• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
オリコンニュース

定番コラボ「お笑い」と「音楽」が新しい化学反応を生む!

 お笑いブームの熱が一向に冷めやらない中、人気の若手芸人たちがリリースするCDの充実ぶりにも、目を見張るものがある。最近では歌番組で熱唱する芸人の姿を、よく目にするようになってきた。いずれの番組も高視聴率だという。そんな昨今の「芸人CD」の特徴のひとつとして挙げられるのが「コラボの魅力」。今後の企画も提案しつつお笑いと歌の融合を考える。

異色コラボにより生じるギャップの魅力

 いつになったら終わるのかと、時には陰口を叩かれるほどに、お笑いブームは一向に終息の気配を見せない。そればかりか最近では、歌番組への芸人の侵食ぶりが目立ってきた。プロが歌うよりも、芸人が歌ったほうが視聴率が取れるというのも不思議な話ではある。ブーム以前であれば、相当のヒットを記録したものでもない限り、プロのミュージシャンに混じって芸人が歌うことは考えられなかったが、最近ではリリース直前の好タイミングで、芸人が歌番組に出演することも珍しくなくなってきた。

 芸人がCDをリリースすることは既定路線になり、その楽曲も多岐にわたるようになっている。昨年末から現在にかけて、最もヒットしたCDのひとつに、レイザーラモンHGの「YOUNG MAN」がある。チャート最高位26位を記録し、まずまずの結果を残したことに加え、テレビでのパフォーマンスやはじけたトークで、昨年の大ブレイクに引き続き視聴者にインパクトを与えられたことが大きかった。

 その他にも、お笑い芸人CDは数多くリリースされているが、最近の傾向として、芸人以外の「異業種」コラボレーションによる作品が目に付くようになってきた。そこには、従来の企画モノにありがちだった「異色デュエット」とは一線を画した、目新しく意欲的な取り組みが感じられる。例えば、昨年12月に異色芸人の長州小力が加わって結成されたHINOKIチームwithコリッキーは、「NIGHT ON FIRE」をはじめとするシングルを数曲リリースし、この3月に小力がユニットを卒業するまで、テレビなどのメディアで注目を集めた。
 また、猫ひろしとジュニア誌のカリスマモデル4名によるユニット「ソーランはっぴぃずと猫ひろし」(4月12日に「踊れ!ソーランパラパラ」でデビュー)も、典型的な異業種コラボといえる。一方、ユニットではないものの異色のコラボとなったのが、FUNKY MONKEY BABYSのデビュー曲「そのまんま東へ」である。ラップを交えたストレートなメッセージソングながら、タイトルばかりでなくCDジャケット、ビデオクリップにもそのまんま東を起用し、注目を集めた。これら3組に共通するのは、一見かけ離れて見えるもの同士を組み合わせたときに生じるギャップの魅力だろう。

 こうした手法にこそ、今音楽業界が切実に求めている、活性化を生み出すためのカギが潜んでいるのではないだろうか。例えば、今人気絶頂のオリエンタルラジオや意外な歌唱力の持ち主のタカアンドトシ、小説家としての評価も高い劇団ひとり等々、お笑いの世界にはコラボの相手として魅力をもった、強烈な個性がひしめいている。単に彼らを起用して企画盤を制作するのではなく、従来は接点のないはずのミュージシャンと真剣に相対して、互いに面白いものを作っていくためのアイデアを膨らませていくことで、新しい何かを生み出していけるのである。そこに独自の音楽性を発揮させることが異色コラボの醍醐味といえる。

「YOUNG MAN」レイザーラモンHG


「NIGHT ON FIRE」HINOKIチームwithコリッキー


「そのまんま東へ」FUNKY MONKEY BABYS


「踊れ!ソーランパラパラ」ソーランはっぴぃずと猫ひろし


 最後に紹介する作品は、結成50周年を迎えるクレイジーキャッツと松任谷由実が共演を果たした「Still Crazy For You」である。あまりに大御所すぎて、クレイジーキャッツがお笑い芸人という言葉と結び付かないかもしれない。しかし彼らは、高い音楽性をもったジャズマンであるとともに、テレビ創成期からバラエティやコントで活躍し、お茶の間に笑いを届けた一流のお笑い芸人でもあった。
 今は亡きハナ肇(Dr)、石橋エータロー(P)、安田伸(Sax)による往年の名演奏が、サンプリング技術によって曲中に甦る。それらが、谷啓のボーカルと植木等のセリフ、そして犬塚弘のベース、桜井センリのピアノと重なり合うことで、何とも言い様のない温かさがにじみ出てくる。だが、誰にも懐かしく感じられる歌でありながら、これはクレイジーにとって、これまで試みられなかった全く新しい演奏形態なのだ。

 もちろんそれは、谷啓とのデュエットに加え、作詞・作曲を手掛けたYUMING、そして編曲の松任谷正隆の功績でもある。2人がクレイジーの50年を正面から受け止め、それを形にしてくれたからこそ、新しいのに懐かしい、どこかで聴いたようで、どこにもなかった一曲が誕生した。違うもの同士がお互いをリスペクトしながら、新たなる作品を目指す。これこそがコラボレーションの極みなのではないだろうか。(文・広川たかあき)

求人特集

求人検索

 を検索