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映画『ハン・ソロ』 劇中曲が奏でるスター・ウォーズらしさ

 「スター・ウォーズ」シリーズ屈指の人気キャラクター、ハン・ソロの知られざる過去を描く映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』が25日より全米ほかで公開される(日本での公開日は6月29日)。同映画は、2016年12月公開された『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』に続く、もう一つの「スター・ウォーズ」作品。今回の物語の舞台は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977年)で、ハン・ソロがルークやレイアに出会う前。“銀河最速のパイロット”ハン・ソロの原点が、知られざる冒険とともに明かされる。

作曲家のジョン・パウエル=映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(6月29日公開)ワールドプレミアで撮影(C)ORICON NewS inc.

作曲家のジョン・パウエル=映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(6月29日公開)ワールドプレミアで撮影(C)ORICON NewS inc.

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 オールデン・エアエンライクが演じるひとりの若者が、“ハン・ソロ”という男になるまでの若き日の物語。彼は生涯の相棒チューバッカといつ、どこで出会ったのか。ミレニアム・ファルコン号はいつどうやって手に入れたのか。ダース・ベイダーやルーク・スカイウォーカーのように特別な力(フォース)を持たないにも関わらず、どうやって修羅場を生き抜いてきたのか。大胆不敵で大人のユーモアセンスと自信にあふれ、我が道を行くアウトローでありながら、内に秘めた正義感から仲間を救う姿が絶大な支持を得たハン・ソロは、いかにしてハン・ソロになったのか。

 『ローグ・ワン』では、究極兵器<デス・スター>の設計図を盗み出すミッションに命がけで挑んだ、極秘チーム<ローグ・ワン>の壮絶な闘いが描かれた。「スター・ウォーズ」なのに「スター・ウォーズ」ぽくない、というか、これまでのどのスター・ウォーズ映画とも異なる感触の作品で、独立した作品としても楽しめたし、逆にスター・ウォーズの懐の深さに驚かされた。

 そんな『ローグ・ワン』に比べると、『ハン・ソロ』は「スター・ウォーズ」ぽい「ハン・ソロ」の映画だと思った。なんで、そう感じたのか、いろいろ考えた中で、一番に浮かんだのが音楽だった。『ハン・ソロ』では、これまでスター・ウォーズ映画の音楽を一手に手掛けてきたジョン・ウィリアムズ(86)とジョン・パウエル(54)、2人の天才作曲家が夢のタッグを組んでいる。

 ジョン・ウィリアムズ作曲の「スター・ウォーズ」のテーマや「帝国のマーチ」など、聴き覚えのあるスター・ウォーズの音楽が要所々々で使われているのだ(『ローグ・ワン』にはそれがなかった。音楽はアカデミー賞作曲賞の受賞経験もあるマイケル・ジアッキーノが担当)。さらにジョン・ウィリアムズは『ハン・ソロ』のために、「ハン・ソロ」の テーマ曲を新たに書き下ろしている。一方のジョン・パウエルは、ジョン・ウィリアムズによる新曲を含むスター・ウォーズ音楽をアレンジ(編曲)し、自身も新曲を4曲作って手に汗握るドラマを盛り上げている。

 ジョン・パウエルは、マット・デイモン主演の「ボーン」3部作(2002年、04年、07年)での斬新で独創的な音楽によって、一流作曲家の仲間入りを果たした。『シュレック』(01年)、「アイスエイジ」シリーズ(06年、09年、12年)、「カンフー・パンダ」シリーズ(08年、11年)、「ヒックとドラゴン」シリーズ(10年、14年)といった数々のヒットアニメの音楽を担当し、ファミリーアニメに欠かせない作曲家でもある。ジョン・パウエルの名を知らずとも多くの日本人が、彼の音楽に触れているに違いない。彼の映画音楽は、日本のバラエティー番組や紀行番組などのBGMにもよく使われているのだ。

 本作へジョン・パウエルを引き入れたのは、ほかでもないジョン・ウィリアムズだった。ロン・ハワード監督は次のように語る。「ジョン・ウィリアムズが映画全体の音楽を手がけられないということで、ジョン・パウエルを推薦したんだ。独創的で多才な作曲家だからって。そして、ジョン・ウィリアムズは、新しいハン・ソロのテーマを書くことに同意してくれた。だから、僕たちは、オリジナルのスター・ウォーズ音楽だけでなく、ジョン・ウィリアムズの新曲も使えたんだ。ジョン・パウエルも、他のキャラクターのために4つの新曲を書き、素晴らしい仕事をしてくれた」。

 さらに、ロン・ハワード監督は明かす。「ハリソン・フォードが『オールデンが、僕の演技をただコピーしようとしないことを願っているよ』と言ったのと同じように、ジョン・ウィリアムズもジョン・パウエルに自身のクリエイティビティを発揮することを求めた。スター・ウォーズ音楽からインスピレーションを受け取って、そこから新しい音楽が生まれることを願っていたんだよ。ハリソン・フォードもジョン・ウィリアムズも、とても前向きな考え方のアーティストたちなんだ」。

 親子ほど年が離れているジョン・ウィリアムズとジョン・パウエル。ワールドプレミアのレッドカーペットで、ジョン・パウエルは「まさか自分が関われるとは思わなかった。それもジョン・ウィリアムズと一緒にできるなんて、最高の形で実現したんだ。スター・ウォーズに関われただけじゃなくて、ヨーダ(生ける伝説と称されるジェダイ・マスター、ルークの師匠)とも仕事ができたんだよ」と、笑顔でコメントしていた。

 往年のスター・ウォーズファンにとっては、ジョン・ウィリアムズのオリジナル曲がかかるだけで満足度は担保されるはず。オールデン・エアエンライクが演じる若き日のハン・ソロや、キーラをはじめとする新たなキャラクターたち、そして、ジョン・パウエルらしい観客を引き込む音楽などからは、「スター・ウォーズ」ブランドをさらに強固にするイノベーションへの意欲、将来につながる希望が感じられる、そんな作品になっているんじゃないかと思う。6月29日の日本公開が待ち遠しくてならない。

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関連写真

  • 作曲家のジョン・パウエル=映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(6月29日公開)ワールドプレミアで撮影(C)ORICON NewS inc.
  • ロン・ハワード監督=映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』(6月29日公開)記者会見で撮影 (C)ORICON NewS inc.

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