アニメや映画などの作品やキャラクターとコラボレーションした「カフェ」が人気だ。好調の要因は何か。全国にカフェを常設し、さまざまな作品と期間限定でコラボレーションしている「アニメイトカフェ」を取材した。

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■競合が増え、客の目も厳しく

　アニメ・コミック・ゲーム・キャラクターグッズの専門店として34年の歴史を持つ「アニメイト」が展開する「アニメイトカフェ」。カフェ1号店が東京・池袋にオープンして今年1月31日に5周年を迎えた。

　「お客様から買い物の前後にくつろげるカフェがほしいという声がかねてからあり、また、アニメイトとしても商品を販売するだけでなく、お客様に新しい体験や価値をプラスする手段の一つとしてカフェを始めました」（アニメイトカフェ・波多腰史寛さん、以下同）。

　わずか5年で、国内17店舗、海外6店舗にまで拡大。池袋2号店では「進撃の巨人」、池袋、大阪・天王寺、仙台、福岡天神では「あんさんぶるスターズ！」、アニメイトカフェショップ岡山では「ユーリ!!! on ICE」など、さまざまな作品と常時コラボレーションしている。

　店内の装飾、メニュー、特典、グッズ、接客に至るまで、作品の世界観に染め上げ、没入できる空間を提供。抽選予約制の場合もあり、「お客様はほぼ100％作品が好きか興味を持っている人。コンサートやお芝居を観に行くのと同じような感覚で来店されるので、その期待に応え、それを越えていかなければ、次の来店につながらないと思っています」とコラボレーションも容易ではない。

　「以前から、アニメやキャラクター、アーティストと飲食店がコラボするイベントは散見されましたが、アニメイトカフェを立ち上げた5年前はまだ日常的ではなく、珍しがられたものです。それが、ここ2年ほどでコラボカフェが一気に増え、多様化しているような気がします」。

　昨年6月から7月にかけてのことだが、池袋エリアで人気アニメ『おそ松さん』とコラボした飲食店が頻出する現象が起きた。「池袋・さが松り居酒屋in東京」（6月30日〜7月3日）、「スイーツパラダイス　トラットリアパラディーゾ池袋サンシャインシティアルパ店」（6月13日〜7月7日）、「ナンジャタウン」（5月28日〜7月13日）、そしてアニメイトカフェ池袋3号店でも（7月20日〜9月28日）。人気が高い作品は集客が見込めるため、コラボカフェの依頼も殺到する。人気のバロメーターにもなっている。

　「お客さまもコラボカフェに慣れてきていて、いろいろ比較されることも増えてきました。アニメイトカフェならではの楽しみが提供できるように、作品の世界観を大切にしたコラボを提案していくのはもちろん、飲食店として衛生的でお客様に安心感を与える店づくりを心がけていかなければ、と思っています」。

　今年2月には吉祥寺店（吉祥寺PARCO7階）に、新たなカフェの形態「アニメイトカフェグラッテ」をオープン。クリームにキャラクターがプリントされた「グラッテ」をコーヒースタンド風の気軽さで楽しめ、ショッピングの合間の休憩に幅広い層に利用されている。

　コラボカフェの未来をどのようにみているのだろうか。「いまがピークなのかどうかは、わかりかねますが、一過性のブームで終わるか継続するのかは、むしろアニメやゲーム文化の盛り上がりに寄るところが大きいと思っています。作品を楽しみたいお客さまがいる限り、ほかのお店に負けないコラボレーションをしていきたいですね」。

　4月1日よりアニメ第2期の放送が開始された『進撃の巨人』とのコラボカフェが、アニメイトカフェ池袋2号店で14日よりスタート（5月31日まで）。5月19日からはアニメイトカフェ仙台での追加開催も決定。入場方法は2店舗とも全日程抽選予約制となっている。

■アニメイトカフェ
https://cafe.animate.co.jp/