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鈴木みのる、30周年記念で前代未聞の無料大規模フェス開催 イメージは『ONE PIECE』

 プロレスラー・鈴木みのる(50)が、自身のレスラー30周年記念のイベントとして、23日(土)と24日(日)に横浜・赤レンガ倉庫イベント広場で『大海賊祭』を開催する。30年間の活動における出会いや親交をもとに、プロレスはもちろん音楽、スポーツ、アート、お笑いなどジャンルを超えて一流の人々が集まり、しかも入場は無料という前代未聞のフェスとなる。そんなフェスの開催までの経緯や狙い、これまでのキャリアの思いなど、本人にじっくりと聞いてみた。

30周年記念イベント『大海賊祭』を開催する鈴木みのる(C)ORICON NewS inc.

30周年記念イベント『大海賊祭』を開催する鈴木みのる(C)ORICON NewS inc.

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■フェス実現を後押しした2人のミュージシャン 狙いは子供たちとプロのふれあい

 このフェスを思いついたのは、昨年の1月だった。「30周年記念で何をやろうか考えたときに、『青空の下で、東京ドームのメインでやるようなプロレスを無料でお客さんに見てもらえたら、楽しいよね』って思いついて。でも、実現させるためには、公園のグラウンドじゃ規模が小さいとか、飲食物が持ち込めないとか、いろんなルールの壁があった。そこで、オープンな場所で協賛を募ってやらないと運営できないということで、話がどんどん大きくなっていったんです」。

 企画を進めるなかで、親交の深い2人のミュージシャンに相談した。1人は、自身の入場テーマ曲「風になれ」を歌う中村あゆみ。もう1人は、“ブラザー”と呼ぶほど慕うファンキー加藤。2人がそろって「面白い!」と同意してくれたことで、企画が一気に動いた。そこからボクシングの元世界王者、サッカーの元日本代表、ダブルダッチの世界王者、格闘技のチャンピオン、そして自身が所属する芸能プロダクション「サンミュージック」の相澤正久社長まで、これまでのキャリアで関係を作ってきた“友人”たちに次々と声をかけ、フェスのコンテンツがどんどん膨らんでいった。

 「全部思いつきですよ(笑)。自分はフェスに行ったことがないし、参考にしたものもない。イメージにあったのは、漫画の『ONE PIECE』。いろんなヤツが集まって、ごちゃまぜでいろんなことが起きて、それを現実に広げたらこんなイベントになったっていう感じかな」。そのイメージからタイトルが「海賊祭」に決定。さらに「海賊なら船が必要だ」という発想から、スタッフが観光船の会社と交渉して、海賊旗を付けた船での横浜港周遊クルーザーも実現した(乗船料は有料)。

 出演するのは、チャンピオンや日本代表、超人気アーティストなどその道のトップを知っている人たちばかり。その狙いは、ポスターにもあるキャッチコピー『横浜から世界へ! 子どもたちの可能性は無限大!』だ。鈴木は小さい頃、プロレスラーになりたいと言ったら、周りの大人たち全員から「無理。できるわけがない」と完全否定されていたという。実家の酒屋の店頭に立つ親に何度否定されても夢を語っていると、たまたま客として訪れた元プロレスラーが近くにジムをオープンしたため「プロレスラーになりたいなら、おじさんのところにおいで」と誘われた。そこで指導を受けるうちに実力を磨き、プロレスラーへの道を自らの力で切り開いていった。

 「講演会で小学校に行って、将来の夢を聞くと『サッカーが好きでプロサッカー選手になりたいけど無理だから、サッカー関連の仕事をしたい』とか、『漫画家になりたいけど、現実的に考えてプログラマーかな』と言うんです。周りの大人が夢を潰すんですよね。俺からすると『無理ってなんだ?』って感じ。俺はプロレスラーになりたいって子供に言われたら『体を鍛えて強くなれよ』って言うし、『ONE PIECE』の尾田栄一郎さんも漫画家になりたいって子供に言われたら『じゃあ面白い漫画を描きなよ』って絶対に言ってくれると思うんです。努力して夢をかなえた人は、夢を否定しない。だから、子供たちにはこのイベントで本物の人たちと触れ合ってもらって、何かが変わるきっかけになったら本当にうれしいですね」

■こだわった現役トップ選手との試合 それでも“集大成”ではない

 さまざまなジャンルのエンターテインメントが集結するフェスだが、柱になるのはもちろん、鈴木のプロレスの試合だ。23日には、新日本プロレスの絶対的なエースのオカダ・カズチカとのシングルマッチが決定。まさに「東京ドームのメイン」になれるカードだ。世界中のプロレスファンがチケット代を払って見たがるこの試合を、無料で見ることができるのが、このフェスのすごいところだ。

 「プロレス界には、俺を含めてトップと言われる選手が何人かいるけど、オカダだけが俺がデビューした後に生まれたんですよ。俺が30周年で、彼が30歳。この組み合わせが面白いし、キャリア30年のレスラーと現役バリバリのトップレスラーの試合を無料で見せられたら、すごく夢があるなと思って。交渉はけっこう大変だったけど、いろんなジャンルのメンバーが集ってくれて、このフェスの趣旨を理解してもらって実現することができました。この試合がなかったら、イベント自体ができなかったかもしれない。ま、時間はかかったけど絶対に実現できる自信はあったし、試合も俺が勝つけどね(笑)」

 これまでの30年、決して順風満帆ではなかった。最初の10年は「夢と希望に満ちて勢いよく飛び込んだけど、思い通りに行かなかったり、首を怪我してしまい、最後の方は『どうやって終わろうか』と死に方を探しているような感じでしたね」。理想とするプロレスができず、存在すら認められないと感じる日々もあり、「弱いプロレスラーは死に方も選べないと知った」。そして次の10年は「辞め方を選べないなら辞めるのが嫌になった。どうやって再生してやろうか考えた」ことからはじまり、「その中で『これだ!』というプロレスの核心を見つけることができて、そこからは一気に勢いよくできました」。あらゆる団体で強烈な存在感を発揮し、18年目の2006年にはプロレス大賞のMVPも受賞。名実ともにトップレスラーとなった。

 次の10年も順調に活躍を重ねたが「5年くらい前に、自分の強さやコンディションは変わらないのに、周りのレスラーのレベルが上がって相対的に自分が落ちた感覚」になったという。このまま現状維持では差がついていくだけだと感じ、食事やトレーニングなど生活のすべてを変えた。「見直すっていうレベルじゃなく、根本からガラッと変えたよ。その結果、この5年でさらにレベルアップできた実感があるし、団体に所属しないフリーのプロレスラーだから、最近は世界中の団体から呼ばれて忙しい日々を過ごしているよ」。

 そしてたどり着いた30周年という大きな節目で、現役トップ選手とシングルマッチで闘うが、これは鈴木みのるの“集大成”ではない。「俺は常に自分を更新していくし、自分のベストバウトは“次の試合”なんです。23日のオカダとの試合は30周年記念試合で、24日の試合は31年目の1回目の試合。そうやって未来に向けて戦っているから、世界中から求められているんだよ。毎回自己ベストを更新するのも、けっこう面倒なんですけどね(笑)」。

 現在のプロレスブームについても聞いてみた。「プロレスブームじゃなくて、新日本プロレスブームだよね。東京ドーム大会も地方の体育館の大会も、どの会場でも本当にすごく盛り上がっている。でも、他の団体もうまく流れに乗ってほしいよね」。今回のイベントは、そんなプロレス界にとってこれ以上ない起爆剤となりそうだ。

◆鈴木みのるデビュー30周年記念野外フェスティバル 大海賊祭
【日程】6月23日午前10時〜午後7時、24日午前10時〜午後6時
【会場】横浜赤レンガ倉庫イベント広場
【料金】入場無料(一部コンテンツは有料)
【公式サイト】http://www.piledriver.jp/event/gp/

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  • 30周年記念イベント『大海賊祭』を開催する鈴木みのる(C)ORICON NewS inc.
  • 鈴木みのる30周年記念イベント『大海賊祭』ポスター
  • 30周年記念イベント『大海賊祭』を開催する鈴木みのる(C)ORICON NewS inc.

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