1月22日、弾道ミサイルの飛来を想定した東京都と国による避難訓練が、東京ドーム（東京・文京区）の周辺で初めて実施された。地震や津波だけではなく、ミサイルが日本に飛来する際にも作動する「全国瞬時警報システム（Jアラート）」は、昨年、北朝鮮による弾道ミサイルの発射が繰り返されたときに話題となり、ユーキャン新語・流行語大賞のトップ10にも選ばれた。一般的に「Jアラート」をどう感じているのだろうか。今回ORICON NEWSでは、10代から50代の男女1000人を対象に、「Jアラート」に関する調査を行った。

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◆ミサイルの脅威に、やっぱりJアラートは必要

　昨年8月29日の早朝、突然、スマホからミサイル発射を知らせるJアラートの警告音が鳴り響いたことを覚えている人も多いだろう。今年1月16日には、NHKがニュースサイトやニュース・防災アプリを通してミサイル発射の速報を出したが、その時、Jアラートからは警報が出されておらず、誤報だったことが明らかになったことも話題となった。そもそも、Jアラートは必要なのか？

【Jアラートは必要だと思いますか】（図表1参照）
・必要だと思う……57.5％
・必要だと思わない……12.3％
・どちらともいえない、わからない……19.0％
・Jアラートを知らない……11.2％

　調査結果を見ると、Jアラートについては9割近くの人が知っており、必要だと思っている人も5割を超えている。必要だと思う理由については、「危機管理のため」（茨城県／10代／男性）、「準備する気持ちは持っていたい」（秋田県／20代／女性）、「本当にミサイルが発射されるかもしれないので」（青森県／50代／男性）など、現在の情勢を不安視する様子がうかがえる。

◆今のJアラートには「不満あり」その理由は…

　ただ、下の調査結果によると、現状のJアラートについて一般ユーザーは必ずしも納得していないようだ。

【今のJアラートに満足していますか】（図表2参照）
・満足している……12.0％
・満足していない……33.8％
・どちらともいえない、わからない……54.2％

　今のままで良いという人は全体の1割強に過ぎず、Jアラートの必要性を感じながらも、ユーザーが満足していない現状が浮かび上がった。その理由として、「精度、速報性が低い」（東京都／20代／男性）、「アラーム音に危機感がない」（神奈川県／20代／女性）、「誤報が多過ぎる」（神奈川県／30代／男性）、「音がうるさい」（北海道／50代／男性）などが挙げられ、Jアラートの有効性への疑問や警告音に対する不満の声が多い。満足している人も、「たとえ間違いであっても、教えてくれるだけでありがたい」（東京都／20代／男性）、「誤報があるのは仕方がないこと」（神奈川県／50代／女性）など、条件付きの満足であることがうかがえる。

　精度については、技術的な側面を見直すほか、どのような状況下でJアラートを運用するかについて、今後検討していくことが必要だろう。

では、警告音についてはどうか。

【実際にJアラートが作動した際のアラームの大きさについてどう思いますか】
・良いと思う……29.2％
・良いと思わない……16.3％
・どちらともいえない、わからない……54.5％

　良いと思う理由は、「ビックリするくらいがちょうど良い」（茨城県／20代／男性）、「ビックリするが、気付かなくては意味がない」（東京都／30代／男性）、「緊迫感は伝わるから」（千葉県／40代／女性）など。これに対して、良いと思わない理由は、「うるさ過ぎる」（北海道／20代／女性）、「音が大き過ぎて心臓に悪い」（大阪府／30代／男性）、「逆に『不安』を煽る」（福岡県／40代／男性）など。危険性や緊急度を伝えるために、どのような音と大きさが良いのか、ユーザーによって意見はさまざまだ。

　今回の調査で、いくつか改善の余地はあると感じながらも、5割以上の人が支持していることが分かった。政府が緊急情報を24時間いつでも伝達するとアナウンスしているＪアラートは、やはり必要とされているようだ。

（文：さくら編集工房＜井上晋＞）

【調査概要】
調査時期：2018年1月19日（金）〜1月23日（火）
調査対象：合計1000名（自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女）
調査地域：全国
調査方法：インターネット調査