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古田新太、俳優業の核は“赤塚不二夫作品” バカボンのパパ役に「コンプライアンスなんか知らない」

 テレビ東京などで現在放送中のテレビアニメ『深夜!天才バカボン』(毎週火曜 深夜1:35)。原作は漫画家・赤塚不二夫さんの代表作で、1971年に初めてアニメが放送され前作から実に18年ぶりとなる今作に、俳優の古田新太が主人公・バカボンのパパ役として声優出演している。赤塚作品が今の俳優業に大きく影響を与えたと語る古田は、どんな心持ちで大役を引き受けたのだろうか。

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■パパ役決定はファンとして重圧

 昨年に誕生50周年を迎えた『天才バカボン』は、「20世紀最強のギャグ漫画のひとつ」とうたわれる赤塚さんの代表作。バカボン一家を中心としたホームコメディーからナンセンスギャグ、実験的な手法で一世を風靡(ふうび)し、主人公であるパパの「これでいいのだ!」というフレーズはあまりにも有名だ。そんな同作にはパパ役の古田のほか、バカボン役を入野自由、ママ役を日高のり子、ハジメ役を野中藍、レレレのおじさん役を石田彰、本官役を森川智之、ウナギイヌ役を櫻井孝宏といった人気・実力を兼ね備える豪華な声優陣が出演している。

 歴代のバカボンのパパ役は、雨森司(71年、75年)、富田耕生(90年)、小倉久寛(99年)が担当しており、原作とアニメ含めて大ファンという古田は出演が決まった時、「みなさんそれぞれ、バカボンのパパの理想像っていうのがある。年代によっても違うし、オイラなんかは初代の雨森雅司さんの声のイメージが強いから、オイラの声だと『イメージが違う』と視聴者から絶対ガタガタ言われるんだろうなと(笑)。細川徹監督から直接『バカボンのパパは、古田さんで考えています』と言われた時、『面倒くさいな』というのと『オイラがパパをやるのか』という、喜びとファンとしてのプレッシャーと半々でした」と複雑な心境があったことを告白。

 「パパ役の方々である、富田耕生さん、小倉久寛さん、実写ではくりぃむしちゅー上田晋也くんがやっていて、そういうのを見て来たファンが『イメージが違う』となってしまうと、せっかく好きな歴代続いている作品なのに残念だなと」と説明した。

 さらに「声優って、姿が見えないので役者の中でも一番ウソをつける仕事だと思います。映像より舞台のお芝居に近い仕事だなと。舞台だって大ウソの世界」と古田ならではの見方が語られた。

 「舞台だと『広い海だな』と言えばそこは海になる。映画なら海に行って撮影しなきゃダメじゃないですか(笑)だから声優と舞台俳優は近しいなと感じます。オイラ達の仕事は『どれだけうまいウソが付けるか』。映像だと小道具、セットが必要だし、お医者さんの役ならメスを持たなきゃいけない。でも、舞台俳優と声優は無くてもいいですから。あと、声優なら外国人、動物、化け物にもなれる。オイラは特に化け物の役が多いですが(笑)」と声優業の魅力を伝えた。

■俳優業に影響を与えた赤塚作品の教え「何をやってもいいんだ!」

 おねえキャラや虫、化け物など俳優としてさまざまな役を違和感なく演じてきたカメレオン俳優の古田だが、今回はバカボンのパパという強烈なキャラを演じる。役作りについて「パパはまず、エキセントリックな人ではない、自分の常識の中で生きている人。なので『そんなにエキセントリックに作らなくていいのではないか』と。地声ではないですが、あんまり高ぶったりしないように演じています。冷静におかしなことを言っている(笑)。これは、パパのことを理解していないとダメかも知れませんね」と、ファンだからこそ語れるキャラクター像を熱弁。

 「レレレのおじさん、ウナギイヌって、わかりやすいイメージがあるじゃないですか。でもパパは、自分でおかしなことをやっているつもりは全くない。パパは日常を生きているのですが、思考回路がズレていて変なことを言っている。そこを『何も思っていない』風にするため、ナチュラルなトーンで演じている。『まともなこと』『まともじゃないこと』を同じトーンで言っているだけで、役作りの苦労は最初から全くない」と明かした。

 さらに「監督から色々な無茶ぶりな指示がでますが、そこがすごく楽しい。オイラは『こんな役がやりたい!』というのは全くない。言われたらやる。カワウソ、ゾウ、モンスター系もやっている。何を言われても『はい』と答えて『嫌です』と言わないだけ。揉めると帰るの遅くなるじゃないですか(笑)。俳優として色々な役をやってきて、声優のお仕事に活かされていると感じます。声優さんたちも自分とは全く違う人格をやりたいと思っているんじゃないですか? オイラなんかはそれで舞台俳優になりたいと思いましたし。無免許でも『医者だ!』と言えば医者になれる。こんなに面白い職業はない。そこで『これは、できない』と言ってしまうともったいない」と、過去に俳優として個性的な役を務めてきたことが今作で活きていると力を込めた。

 赤塚作品の大ファンという古田は「子どものころから模写ばっかりしていました。一番影響受けている漫画家です。バカボンもそうですが、“もーれつア太郎”、“おそ松くん”とかに出てくる強烈なキャラクターを見て『何をやってもいいんだ!』と、思った口。自分の俳優業に影響を与えてくれました。イヤミとかのサブキャラクターを見ても、自分の俳優業の『何をやってもいいんだ!』に繋がっています。それもあってか、ある人から昔は『バカボンのパパに似ているね』と言われていたのが、近年は『パパじゃなくて、赤塚不二夫に似ているね』と言われています」と笑いながら俳優業の核になっていることを告白。

■赤塚作品の魅力は“読者をどう裏切るか” 「コンプライアンスなんか知らない」

 「赤塚作品の魅力は、どの時代になっても色あせないところ。ギャグの本質を捉えていて、『読者をどう裏切るか』。ギャグ漫画家は壊れることが多い中、赤塚さんは最後まで遊びきった感じがする。プロダクション形式というのも早かったし、アイデア出しという漫画家の仕事を一つ放棄し、ストーリーを考えるのをやめる。『みんなで考えよう』みたいな。後半は『これ、本当に赤塚さんが描いている?』と思って読んでいました(笑)。だけど、これが『読者をどう裏切るか』に繋がっていると感じます」と赤塚作品の魅力を分析。

 今回のアニメ版にも「台本を読んだ時、かなり面白かったです! アニメだけでなく原作も見ている者としては『これくらい、やってくれないとな』と。原作のぶっ飛び方は恐ろしいので、ファンとして、これはうれしい」と太鼓判を押し「深夜のテレビ東京でやるので、『何やってもいいだろう』『コンプライアンス? 知らねーな、そんなもん』みたいな意気込みでやりきりたいですね」とニヤリ。

 「日高さんのママ、入野くんのバカボン、野中ちゃんのハジメ、本官の森川さんに至っては、パワーアップしていると思うし、みなさん役に違和感がない。オイラ自身の役作りの苦労が最初から全くないのは、周りのキャストの方々のおかげ。そこに乗っかっている。レレレのおじさん役の石田さん、ウナギイヌ役の櫻井さんなど、本来イケボな人たちが、無茶苦茶なことをしているのは面白い」と、共演声優への信頼も厚い。

 最後は「アニメファンはもちろん、若者たちにも観てもらいたいですね(笑)。テレビは『何をやってもいいんだ』と思ってもらいたい。怒られることを恐れないで、『怒られに行こうよ』的な。キャスト一丸となって戦って行きます!」と高らかに宣言。古田の役者魂が “これでいいのだ”と早くも騒ぎ出していた。

『深夜!天才バカボン』は、毎週火曜 深夜1時35分からテレビ東京などで放送中

(c)赤塚不二夫/深夜!天才バカボン製作委員会



関連写真

  • アニメ『深夜!天才バカボン』でバカボンのパパ役を務める古田新太 (C)ORICON NewS inc.
  • アニメ『深夜!天才バカボン』でバカボンのパパ役を務める古田新太 (C)ORICON NewS inc.
  • 『深夜!天才バカボン』メインビジュアル(C)赤塚不二夫/深夜!天才バカボン製作委員会

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