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【脱力タイムズ・リレーインタビューVol.2】吉川美代子が分析! “キャスター”有田哲平と滝沢カレンのナレーションの魅力

 お笑いコンビ・くりぃむしちゅー有田哲平がMCを務めるフジテレビ系バラエティー『全力!脱力タイムズ』(毎週金曜 後11:00)が、この4月で丸3年を迎えた。メインMCのアリタ哲平(有田)を筆頭に、同局の小澤陽子アナウンサー、全力解説員、ゲストコメンテーターが“報道番組”という枠組みを使って見せるドタバタ劇。昨年10月27日の放送で、めでたく100回を突破した人気番組の魅力を探るため、ORICON NEWSでは出演者へのインタビューを行い、リレー形式で毎週掲載していく。

 第2回に登場するのは、レギュラー前の特番時代から出演している元TBSアナウンサーの吉川美代子氏。1977年にTBSに入局して以降、アナウンサー・キャスターとして活躍してきたが、『脱力タイムズ』でも流ちょうな解説を見せる一方で、突然のコントやアドリブにも見事に対応。番組を語る上で欠かすことのできない吉川氏に、有田の“キャスター”としての才能、滝沢カレンによる破壊力抜群のナレーションへの感想などを聞いてみた。

■フリー初レギュラーが『脱力タイムズ』 肌で感じる番組の人気

 演出の(名城)ラリータさんをはじめとしたスタッフのみなさんが、説明に来られた時には「そういう作り方で成立するのかな?」と心配でしたが、ここまで続きましたね(笑)。私にとってはフリーになって最初にきたレギュラー番組のお話だったので、この番組なしでは私のフリーアナウンサー人生は語れません。TBS社員時代は倫理委員会の委員として、バラエティーや情報番組の内容に関して「この表現は問題ないか」とか「人権侵害や事実誤認につながるのではないか」などと社内で厳しくチェックする作業をしていました。特にバラエティー番組にはかなり厳しい意見を言っていたので、自分がバラエティーに出る側になるなんて想像もできなかったです。ただ、この番組には、今までの報道をやっていたことをベースとした「解説員」という位置づけでの出演とのことで、お受けしました。

 有田さんもキャスター・アリタとして出演されていて、それぞれが自分の役割を演じているのですが、ウソの役割を演じていなくて、解説しているのは自分の専門なので、その辺では無理することはないです。ただ、だんだんと解説だけをしていればいいというものではなくなってきまして(笑)。小籔千豊さんがいらっしゃった時にやった脱力新喜劇も1回だけかと思ったら、再びやりましたね(笑)。スタートから少しずつマイナーチェンジをしてきて、本当に進化しているので、私たちも違和感なく次のステップへ進んでいけるということは感じています。私たち解説委員がまさかの展開に心理的に慣れたところで、ドーンとさらにまさかの演出が、という感じで、いろんな仕掛けが待っているので本当にうまいですよね。さらに、いろんなまさかの挑戦をしても決して私たちに恥をかかせるような編集はしない。だからこそ私たちも安心でして出演できているわけで。スタッフを信頼しています。

 私は講演会の講師のとして呼ばれることが多く、ありがたいことに日本全国行っていない県がないくらい、あちこちで講演会をしています。コミュニケーション関係や、女性の働き方などのテーマで話しているんですけど、どこに行っても必ず「脱力、見ています」と言われます(笑)。飛行場から講演会の会場に行くまでのタクシーの運転手さん、食事に行った時の料亭の板前さん、講演会主催者、参加者。20代の人から70〜80代まで、全国幅広い年代のみなさんが見てくれているなと感じます。番組開始当初は、本当にコアなファンだけが「今までのバラエティーと感じが違うな」って見てくれていたのが、どんどん広がっていっている気がしますね。視聴率が良くなっているのを、そうやって肌で感じることができています。

 自分で解説する内容に関しては、完璧に裏を取ってやっているので、若いスタッフさんから「こんな切り口で、このネタはどうですか?」という提案があっても、それを鵜呑みに絶対しません。何しろ、今の時代はネット上にはフェイクニュースが溢れているので、ネットでスタッフが調べたことは、申し訳ないけれどまず疑ってかかります(笑)。論文や記事があるかどうかを調べたり、専門家の方に直接電話をして、自分で裏を取れているネタをやりますので、その辺に関しては報道のときとスタンスは変わりません。ただ、報道の場合は生放送なので、自分が発した言葉や表現は自分のものとしてそのまま流れ、自分の責任となってくるのですが、こういう番組は、撮り終わった後は演出家のものになり、どう編集して料理してくれるかになってくるので、初めは戸惑いました。演出家の作り上げた虚構の世界の中で、ちゃんと完成させる…という点が違うなと感じました。

■キャスター有田が与える安心感 プロが考える滝沢カレンのナレーション力

 あのスタジオは異次元の世界で、岸(博幸)さんも出口(保行)さんも面識があるので普段は「岸さん」「出口さん」と呼んでいるのですが、このスタジオに入った途端に「岸先生」「出口先生」になりますね。その雰囲気作りっていうのは、やっぱり番組の冒頭で有田さんが「キャスターのアリタです」と言う時の表情や声からきていると思います。ほかの番組に出る時の有田さんと全然違って、ダークスーツでキャスターになりきっていますね。解説委員として出演させてもらっていて思うのは、有田さんのアイデアとか、「これはもっと笑えるものを作れるな」というようなセンスは天才的。台本にないようなことを言っても、有田さんなら、それをさらに面白くしてくれますし、こちらも有田さんを驚かすような事を言って有田さんの想像を裏切りたいと思っています。

 滝沢カレンさんのナレーションも面白いですよね。書かれた台本の読みはだんだんうまくなってきています。漢字も難しいものも読めるようになってきているんですけど、実況になっちゃうと…アレですね(笑)。実況の時に思わず変な言葉が出てくるじゃないですか。アナウンサーにとっても実況は一番難しいものです。目の前で起きていることを、そのまま視聴者が理解できるように完成された文にして声にしなければならない。見た瞬間に言葉を発する。つまり、一度頭の中で適切な言葉や表現を考える時間がないのです。カレンさんの場合も、こういうことを言いたいという気持ちがあっても、それをすぐ言葉にできないから、口から出る時には自分でも思いもよらない表現になってしまっていて、でもそのギャップが面白いと思います。

 私たちは、物事を見ていても、声にしないで頭の中だけで考えている時はけっこうわかっていますよね。例えば、野球を見ていて「三遊間のゴロで…」とかは頭の中で理解していても、いざそれを動きと合わせて声を出そうとすると、言えないんですね。実況というのは、見た瞬間に全部そのままきちんと言葉と声にするという高度な技術が必要なんですが、素人のカレンさんはそこでの奮闘ぶりがすごく面白いです。しかも、とっさに出る言葉が、普通では思いもつかない発想から出てきて、それはいくらなんでもありえないだろうというというトホホな感じもたまらないですね(笑)。本人も「どうしよう」と思いながら言っているところもカワイイ。自分の見たものにプラスして「変ですね」「気持ち悪いですね」とかの感想も含めて言っちゃって、さらに混乱していくのが見所ですかね(笑)。

 この番組は、初めて見ると戸惑うと思いますが、それがクセになってくるんじゃないでしょうか。何回か見ることで自分なりの受け止め方ができてきた時に、そのイメージをガラッと根底からひっくり返される作りになるので、飽きないと思います。これだけ続くと、複数回出ていらっしゃる芸人の方もいますが、その度に裏切られているようです(笑)。収録が終わって、ゲストの芸人さんと一緒にエレベーターに乗って、戻ってくる時のみなさんのリアクションがすごくて…。1回目の出演の時にすごく失敗して恥をかいたから、今回こそは気の利いたことを言おうと思ったら、さらにダメだったというので、本当にかわいそうなくらいがっくりしている方やひたすら反省している方もいて、あちらも真剣勝負で来ているんだなと感じます。裏切る方の企画を考えるスタッフさんも大変でしょうね(笑)。

◆吉川美代子(よしかわ・みよこ)1977年4月にTBS入社、以後37年間、アナウンサー、キャスターとして活躍。83年に同局初の女性ニュースャスターになり、多くの報道番組で活躍。TBSアナウンススクール校長も12年間務めた。2014年5月に定年退職。2017年4月に京都産業大学現代社会学部の客員教授に就任。



関連写真

  • 『全力!脱力タイムズ』おなじみの出演者・吉川美代子氏(C)フジテレビ
  • 4日放送の『全力!脱力タイムズ』に出演するサバンナ・高橋茂雄(C)フジテレビ

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