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男性グループの勢力図に変化 新勢力の台頭でシーンに地殻変動

 東海エリア出身・在住の男性グループ・BOYS AND MENのシングル「BOYMEN NINJA」が10.2万枚を売り上げ、2016/1/18付の週間シングルランキングで首位獲得。名古屋を拠点に活動を続ける彼らだが、10万枚を超える初動からも、その人気が全国へと波及してきているのは明らかだ。男性グループといえば、これまでジャニーズアーティストを筆頭に、EXILE TRIBE、K-POPの三大勢力だった。ここへきてK-POP勢の失速からBOYS AND MENをはじめ、EBiDANDa-iCEといった新たな男性グループたちが、目覚ましい活躍を見せている。

名古屋発BOYS AND MENがシングル「BOYMEN NINJA」で初の週間1位獲得

名古屋発BOYS AND MENがシングル「BOYMEN NINJA」で初の週間1位獲得

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◆BOYS AND MENやDa-iCE、超特急ら、新勢力の台頭

 BOYS AND MENは、東海エリア出身・在住の男性11人によるエンタテインメント集団。歌手活動だけでなく、舞台やドラマと活動は多岐に渡る。20年ぶりに映像化され1月14日からテレビドラマ(tvkほか)が放送、さらに映画化も決定している『白鳥麗子でございます!』のヒロイン・河北麻友子の恋人役にリーダー・水野勝が抜擢。他のメンバーの出演に加え、2月3日発売の新曲「Wanna be!」が主題歌にも起用されている。2017年には日本武道館でのワンマンライブも決定しており、その勢いは加速するばかりだ。

 一方、2016/1/18付のアルバムランキングに目を移すと、5人組ダンス&ボーカルグループ・Da-iCEの2ndアルバム『EVERY SEASON』が2位に初登場。4.9万枚というセールスも含め過去最高の結果となった。

 このほかにも、スターダストプロモーション所属の男性俳優・タレントで構成された“EBiDAN”(恵比寿学園男子部)に属する超特急やDISH//といったユニットも作品を重ねるごとに順位を上げ(いずれも最高位は2位)、超特急は昨年末に東京・国立代々木競技場第一体育館で2日間に渡ってクリスマスライブを開催し、成功を収めている。

◆絶対的な“三大勢力”が続いた男性グループに変化が

 このように取り上げただけでも、新たな男性グループの台頭は明らかなのだが、特筆したいのは、これらのグループ、ユニットがいずれも「ジャニーズ」「EXILE TRIBE」「K-POP」という、近年の男性グループ発信元とは異なるところから登場したアーティストであるということ。女性グループの場合、「AKB48グループ」「ハロー!プロジェクト」「スターダストプロモーション所属アーティスト」が中心となる形でムーブメントを巻き起こしてはいるものの、いわゆる地下アイドルやエリア発アイドルなど、様々なスタイルの集団が群雄割拠し、「戦国時代」と呼ばれる様相を呈しているのはよく知られるところだ。

 それに対して、男性グループに関しては「戦国」よりも「安定」という状況がここ数年続いていた。その中心にあったのが「ジャニーズ」「EXILE TRIBE」「K-POP」である。「ジャニーズ」が築き上げた脈々と続く男性アイドルの系譜や、ダンスパフォーマンスをエンタテインメントへと高めた「EXILE TRIBE」のダイナミズム、韓国のショービジネスを鮮やかに打ち出した「K-POP」勢のインターナショナルな個性が核となって、この分野を牽引する大きな流れを生み出してきた。加えて、男性グループの場合、その活動期間は長く、支持するファン層も長期にわたってサポートするという要素も手伝って、ひとつの体系が生まれると、他の勢力がそのフィールドに地盤変化をもたらすのは容易ではない時代となっていた。

 その安定した「勢力図」に変化が生まれようとしているのを示すのが、先に述べたBOYS AND MEN、Da-iCE、超特急、DISH//などの成功例だ。「最終的に目指すところは、やはり男版・宝塚」と語るBOYS AND MENの場合、東海地区を拠点に“地道”にファン層を築き上げてきたというバックボーンがある。Da-iCEは個々で実績を積んできたメンバーがグループを組んで“世界基準のパフォーマンス”にこだわった取り組みを見せている。超特急、DISH//も“EBiDAN”に属する他のユニットがライバルでもあり仲間としても常に刺激を与え合う存在となっていることがジャンプアップの礎となっている。いずれもが、これまでにない男性グループの環境下にあるということだ。

 人気グループやメンバーらの兵役入隊、グループの供給過多による人気分裂など、様々な要因からひと頃に比べてK-POPの勢いに陰りが見えているなか、男性グループを取り巻く状況が大きなターニングポイントへと向かっている。2016年は、男性グループの動向が興味深い。

(文:田井裕規)
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