お笑いタレントの小籔千豊が、24日から28日まで東京グローブ座で『吉本新喜劇 小籔座長東京公演2016』を開催する。ORICON STYLEではこのほど、小籔にインタビューを行い、新喜劇座長、辛口コメンテーター、さらにはモデルまでマルチに活動する真意や、同公演にかける思いなどに迫った。
■毒舌の原点はたかじんさん 鶴瓶と“サシ”でのトークに感慨
現在レギュラー出演している『ノンストップ!』(フジテレビ)や『バイキング』(同)などでは、時事問題などに舌鋒鋭く切り込む“コメンテーター”として活躍中。そこで心がけていることは“バランス”だという。「何か、バランス取りたくなるんですよね。議論がどちらかに偏って『これは、ちゃうな』と思った流れになった時は、ちょっとキツい言い方に聞こえるかもしれませんけど、僕なりの考えをきちんと言おうと思っています。どこかの大学の先生のようにゆったりと優しく、真面目ぶってコメントするなんてことは、僕には期待されてないですから」。毒舌とも取れるような、賛否が分かれる発言を貫くスタンスは、「浪速の視聴率男」の異名をとった、やしきたかじんさんの背中から学んだ。
「はじめのころは、嫌われたらアカンのかなと思っていました。だけど、たかじんさんのことが嫌いやっていう一般の方が『でも、私たかじんの番組全部観てしまう』って言っているのを聞いた時に『嫌われていても、テレビに出られるんだ』と気付きました。だから、嫌われようとはしてないですけど、自分が言うべきだと思うことはしっかり言ったほうがいいんじゃないかと。そうした方が、テレビに出られる。テレビに出られるということは新喜劇の宣伝ができますからね」。小籔流の三段論法で売れるための答えをはじき出し、嫌われる覚悟を決めた。
最近印象に残った出来事として、笑福亭鶴瓶との完全フリーのトーク番組『ヤブツル〜鶴瓶・小籔の大阪夜話〜』(NHK)を挙げた。思春期に『鶴瓶・上岡のパペポTV』(読売テレビ)を観て育ち、友人とともに同番組の公開収録にも足繁く通っていた小籔にとって、鶴瓶と“サシ”で話ができる場は夢のようだった。「中学の時から観ていた『パペポ』みたいに、笑福亭鶴瓶というめちゃくちゃオモロイおっさんが、横で僕に向かってしゃべっていて、僕が返したことで笑っているなんて、ホンマにテレビのようなことですよね。USJにある、スパイダーマンのアトラクションの3Dみたいな感覚で『となりに鶴瓶おるやん。俺、上岡目線でしゃべってるやん』っていう感じでした。芸人なって良かったってなかなか思いにくいんですけど、あの瞬間はそう思いました」。まさに童心に返って、鶴瓶とのトークを存分に楽しんだ。
■モデル活動は「恥ずかしい」 すべては新喜劇のために…
昨年7月には、女性ファッション誌『NYLON JAPAN』『ViVi』『VOCE』の“専属モデル”に就任。きっかけは、新喜劇の後輩芸人と組んだバンドを宣伝するために始めたインスタグラムだった。「はじめの頃は、とりあえず登録をしてみたはいいけれど、何をしたらいいのかわからなかった。それで、散髪屋さんに行った時に雑誌を読んでみたら、木村カエラさん、ローラさんのインスタが載っていて、自撮り、小物、ネイル、作った食べ物とかを上げるんだと勉強しました」。人気モデルになりきって、自身の私服、小物、さらには白髪染めの様子などをアップしたところ、斬新な構成が好評を呼び、中村アン、綾小路翔など芸能界でも多くのファンを獲得していった。
そんな中で生まれたのが、両手で顔を挟むように囲った“カズニョロポーズ”だ。その反響はすさまじく、今年1月の『ViVi』の企画では人気モデル・ミランダ・カーとの対談が実現、2人そろってのカズニョロポーズも披露。トントン拍子に進む“モデル業”での活躍に、本人も戸惑いを隠せないようだ。「バンドのため、新喜劇のためと思って『ViVi Night』にも行ったんですけど、やっぱり恥ずかしい。現場に行くと、トリンドル玲奈さんとかマギーさんとか河北麻友子さんとか、バリバリの人気者が9人いるわけですよ。顔小さいキレイな女の人らが並んでいるところに、こんなキモい奴がおるんですよ。めちゃくちゃ恥ずかしいですよ。でも、前回の新喜劇の東京公演とかでも『インスタとか雑誌を見て、来ました』と言ってくれる方がいるので、各雑誌の関係者各位には、本当に感謝したいですね」。マルチな活動をしている小籔だが、どんなジャンルの話でも必ず“新喜劇”へと帰結する。
2011年に本格的な東京進出を決めたのも「新喜劇の広報」のためだったが、その愛の深さ(?)を感じるようなエピソードを笑いながら披露した。「一時期、政治家になろうと思っていたことがありました。というのも、議員を1期でも務めて新喜劇に帰って来たら『記憶にございません』や『それは秘書がやりました』とかの“政治家ギャグ”も手に入ると思って(笑)新喜劇に陰りが出た時に、そのギャグを使えばいいかなと。でも、田中角栄さんの本を読んで、そんな私利私欲じゃダメだと心を入れ替えたんですけど、今度は僕の脳のハードディスクが小さすぎることに気づいて、早々にあきらめました」。コメンテーター、モデル、幻の政治家構想…一見関連のない話題だが、小籔にとってはすべてが「新喜劇の普及」につながっている。
そんな小籔にとって、新喜劇の東京公演はひときわ思い入れが強い。「関東にいると、一生新喜劇に触れないという方も多いと思うので、北海道物産展的にこちらから出向いて行って、一度でもいいから味わってもらえたらという気持ちでやっています」。これからも、新喜劇のために捧げる日々が続く。「座長である間は、新喜劇のために身を粉にしたいなと思います。こういう東京公演を続けていって、それが根付くっていうのが大切なので。あとは…英語で新喜劇をやって海外で公演できたらいいなと思います。お客さんを増やすというか、公演ができるところを増やすというのも大切かなと。新喜劇のセールスマンとして頑張りたいですね」。今回の公演はもちろん、新喜劇の広報担当にして、アイデアマンの小籔が次にどんな一手を打ってくるのか、大いに期待したい。
■吉本新喜劇 小籔座長東京公演2016
日程:8月24〜28日
会場:東京グローブ座
出演者:小籔千豊、島田一の介、烏川耕一、清水けんじ、今別府直之、松浦真也、大島和久、新名徹郎、太田芳伸、清水啓之、祐代朗功、高橋靖子、宇都宮まき(休演日あり)森田まりこ、金原早苗ほか
■毒舌の原点はたかじんさん 鶴瓶と“サシ”でのトークに感慨
現在レギュラー出演している『ノンストップ!』(フジテレビ)や『バイキング』(同)などでは、時事問題などに舌鋒鋭く切り込む“コメンテーター”として活躍中。そこで心がけていることは“バランス”だという。「何か、バランス取りたくなるんですよね。議論がどちらかに偏って『これは、ちゃうな』と思った流れになった時は、ちょっとキツい言い方に聞こえるかもしれませんけど、僕なりの考えをきちんと言おうと思っています。どこかの大学の先生のようにゆったりと優しく、真面目ぶってコメントするなんてことは、僕には期待されてないですから」。毒舌とも取れるような、賛否が分かれる発言を貫くスタンスは、「浪速の視聴率男」の異名をとった、やしきたかじんさんの背中から学んだ。
「はじめのころは、嫌われたらアカンのかなと思っていました。だけど、たかじんさんのことが嫌いやっていう一般の方が『でも、私たかじんの番組全部観てしまう』って言っているのを聞いた時に『嫌われていても、テレビに出られるんだ』と気付きました。だから、嫌われようとはしてないですけど、自分が言うべきだと思うことはしっかり言ったほうがいいんじゃないかと。そうした方が、テレビに出られる。テレビに出られるということは新喜劇の宣伝ができますからね」。小籔流の三段論法で売れるための答えをはじき出し、嫌われる覚悟を決めた。
最近印象に残った出来事として、笑福亭鶴瓶との完全フリーのトーク番組『ヤブツル〜鶴瓶・小籔の大阪夜話〜』(NHK)を挙げた。思春期に『鶴瓶・上岡のパペポTV』(読売テレビ)を観て育ち、友人とともに同番組の公開収録にも足繁く通っていた小籔にとって、鶴瓶と“サシ”で話ができる場は夢のようだった。「中学の時から観ていた『パペポ』みたいに、笑福亭鶴瓶というめちゃくちゃオモロイおっさんが、横で僕に向かってしゃべっていて、僕が返したことで笑っているなんて、ホンマにテレビのようなことですよね。USJにある、スパイダーマンのアトラクションの3Dみたいな感覚で『となりに鶴瓶おるやん。俺、上岡目線でしゃべってるやん』っていう感じでした。芸人なって良かったってなかなか思いにくいんですけど、あの瞬間はそう思いました」。まさに童心に返って、鶴瓶とのトークを存分に楽しんだ。
■モデル活動は「恥ずかしい」 すべては新喜劇のために…
昨年7月には、女性ファッション誌『NYLON JAPAN』『ViVi』『VOCE』の“専属モデル”に就任。きっかけは、新喜劇の後輩芸人と組んだバンドを宣伝するために始めたインスタグラムだった。「はじめの頃は、とりあえず登録をしてみたはいいけれど、何をしたらいいのかわからなかった。それで、散髪屋さんに行った時に雑誌を読んでみたら、木村カエラさん、ローラさんのインスタが載っていて、自撮り、小物、ネイル、作った食べ物とかを上げるんだと勉強しました」。人気モデルになりきって、自身の私服、小物、さらには白髪染めの様子などをアップしたところ、斬新な構成が好評を呼び、中村アン、綾小路翔など芸能界でも多くのファンを獲得していった。
そんな中で生まれたのが、両手で顔を挟むように囲った“カズニョロポーズ”だ。その反響はすさまじく、今年1月の『ViVi』の企画では人気モデル・ミランダ・カーとの対談が実現、2人そろってのカズニョロポーズも披露。トントン拍子に進む“モデル業”での活躍に、本人も戸惑いを隠せないようだ。「バンドのため、新喜劇のためと思って『ViVi Night』にも行ったんですけど、やっぱり恥ずかしい。現場に行くと、トリンドル玲奈さんとかマギーさんとか河北麻友子さんとか、バリバリの人気者が9人いるわけですよ。顔小さいキレイな女の人らが並んでいるところに、こんなキモい奴がおるんですよ。めちゃくちゃ恥ずかしいですよ。でも、前回の新喜劇の東京公演とかでも『インスタとか雑誌を見て、来ました』と言ってくれる方がいるので、各雑誌の関係者各位には、本当に感謝したいですね」。マルチな活動をしている小籔だが、どんなジャンルの話でも必ず“新喜劇”へと帰結する。
2011年に本格的な東京進出を決めたのも「新喜劇の広報」のためだったが、その愛の深さ(?)を感じるようなエピソードを笑いながら披露した。「一時期、政治家になろうと思っていたことがありました。というのも、議員を1期でも務めて新喜劇に帰って来たら『記憶にございません』や『それは秘書がやりました』とかの“政治家ギャグ”も手に入ると思って(笑)新喜劇に陰りが出た時に、そのギャグを使えばいいかなと。でも、田中角栄さんの本を読んで、そんな私利私欲じゃダメだと心を入れ替えたんですけど、今度は僕の脳のハードディスクが小さすぎることに気づいて、早々にあきらめました」。コメンテーター、モデル、幻の政治家構想…一見関連のない話題だが、小籔にとってはすべてが「新喜劇の普及」につながっている。
そんな小籔にとって、新喜劇の東京公演はひときわ思い入れが強い。「関東にいると、一生新喜劇に触れないという方も多いと思うので、北海道物産展的にこちらから出向いて行って、一度でもいいから味わってもらえたらという気持ちでやっています」。これからも、新喜劇のために捧げる日々が続く。「座長である間は、新喜劇のために身を粉にしたいなと思います。こういう東京公演を続けていって、それが根付くっていうのが大切なので。あとは…英語で新喜劇をやって海外で公演できたらいいなと思います。お客さんを増やすというか、公演ができるところを増やすというのも大切かなと。新喜劇のセールスマンとして頑張りたいですね」。今回の公演はもちろん、新喜劇の広報担当にして、アイデアマンの小籔が次にどんな一手を打ってくるのか、大いに期待したい。
■吉本新喜劇 小籔座長東京公演2016
日程:8月24〜28日
会場:東京グローブ座
出演者:小籔千豊、島田一の介、烏川耕一、清水けんじ、今別府直之、松浦真也、大島和久、新名徹郎、太田芳伸、清水啓之、祐代朗功、高橋靖子、宇都宮まき(休演日あり)森田まりこ、金原早苗ほか
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2016/08/17