昨年、所属していた子役事務所から研音に移籍し、本格的に女優の道を歩み始めた福原遥。ドラマ『グッドモーニング・コール』（フジテレビオンデマンド／Netflix）でのW主演や『MARS〜ただ、君を愛してる〜』出演、来年公開の映画『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』出演など、女優としての話題が続いている。“まいんちゃん”としてブレイクした福原も、もうすぐ18歳。今でも“まいんちゃん”を大切に想いながらも、そこを超える何かをつかみ、「女優・福原遙として見られるようになりたい」と新たな決意を語る。

■けっこう抜けているところがあります（笑）

──ドラマ『MARS〜ただ、君を愛してる』もある意味、学園ものでしたが、初主演ドラマ『グッドモーニング・コール』はテイストがぜんぜん違いますね。
【福原遥】　そうですね。『MARS』に出られたこともすごく嬉しかったのですが、普段の自分とは全然違うキャラクターだったので、悩むこともたくさんあったんですよ。でも、『グッドモーニング〜』の菜緒ちゃんは自分に似ている部分が多かったので、最初から演じやすかったし、ラブコメということで笑えるシーンもいっぱいあって、現場はずっと楽しかったという思い出ばかりです。

──ヒロインの菜緒とご自身はどんなところが似ていると思いましたか？
【福原遥】　抜けてるところですね。菜緒ちゃんの制服のスカートのファスナーが開いてしまっていて、上原くんに指摘されるシーンがあるんですが、私もけっこうこれやっちゃうので（笑）。あとは口を開けて寝ていたり、気づくと足を開いちゃってたりというガサツなところも似てるかな。家族や親戚にも、ドラマを見て「遥そのまんまじゃん」って言われました（笑）。

──福原さんは今年に入ってすでに4本のドラマに出演するなど、女優活動が本格化していますが、自分の中で何か成長や変化は感じていますか？
【福原遥】　先ほども言ったように、ドラマ『MARS』の桜沢しおり役は本当に難しくて、お芝居をしていても「これでいいのかな」って葛藤することも多かったんです。原作のある作品なんですけど、監督からは「ドラマの台本をしっかり読んできてね」と言われていたので、自分で役を作っていかなければいけなかったので……。観てくださった方からは驚かれたみたいなんですけど、意外に「良かったよ」という声をいただけたときはホッとしました。

■いつかそのままの自分を見てもらえたらいいなって

──自己中心的で依存体質という、今までの福原さんのイメージとは真逆の女の子ですもんね。福原さんは声が可愛いので、ああいった役をやると、逆に怖さが増す気がします。
【福原遥】　言っていることと本心が違う、みたいな？　でも、声のことは確かによく言われます。小悪魔っぽい声とか。この声だと、怒っていても本気で怒っていないように聞こえるらしいんです。そのあたりはお芝居の課題だなとも思っているところです。

──子役から活動されている方は、成長のプロセスの間で「子役からの脱却」に葛藤するとよく言われてますが、福原さんは「まいんちゃんからの脱却」みたいなものは意識しますか？
【福原遥】　子役のイメージを脱却できているかはわからないけど、自分の中では脱却というのはちょっと違うかもしれないですね。もちろん今でも「まいんちゃん」って呼ばれるのはとても嬉しいし、みなさんに「まいんちゃん」のことはずっと覚えててもらいたいんです。そこは絶対に忘れないで欲しい。だけど、今はもう一つ、「まいんちゃん」以上の何かをつかみたいという気持ちもあるんです。女優・福原遥として見られるようになりたい。そのためにはちゃんとお芝居で認めてもらえるだけの力をつけることが必要だと思っています。一つのイメージに縛られないで、「こんな役もできるんだ！」と思ってもらえるように、とにかく今はお芝居を頑張りたいという気持ちが強いです。いつか、そのままの自分を見てもらえたらいいなって思っています。

──女優として目標にしていることは何かありますか？
【福原遥】　はい。NHKの朝ドラに出たいです。いろんな方が、朝ドラは半年かけて一つの役にじっくり取り組めるからすごく成長できるよ、とおっしゃっていて、自分も成長したいですし、朝ドラのさわやかな雰囲気も大好きなので、自分の中の大きな目標の一つとして、それに向かって頑張っていこうと思っています。

（文／児玉澄子）