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観月ありさ、女優業に葛藤あった 転機は『ナースのお仕事』との出会い

 「一緒にインタビューを受けている時に『まったん』と呼ぶのもあれかなというのと、一応先生だからと思って、又吉さんとか、又吉くんとか言っているんですけど、私の中では『まったん』なんです。だから、こういう時にこそばゆい感じがするんですよ」。こう話しながら、屈託のない笑顔をこちらにむけてくれたのは芥川賞を受賞したピース又吉直樹(37)の小説を舞台化した『火花 〜Ghost of the Novelist〜』(3月30日〜4月15日に東京・新宿の紀伊國屋ホール、5月9〜12日まで大阪・松下IMPホールにて上演)で、自身初の本人役に挑戦する観月ありさ(41)だ。

女優業に葛藤を抱えていた時期があったと語る観月ありさ(衣装協力:PINKO /PINKO JAPAN TEL:03(3557)9861 アガタ パリ/アガタ ジャポン TEL:03(6456)4080) (C)ORICON NewS inc.

女優業に葛藤を抱えていた時期があったと語る観月ありさ(衣装協力:PINKO /PINKO JAPAN TEL:03(3557)9861 アガタ パリ/アガタ ジャポン TEL:03(6456)4080) (C)ORICON NewS inc.

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■又吉・きゃりーとの食事会の様子は? 『火花』の世界観に共感

 又吉と親交を深めるきっかけとなったのは、きゃりーぱみゅぱみゅ(25)と3人で進行を務めた番組『キャサリン三世』(フジテレビ系)。2012年から13年まで放送されたが、それ以降もスタッフも交えて数ヶ月に1回は食事に行く仲だ。「もちろん、きゃりーちゃんも参加しています。ドラマとかだと一緒になっている時期が終わってしまったら、疎遠になっていくものなんですけど、番組が終わっても交流がある珍しい関係です。飲み会でのまったんですか? テレビで見ているのと全く変わらない(笑)。テンションが急に上がるということもなく、いつも淡々といるので、私ときゃりーちゃんが『まったん、大丈夫? 楽しんでる?』って話しかけています。三者三様でとてもおもしろいです」。

 芥川賞をとって以降の又吉の“変化”も聞いてみた。「本当に変わらないです(笑)。みんな、ギャグで『先生!』とか言ったりしますけど、全然そういうのもなく、彼自身は何も変わらないっていうのはあります。当然、環境もすごく変わっただろうし、いろいろと変わった部分もあるんでしょうけど、本人はいたって何も変わらないって感じだなと。でも、あのキャラで急にこう、先生っぽい風を吹かされてもっていうのはありますけど(笑)。あの感じがいいですよね」。

 そんな又吉と今回は舞台上で共演。物語は2本仕立てのストーリーで展開し、NON STYLE石田明(38)を軸にした原作の物語とは別に、観月と又吉が作品の世界観を朗読する“アナザーストーリー”を追加。双方の話が交錯しながら、クライマックスに観月が又吉に『火花』を書いた意義を問う。観月は「まったんとお芝居の場で会うってことがまずないから、お芝居を一緒にするっていうのが不思議な感じだし、ちょっと照れますね」と笑いながら「映画とかドラマとは全然違う舞台ならではの世界観はあると思います。サイドストーリーみたいなものも展開していくので、そこがすごく面白い」と魅力を力説。一方で、又吉が紡ぐ『火花』の世界が、自身の芸能界での歩みと重なる部分があるという。

 「歌手デビューする前にモデル時代が10年あったんですけど、その間が芸人さんの感覚に近いのかもしれないです。オーディションに行って落ちるとか、いいところまで行くんだけど、違う人がかっさらっていくというのがあったので、『火花』を読むと、そういう時のことを思い出します。芸人さんの方が、自分でネタを作って披露する大変さというのがあると思うんですけど、そこは共感できる部分がありました」。

■女優業スタート時は「やる気なかった」 『ナースのお仕事』で感じた演技の魅力

 1992年にフジテレビ系『放課後』以降、2017年放送の同局系『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』まで、26年続けて連続ドラマ主演を担当。10代前半から“主演”を張り続けてきた観月ゆえに、当初から役者業への熱意も人一倍強いものがあったと思いきや「その頃は、お芝居というものにあまり重きを置いていなかったというか、あんまり好きじゃなかったというか、やる気がなかった(笑)。急にドラマをやることになって、それも主演でやることになっちゃったんで、戸惑いの方が大きかったですね。『えーやるの? やだー』ってずっと言っていました。嫌々でしたね」と本音をポロリ。

 そんな自身の心境に変化が生じたのは、96年に始まった『ナースのお仕事』シリーズとの出会いだった。「その頃は10代後半くらいでしたが、ひとつのキャラクターや世界観を作っていくおもしろさを感じていくようになりました。自分と違うキャラクターが独り歩きしていくのが、すごく不思議な感覚というか。見ている人たちは(その役が)本人だと思って見てくださっているので、それはスゴくうれしいことですよね。自分が作ったものが世の中に受け入れられて、それが世の中の人に認められて、独り歩きしていくっていうのは不思議な反面、おもしろいなって感じはしました」。最近では、自分よりも若い世代との共演が多くなってきたと笑いながら打ち明ける。

 「若い人たちと共演したりすると、私が初期にやっていたものを当然知らないっていうこともありますし、撮影ひとつとっても最初に仕事を始めた時はフィルムだったけど、今はデジタルだから全然違いますよね。感覚とか価値観も違うから、とても刺激を受けます。昔とは全然違ったハイテクな世の中になっているから、若い方たちと仕事をするとスゴいなって衝撃的なこともあります」。

 年代に応じて、ドラマで演じる役どころも変化してきた。「10代は学生、20代社会人1年生、20代後半はキャリアウーマン、30代になるとベテランで子育てをしている感じとか時代劇も増えてきますから、年代によって求められるものが変わってくるという実感はあります。テレビドラマってその時代が反映されるので、こういう時代あったよねとか、そういったものをダイレクトにお芝居で演じられるのはうれしいです。また、これから演じる役も変わってくると思うので、どういう役と巡り合うのか楽しみです」。前人未到の記録を打ち立ててなお、観月ありさの視線は前を向いている。

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