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湯浅政明監督『文化庁メディア芸術祭』3度目の大賞受賞の快挙

 『第21回文化庁メディア芸術祭』の各部門の大賞が16日に発表され、アニメーション部門大賞に、片渕須直監督のアニメーション映画『この世界の片隅に』(2016年)と、17年5月に公開された湯浅政明監督のアニメーション映画『夜明け告げるルーのうた』が選ばれた。湯浅監督作品が文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞を受賞するのは、映画『マインド・ゲーム』(04年)、テレビアニメ『四畳半神話大系』(10年・ノイタミナで放送)に次いで3度目。同じ監督の作品が3度受賞するのは初めての快挙となる。

 湯浅監督は「かわいく怖い異生物たちと小さな漁村の人々の話に高い評価をいただき、とてもうれしく思います。これを機に、作品がより多くの方に届くことを望みます。たくさんの壁が取り払われますように! スタッフ、キャスト、関係者の皆さま、おめでとうございます!」と喜びのコメントを寄せた。

 『夜明け告げるルーのうた』は、湯浅監督初の完全オリジナル劇場用新作として発表された。寂れた漁港の町・日無町(ひなしちょう)を舞台に、心を閉ざした中学生の少年・カイが、人魚の少女・ルーとの出会いと交流を通して、本当の気持ちを伝えることの大切さを学んでいく青春ストーリー。

 「閉塞感にまみれた環境のなかで、好きなこと、やりたいことを見つけ出していくというテーマはオーソドックスなものではあるが、時代に逆行するようなシンプルな絵とデフォルメの効いたやわらかい動きで軽快に魅せてくれている」ことなどが評価され今回の大賞受賞となった。

 一方、『この世界の片隅に』は、こうの史代氏の同名漫画を原作に、『マイマイ新子と千年の魔法』(09年)で監督・脚本を務めた片渕氏がクラウドファンディングで制作資金の一部を集めるなどして、6年の歳月をかけて完成させた作品。2016年11月の公開以降、18年に入っても上映が続くロングラン作品となっている。

 日本海軍の拠点があった広島の呉を舞台に、戦争で大事に思っていた身近なものを次々と奪われながらも、前向きに日々の営みを続けるす主人公・すずと、彼女を取り巻く人々を描き出した。綿密な考証により、現在は見ることができない広島の街並みが再現されているほか、史実とリンクしている箇所は、その日時の天候までも忠実に作品に反映させる徹底ぶりで、すずたちの生きる世界の実在感を補強。「刺激的で動きの激しいアニメーションの多い中、日常動作に動きの美しさを見出している点で特筆すべき作品」などと評価された。

 マンガ部門は、『繕い裁つ人』、『プリンセスメゾン』など、さまざまな女性の生き方を描いてきた池辺葵氏の短編集『ねぇ、ママ』が大賞を受賞。エンターテインメント部門の大賞には、『ICO』(01年)や『ワンダと巨像』(05年)といったPlayStation2を代表するゲームを手がけ、国内外に熱心なファンを持つ上田文人氏が、監督とゲームデザインを担当したアドベンチャーゲーム『人喰いの大鷲トリコ』が選ばれた。

 功労賞は、日本のプラモデル草創期から業界を牽引してきたタミヤ代表取締役会長・社長の田宮俊作氏と、手塚治虫マンガの研究をはじめ多くの評論、マンガ研究書を発表してきた竹内オサム氏(マンガ研究者/同志社大学教授/マンガ家)に贈られる。

 『第21回文化庁メディア芸術祭』には、アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門に世界98の国と地域から4192作品の応募があった。受賞作品と、功労賞受賞者の功績を一堂に展示する受賞作品展が、東京・六本木の国立新美術館(6月13日〜24日)ほかで開催される。

■公式サイト
http://festival.j-mediaarts.jp/



関連写真

  • 『第21回文化庁メディア芸術祭』アニメーション部門大賞を受賞した湯浅政明監督のアニメーション映画『夜明け告げるルーのうた』(C)2017ルー製作委員会
  • 『第21回文化庁メディア芸術祭』アニメーション部門大賞を受賞した片渕須直監督のアニメーション映画『この世界の片隅に』(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

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