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高齢者に「運転免許証の返納を促す」は約3割、身内にいるかで温度差も

 高齢者の運転による自動車事故が後を絶たない。今年1月9日にも、前橋市で85歳の男性が運転する乗用車が女子高生2人をはね、2人とも意識不明の重体となる事故が起きた。警視庁によれば、平成16年から26年までの10年間で、全体的な死亡事故件数は減る一方で、75歳以上の高齢ドライバーによる死亡事故件数は増加傾向にあるという。今回、ORICON NEWSでは、10代から50代までの男女1000人を対象に、道路交通法の改正(高齢ドライバーへの検査・講習の強化)と、運転免許所持の可否について意識調査を実施した。

高齢ドライバーへの検査・講習の強化、運転免許所持などに関して意識調査を実施(写真はイメージ)

高齢ドライバーへの検査・講習の強化、運転免許所持などに関して意識調査を実施(写真はイメージ)

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■高齢ドライバーの運転制限に大多数は賛成だが……

 2017年3月、改正道路交通法が施行され、免許更新時、75歳の高齢ドライバーに実施される認知機能検査で認知機能の低下や認知症の恐れがある場合は3時間の講習を受講、さらに認知症の恐れがある場合には医師の診断書を提出。認知症と認められた場合、免許が取り消されることになった。また一定の交通違反をした際にも、臨時認知検査が実施され、免許更新時同様、検査結果に応じて講習の受講が義務づけられようになった。今回の改正についての賛否を聞いたところ、以下のような結果となった。

【75歳以上の免許保持者に対する検査や講習の強化は妥当か】
・妥当だと思う……82.1%
・妥当ではないと思う……7.8%
・どちらともいえない、わからない……10.1%

「妥当だと思う」が多数を占め、「妥当ではない」とした人の中にも、「もう少し強化してもいいと思う」(山梨県/40代/男性)、「もっと(検査の)年齢を下げるべき」(埼玉県/40代/女性)、「免許を返納するシステムが必要だと思う」(佐賀県/20代/女性)など、今以上に規制を強化すべきという意見も見られ、高齢ドライバーの運転に何らかの制限を設けるべきだと考えている人が大多数を占めている。その一方、「妥当ではない」「どちらともいえない」という回答した人の中には、「(高齢者にも運転する)権利がある」(福岡県/20代/男性、福岡県/10代/女性)、「田舎だと車がないと生活できないところはいっぱいあるので配慮しないといけない」(大阪府/40代/男性)、と、高齢者の運転に一定の理解を示す傾向も見られた。

■免許証、返納すべき? 身内に高齢ドライバーがいる、いないで温度差も

 高齢化が進む中で、行政では高齢ドライバーの免許自主返納を推進。自主的に免許を返上する人も増加傾向にある。だが、公共交通機関の便が悪い地域では、高齢者にとって車が生活の足として欠かせないという事情もある。個人の能力の違いを考えたとき、一律に運転を制限してしまうことへの抵抗感もあるだろう。

 そこで、高齢者が免許を返納することについて尋ねたところ、身内(両親、祖父母、親せき)に75歳以上の高齢ドライバーがいる場合といない場合で、意識に微妙な違いがあることが示された。

【身内に75歳以上の高齢ドライバーがいる人、免許返納を促したいか】
・免許返納を促したい……36.4%
・免許返納は促さない……23.5%
・どちらともいえない、わからない……40.1%

【(身内に75歳以上の高齢ドライバーがいない人)、75歳以上の高齢ドライバーに免許返納を促してほしいか】
・免許返納を促してほしい……56.9%
・免許返納を促しいと思わない……7.3%
・どちらともいえない、わからない……35.8%

 身近に高齢ドライバーがいて免許返納を「促さない」と回答した人は、「田舎に住んでいるから移動手段として必要」(長野県/10代/男性)、「田舎では高齢者でも運転しないと不便なので」(和歌山県/30代/女性)、「一人で農業をしているため、車は仕事上必要だから」(岐阜県/50代/女性)など、生活の足として車が不可欠であるという意見のほか、「危険な運転がみられないから」(北海道/40代/男性)、「何度か同乗させて貰っているが、返納しなければいけないほどの衰えを感じないから」(青森県/40代/男性)、「今のところ、しっかりしてるし、違反もおこしてないから」(神奈川県/40代/女性)など、能力的に運転に支障がないという意見もあった。

 一方、身近に高齢ドライバーがいない人の場合、「免許返納を促してほしい」と回答した人にその理由を尋ねたところ、「事故を起こしてほしくない」「何かあってからでは遅い」「危ないから」の3つで48.2%と約半数を占めている。

 この調査結果から、身内に高齢ドライバーがいて日頃から接している人と、身内に高齢ドライバーのいない人との間で、高齢者ドライバーに対するイメージには違いがあることがうかがえる。

 高齢ドライバーによる痛ましい交通事故を減らすことは急務だが、高齢になっても車が手放せない人がいることも事実。高齢者の運転を一律で規制するのではなく、高齢ドライバー一人ひとりの運転適性を把握し、状況に応じて柔軟に対応していく必要があるだろう。そのためにも行政の対策に加え、家族のみならず、地域の人が身近な高齢ドライバーの存在に目を向けることが求められているのかもしれない。

(文:さくら編集工房<井上晋>)

【調査概要】
調査時期:2018年1月16日(火)〜1月19日(金)
調査対象:合計1000名(自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査

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  • 高齢ドライバーへの検査・講習の強化、運転免許所持などに関して意識調査を実施(写真はイメージ)
  • 身内に75歳以上の免許保有者がいる場合
  • 身内に75歳以上の免許保有者がいない場合

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