「スター・ウォーズ」シリーズ最新作『ローグ・ワン／スター・ウォーズ・ストーリー』（公開中）に、反乱軍の情報将校キャシアン・アンドー役で出演しているディエゴ・ルナ。彼も例外なく、子どもの頃から「スター・ウォーズ」シリーズの大ファンで、「出演できたことをとても光栄に思っています」と話している。

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　ルナは、メキシコ・メキシコシティ生まれ。コスチュームデザイナーをしていた英国人の母親は事故で彼が2歳のときに他界。メキシコ人の父親は劇場やオペラ、映画のセットデザイナーをしていた。アートに情熱的な父親と「スター・ウォーズ」の影響を強く受け、幼い頃から演技に興味を持ったという。

　「子どもの頃から『スター・ウォーズ』の大ファンでした。私にはいとこがたくさんいて、その中で私は最年少だったんですが、年上のいとこたちがすでに『スター・ウォーズ』にハマっていて、彼らを夢中にさせる『スター・ウォーズ』に憧れました。初めて映画を観たのは6歳の時。『エピソード4／新たなる希望』でしたが、ダース・ベイダーは強烈でしたね。あの呼吸音を聞くだけで鳥肌が立つし、いまだに夢に出てきます（笑）」。

　シリーズの中で一番好きな『エピソード4』につながる『ローグ・ワン』への出演が決まり、「とてもうれしくて興奮しましたし、緊張もしました。『ローグ・ワン』はアナザーストーリーという新たな試みの1作目であり、絶対に失敗できないプロジェクトだったから。ファンの方のためにも、自分自身がファンでもあるからこそ、最高の映画にしないといけないと、撮影中もずっと思っていました」。

　『ローグ・ワン』は、『エピソード4』のオープニングにつづられた一文、「戦闘のさなか、反乱軍のスパイは、帝国の究極兵器『デス・スター』の秘密の設計図を盗むことに成功した」を掘り下げた物語で、反乱軍による設計図奪取のいきさつが明かされる。

　まさに、反乱軍のスパイとして活動していたのがキャシアンだ。「任務に忠実で、情報を武器に常に最も有効な戦術を探っている男だけど、内心は矛盾だらけで孤独。親友がドロイドということからも、彼がどんな人間なのかが伝わるんじゃないでしょうか」。

　相棒のドロイド、K-2SOは、もともとは帝国軍が開発したエンフォーサー・ドロイド（監視用ロボット）だったが、キャシアンがそのデータを消去し、反乱軍用に再プログラミングした。帝国軍を装って諜報活動をするのに欠かせない存在であり、K-2SO自身も忠誠心に篤い。2人の関係性も魅力的だ。ルナは「キャシアンとK-2SOは老夫婦みたい（笑）。お互い言いたい事を言うからしょっちゅう口げんかをしているように見えるけど、それが2人の愛情表現でもあるんだ。K-2SOはフィルターがかかっていないから、思ったことをそのまま口にしてしまう。観ていて楽しいキャラクターだと思うよ」。

　K-2SOに似ていると話題の東京・三鷹の森ジブリ美術館のロボット兵の写真を見せると、驚きの声をあげ、「とても似ているね。そもそも『スター・ウォーズ』は日本の影響をいろいろ受けているし、『スター・ウォーズ』にとって日本は特別。私自身にとっても、役者として、映画監督として、父親として、日本は特別だよ。自宅の近くで宮崎駿監督作品の上映会があったので、子どもたちを連れて行ったことがあるんだ。子どもたちはすごく楽しんでいたし、大人も学べることがあって、深いよね。また日本に来ることができたら、ミタカに行くよ」。

　「スター・ウォーズ」の生みの親ジョージ・ルーカス氏が、黒澤明監督作品『七人の侍』に感銘を受け、日本文化に傾倒していたことは有名な話だ。『隠し砦の三悪人』の登場人物がR2-D2とC-3POのドロイドコンビのモチーフになったことや、戦国時代風の衣装、チャンバラシーンなど、その影響は随所に見られる。それは、『スター・ウォーズ』を子どもの頃に観て映画監督を志し、『ローグ・ワン』を手掛けたギャレス・エドワーズ監督にも継承されている。強大な力を持つ“悪”に少数精鋭で立ち向かっていく姿は、『七人の侍』や『十三人の刺客』のような趣があり、ラスト10分は瞬きするのもはばかられるくらいの怒とうの勢いを見せる。

　「この映画はジンという一人の女性の人生から見た物語です。ジンはフェリシティ・ジョーンズが見事に演じていますが、女性の方にも楽しんでいただけると思います。そして、目的を同じくするもの同士、力を合わせなければ成果は得られない、そこに肌の色や性別、出自などは関係ないという、今日的なメッセージを発信している作品だと思います」。

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