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総合演出が語る『全力!脱力タイムズ』人気の秘けつ バラエティーでは異色の演出術

 お笑いコンビ・くりぃむしちゅー有田哲平がMCを務めるフジテレビ系バラエティー『全力!脱力タイムズ』(毎週金曜 後11:00)が、あす27日に放送100回を迎える。先月1日の放送で、番組最高視聴率7.6%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録するなど、2015年4月の番組スタートから約2年半が経過した今も成長を続ける同番組。総合演出の名城ラリータ氏は「単純にコントが好きでやっているんですが、純粋なコントだと今は見ていただけない時代でもある。そこで、今やっているニュース自体が、実は一個下駄を外すと、コントになるということをイメージして作っています」と番組の狙いを明かす。

フジテレビ系バラエティー『全力!脱力タイムズ』総合演出の名城ラリータ氏 (C)ORICON NewS inc.

フジテレビ系バラエティー『全力!脱力タイムズ』総合演出の名城ラリータ氏 (C)ORICON NewS inc.

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■ベースは報道番組 バラエティーでは異色の演出で独自色

 同番組は、世界各地の最新ニュースや日本で論点となっている問題を、全力解説員と呼ばれる有識者たちが独自の視点から読み取り、思わず脱力してしまうような切り口で解説する新感覚のニュースバラエティー。メインMCのアリタ哲平(有田)が、毎回ゲストコメンテーターをさまざまな角度から深掘りし、バカバカしいことを淡々と真面目に進行していく。ラリータ氏いわく「ベースは、あくまで報道」。有田もしっかりとその意図を共有しており、先日の合同取材で次のように明かしていた。

 「あくまでも報道番組だということでやっているので、最初の頃はスタッフも含めて、どんなにボケてもスタジオ内はシーンとしていて、『カット!』って言われた瞬間、みんな笑うっていう感じだった。今はだいぶゆるくはなりましたが、我々出演者は、どんなことが起きても『BSフジ LIVE プライムニュース』の感覚でやらせてもらっていますので、ヘラヘラ笑うことはご法度です」。究極の「緊張と緩和」状態を作り出すため、バラエティーでは異色の“スタッフ笑い”をやめる演出で、独自色を出していった。

 脱線へのフリとなるVTR作りにも余念がない。ラリータ氏も「旬のニュースやゲストの方を紹介するVTRも『この笑いのためにやっているんでしょ』って視聴者の方々に思われたら、飽きられてしまう。振り子の理論で、問題提起のフリが適当になると笑いの部分も面白くなくなるので、そこも一流の報道番組に負けないくらいの気持ちを持って取り組んでいます。だから、フリの上げ方で『もしかして、本当にきょうは北朝鮮問題やるかも』って思ってもらえるくらいが理想です」と言葉に力を込める。

■解説員も笑いに全力 NGなしの姿勢に感謝「本当に頭が上がらない」

 全力解説員には、元TBSアナウンサー・吉川美代子氏、元経済産業省官僚・岸博幸氏、犯罪心理学者・出口保行氏、侵入生物専門家・五箇公一氏といった本物の報道番組などでも活躍する顔ぶれがズラリ。そんな解説員たちが、VTRの内容から脱線して自らの得意分野を無理やり話し出す「といえば解説」では、収録前にスタッフが「今回は『〇〇といえば』でお願いします」と依頼しているが「先生たちもすばらしくて、どんなお題でもイケる」とラリータ氏も対応力に舌を巻く。「ところが…」と、実に『脱力タイムズ』らしいエピソードを教えてくれた。

 「解説の中身に納得行かない時もあって『これはちょっと』って、直してもらうこともある。例えば、五箇先生は日本を代表する危険生物対策のプロですが、僕らスタッフも先生と接するにあたり、しっかりと勉強しました。それで、五箇先生が送ってくる解説の中身がゆるいっていうことで、何回か送り戻したら『スタッフが勉強しすぎて困る』って言われました(笑)。僕らも、危険生物のことを詳しくなりたいわけではなかったんですけど…。こんな風に『この話、前もやったな』ということで、直してもらうことはあります」。

 教育学者の齋藤孝氏がトレンディエンジェル斎藤司を真似して「斎藤さんだぞ!」のポーズを披露したり、吉本新喜劇座長の小籔千豊がゲストに来た際には解説員たちが“劇団員”に様変わりして「脱力新喜劇」を行うなど、解説員たちが全力で笑いに取り組む様子も見ものだ。先の取材で、有田は「岸先生に『きのう何していました?』と聞いたら『安倍(晋三)首相と話していました』って(笑)。吉川さんも、TBSのアナウンサーさんに話を聞くと『信じられない』って言いますし、齋藤先生も(日本テレビの)『世界一受けたい授業』では、逆に先生として来ますから」と振れ幅の大きさに驚いていたが、ラリータ氏も感謝をにじませる。

 「先生方には、本当に頭が上がらないです。だって、あれをやる必要がまったくないですから(笑)。皆さんそうなのですが、ピコ太郎の格好してくれ、トレンディエンジェルの『斎藤さんだぞ!』をやってくれ、ブルゾンちえみのネタやってくれと言っても、NGを出されたことがない。齋藤先生は、台本を渡すといつも『こういう風にテレビって作るんだ。初めてわかった!』と感心してくれるんです」。

 インタビュー後編では、人気コーナー「美食・絶景遺産」でナレーションを務める滝沢カレン、番組全体の演出などに迫る。

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