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【2016年本屋大賞】宮下奈都氏『羊と鋼の森』に決定 又吉『火花』は大賞逃す

 全国の書店員が“今いちばん売りたい本”を決める『2016年本屋大賞』(本屋大賞実行委員会主催)発表会が12日、都内で行われ、宮下奈都氏の『羊と鋼の森』(文藝春秋)が大賞に選ばれた。昨年、芥川賞を受賞したお笑いコンビ・ピース又吉直樹の『火花』(文藝春秋)は10位にランクインした。

『2016年本屋大賞』を受賞した宮下奈都氏 (C)ORICON NewS inc.

『2016年本屋大賞』を受賞した宮下奈都氏 (C)ORICON NewS inc.

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 同賞は今年で13回目。過去の大賞作品やノミネート作には、三浦しをん氏の『舟を編む』(2012年大賞)や東川篤哉氏の『謎解きはディナーのあとで』(2011年大賞)など映画化、ドラマ化されて話題に。昨年はNHKで実写化された『精霊の守り人』の著者・上橋菜穂子氏の『鹿の王』(KADOKAWA 角川書店)が大賞に選ばれた。

 宮下氏は、2004年に文學界新人賞佳作に入選した『静かな雨』でデビュー。『スコーレNO.4』『太陽のパスタ、豆のスープ』『田舎の紳士服店のモデルの妻』など、ありふれた日常を題材に据え、心の壁を丁寧にすくい取る描写が多くの読者の共感を呼んでいる。

 受賞作は、ピアノの調律に魅せられた一人の青年が、調律師として、人として成長する姿を綴った長編小説。。大きな拍手で迎えられた宮下氏は、感極まり涙を流し、「稀代の受賞者に比べて宮下の知名度の低さは抜群。そういう意味でも私は誇りに思います。無名の作家を選んでくれた。私の勲章だと思って生きていこうと思う」と喜びを噛み締めた。

 同大賞は2014年12月1日〜2015年11月30日に刊行された“日本のオリジナル小説”を対象に実施され、一次投票では全国435書店552人、二次投票では276書店より331人の投票があった。

■2016年本屋大賞 順位一覧
大賞:『羊と鋼の森』宮下奈都氏(文藝春秋)
2位:『君の膵臓をたべたい』住野よる(双葉社)
3位:『世界の果てのこどもたち』中脇初枝(講談社)
4位:『永い言い訳』西川美和(文藝春秋)
5位:『朝が来る』辻村深月(文藝春秋)
6位:『王とサーカス』米澤穂信(東京創元社)
7位:『戦場のコックたち』深緑野分(東京創元社)
8位:『流』東山彰良(講談社)
9位:『教団X』中村文則(集英社)
10位:『火花』又吉直樹(文藝春秋)

■発掘部門および超発掘本
『八本脚の蝶』二階堂奥歯(ポプラ社)

関連写真

  • 『2016年本屋大賞』を受賞した宮下奈都氏 (C)ORICON NewS inc.
  • 『2016年本屋大賞』に選ばれた宮下奈都氏『羊と鋼の森』(文藝春秋) (C)ORICON NewS inc.
  • 『2016年本屋大賞』を受賞した宮下奈都氏 (C)ORICON NewS inc.

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