちゃったところから、「エッチじゃない言葉」を探していこうって始まったり。どっちかが出した案に必ずどっちかが乗っかって、すぐみんなで形にしていけるところはありがたいですね。近くに力強い味方たちがいてくれる。

――あと、最近ムッチュさんたちの投稿がレベル上がりすぎだと思うのですが…(笑)

【悠木】お便りのレベルもどんどん上がっていますし、番組で鍛え上げられたムッチュのみなさんたちが(番組の)イベントの大喜利とかでどんどん面白さを発揮してくれています。もう、どこに出しても恥ずかしくないレベル(笑)。こっちが何を投げても面白いから、なおさら皆さんと交流したくなるよね。

【竹達】そうそう! みんな、“ダメな一線”を超えない面白さをわかっていて、節度を保ちながら確実に面白いものを打ち続けてくれる。その安心感があるからこそ、私たちもできる。どちらかといえばみなさんの方が、我々が何するかわからずハラハラさせているところもあるかも。

――そうやってリスナーさんと築いてきた信頼関係も含めて、この番組がユニットとしての活動にもプラスに働いているのですね。

【悠木】ユニットを長く続けていく上で“付かず離れず”ってすごく重要だと最近特に思います。べったりしすぎると、良いところを見つけ尽くしてしまって、悪いところが目立ってしまったり、逆に離れすぎているといざって時に全然結託できないので。『プチミレディオ』は隔週で収録していますが、我々2人に良い周期で会うタイミングを必ず作ってくれるなと感じています。この2週間で何があったよと近況を報告する場として、この番組で必ず会えるのは私にとってはすごく大事なポイントです。

【竹達】本当にお互いの日常を話しているよね。毎日一緒にいると、話すことなくなるじゃないですか。毎日会わないからこその交流の仕方で、むしろ話しやすいところはあるかもしれないです。付き合って1年くらい経って安定したカップルってこんな感じかもって思ったり(笑)。離れていても不安にならないし。

――『プチミレディオ』でしか味わえないことや、楽しさは?

【悠木&竹達】「エッチじゃないもんワード」。

――即答ですね(笑)

【悠木】女性声優さんのラジオで、ギャグっぽい面白さが魅力の番組ってたくさんありますが、言い方が悪いかもしれないですが、ここまで“ゲスさ”があるのは『プチミレディオ』だけじゃないかな(笑)。包み隠さず喋って、常識の範疇で目一杯遊ぶ。だから、リスナーさんにもなるべくふざけてほしいですね。

【竹達】そうだね(笑)。多少ゲスなことやっているかもしれないですけど…、私たちのちっちゃいフォルムと声だから、エグい印象を与えずにお届けできているのかな。例えるならば「トムとジェリー」みたいな感じで、毒があってイタズラしていても「かわいいな」という風に聴いてもらえているのかな(笑)。


 収録前という忙しい時間帯にもかかわらず、本番さながら息の合ったかけあいを見せてくれた2人。その後、取材でのコメント通り、ほとんど事前の打ち合わせもなく収録がスタート。生放送でないのに、臨場感あふれる様子はどうやって生まれているのか、スタッフに聞くと「ほぼ編集なしで、録ったそのままのものを放送しています」。曲中には振り付けをしたり、楽しそうにトークをしている2人の様子を見て、この雰囲気が音を通して伝わっているのだと改めて実感した。

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