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真矢ミキの発言力、マイルドな語り口の裏にある気骨が共感呼ぶ

 このところ、TBSの朝の情報番組『ビビット』での真矢ミキの発言が注目を集めている。サッカーワールドカップにおけるメディアの論調には疑問を呈し、同番組で共演するNEWS加藤シゲアキが番組で謝罪した際にも、歯に衣着せぬ言葉で叱咤した。『ビビット』MCに就任してから約3年。マイルドで上品な語り口から生まれる言葉が、視聴者の共感を呼ぶ理由とは? 彼女の発言の裏にある、“潔さ”と“市井の視点”を考察する。

■メディアや共演者に苦言、世間の声を代弁する発言に視聴者が共感

 日本代表の活躍により、大きな注目を集めた『2018FIFAワールドカップ ロシア』。開幕前、多くのメディアはチームの実力を不安視し、厳しい声ばかりが目立っていた。だが、いざコロンビア戦に勝利すると、論調は一変して日本代表を褒め称えるものに。6月20日放送の『ビビット』で真矢は、そんな報道姿勢に対し、「始まる前は見るに忍びない活字が並んでいたのに、この温度はなんですか」と、“手のひら返し”ぶりを指摘した。

 また、同番組で共演するNEWS・加藤シゲアキが、一部週刊誌で未成年との飲酒を報じられた際にも、彼女の言葉は際立っていた。朝の番組にも関わらず加藤の謝罪からスタートしたことについて、「とても恥ずかしいこと。何をやってくれているんだと言葉を失った」と言及。「情報番組を任せていただいているんですから、自覚を持って、脇を締めて深く受け止めていただきたい」と、同業の年長者らしい叱咤激励を送った。

 こうした真矢の発言は、ネットやSNSでも大きな話題に。W杯報道については、「真矢さんの言うとおり、同意する」「すごくいい指摘」との声が。加藤の謝罪についても、「自分も同じようなことを思っていた」「頭を抱えたくなるだろう」「真矢さんに同情する」など、いずれにしても「共感した」というコメントが飛び交った。さらに、「報道する側なのに、よく言ってくれた」と、真矢自身メディア側に立ちながらも、世間の声を代弁する発言を行ったことを賞賛する声もあった。

■MC就任当初は批判も、転機はオリラジ中田とのバトル

 いまや、このように視聴者から共感を集める発言が注目される真矢だが、最初からMCとして好調だったわけではない。『ビビット』がスタートしてから今年で約3年。開始当初は、初の情報番組MCという立場を考慮しても、あまり目立つ発言をすることはなかった。それどころか、「期待はずれ」といった厳しい意見もあり、番組における存在感すら疑問視されることもあった。真矢自身、オファーを受けた際には、務まらない、無理だという不安の方が大きかったと後に語っている。

 そんななか、開始から1年ほど経過した頃から、彼女の発言は徐々にメディアに取り上げられるようになっていった。なかでも多くの議論を呼んだのが、ベッキーの不倫騒動があった際のオリエンタルラジオ中田敦彦とのバトルだ。番組内で、ベッキーに対して公的な謝罪を求めたり、対応の不誠実さを強く糾弾していた中田に、真矢は真っ向から対立。その模様は、多くのメディアで事細かに報じられ、真矢の存在感は増していった。

■“ご意見番”とは一味違う、マイルドで上品な口調による中和

 番組MCやコメンテーターの言葉がネットニュースになり、さらに大きな話題となることはよくある流れだ。そうして発言が取り上げられるのは、辛口で過激なコメントをする“ご意見番”的な人物が多い。

 同じように注目されてきてはいるが、真矢にはいわゆる“ご意見番”とは一線を画す特性がある。それは、彼女自身のマイルドで上品な語り口だ。多少厳しくドラスティックな意見を述べても、それが真矢の口を通して語られると、刺激は中和され、角が立たない。視聴者も不快には思わず、受け止めやすいという効果が出る。とはいえ、“角が立つ”ほど取り上げられ拡散されやすい昨今。真矢の特性はある意味“地味”にも映り、MCとしての存在感を発揮するのに多少時間を要したところもある。

 だが最近では、そんな特性をもってしても隠しきれない発言力が、世間にも広まっている。彼女の発言の源にあるのは、男性的な潔さや気骨、市井の視点に基づく地に足の着いた考え方。それが発言を説得力あるものとしているのだ。

■“ヅカの革命児”と呼ばれた真矢、“男気”を大事に

 真矢と言えば、かつて宝塚歌劇団で男役のトップスターだったことは周知のとおり。しかも在籍中には、それまでにはなかった男役の“長髪”や“薄いメイク”を取り入れたり、日本武道館でソロライブを行ったり、“ヅカの革命児”と呼ばれる存在であった。

 退団後も、『踊る大捜査線』シリーズで演じた女性初の刑事部管理官・沖田仁美や、ドラマ『アテンションプリーズ』のCA教官・三神たまきなど、ドラマや映画でも活躍。役柄から“デキる上司”というイメージがあり、「理想の女性上司ランキング」などでは常に上位に。時折バラエティー番組に出演すると、女優ながらコントに挑戦するなど、アグレッシブな一面も見せている。真矢自身のパーソナリティーも、過去に“女性は男気を持つことが大事”といった発言をしているように、パブリックイメージに近い考え方を持っているようだ。こうした潔さや気骨は『ビビット』の発言にも漂い、視聴者にすがすがしい印象を与える。

■フリマで学んだ市井の視点、高卒認定試験の受験で見える努力も

 また、大女優ながら“市井の視点”を持っているという意味では、宝塚退団後の流れが影響を及ぼしているように思う。退団後の真矢は、トップスターから一転、舞台とテレビドラマの演技の違いに悩み、仕事がない時期を過ごしたという。そんなときに彼女が挑戦したのは、なんとフリーマーケットへの参加だった。「フリーマーケットは人間観察ができる。普通の女性や男性が日常の中でどんな活動範囲で、どんな会話をしてるのかを見て勉強した」と、過去に出演したテレビ番組で話していた。もちろん、それは演技の勉強のためだったのだろうが、芸能界という特殊な世界で生きつつも、こうした一般人の視点を持つことは、情報番組MCとしての強みに貢献しているだろう。

 また、真矢は昨年10月、『高等学校卒業程度認定試験』を5教科受験し、合格したことを明かしている。受験の動機は、「とにかく何かを勉強したいし、視聴者の方のレベルくらいには行かないといけない」、「コメンテーターの方、ご一緒させていただいている方が素晴らしいので、せめて足元にでも及びたい」という思い。忙しい仕事の合間を縫って塾に通い、試験勉強に励んだ。合格後には、「勉強が本業にも生きている。時事問題の基本を日本史などで学び、情報番組でも助かっている」と語っている。自身の足りない部分を謙虚に認め、それを埋めて仕事に生かす。受験するという決断も含め、真矢らしいエピソードだろう。

■有効に働くギャップとバランス、発言への注目度は今後も増す

 マイルドな語り口で、自らの視点や努力から生まれた持論をしっかりと発言する。それはいい意味での“ギャップ”として魅力になるとともに、説得力や包容力を感じさせることになった。また、冒頭の発言からもわかるとおり、伝える側に立ちながらも、メディアのあり方や、共演者の姿勢にも苦言を呈するバランス感覚も真矢ならでは。女優とMC、二束のわらじを履いていることが、良い影響を生んでいると言える。

 ギャップとバランス感覚と、絶妙な立ち位置。それらを反映した気骨ある発言は視聴者からの共感を呼び、もはや真矢に対する信頼感さえ感じさせる。今後も多くの人々の耳目を集めていくことになるだろう。



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