三浦大知のバックダンサーを務めるほか、SUPER JUNIORやSHINee、EXOらの振り付けなどで世界的に知られるダンスチームのs**t kingzが、東京・世田谷パブリックシアターで28日より開催のイベント『DANCE DANCE ASIA -Crossing the Movements』に出演する。近年、中学校でダンスが必須科目になり、EXILEらの活躍でダンサーという職業が以前にも増して注目されるようになった。とはいえまだあまり知られていない、ダンス業界の実状についてメンバーのshojiに話を聞いた。
◆今ダンサーが仕事を得る場の多くが、実はYouTube
――アーティストや俳優は、デビューや活動の道筋がわりと知られていますが、ダンサーの場合はどういうステップを踏んで行くのか、あまり知られていないですよね。
【shoji】 スタイルの違いもあり、道はひとつではなく、決まったゴールはありません。ひとつは、スキルで攻めるタイプ。テクニックやスキルを競い合って、勝ち抜いて世界中のコンテストを総なめにするというソロダンサーの方は多いです。もうひとつは、振り付け師や演出家という裏方側になる方。あと、アーティストのバックダンサーの仕事をゴールとしている方もいます。でも今の若い方たちは、海外でレッスンを開いたりパフォーマンスを披露したりと、海外に活躍の場を見出している方も多いです。
――ダンサーの方は、オーディションで仕事を得ていたりするのでしょうか?
【shoji】 オーディションは、とても数が減っています。知り合いの紹介や、振り付け師が自分のレッスン生の中から選ぶこともあります。公募のオーディションは本当に少ないので、オーディション情報を得ることも難しいと思います。今ダンサーが仕事を得る場の多くが、実はYouTubeなんです。プロダクションの方が、YouTubeの動画を常にチェックしています。あの曲のあの振り付けが気に入ったと、連絡をくれることも多いです。実際に僕らも、アメリカのダンススタジオでパフォーマンスを披露する機会があり、そのときの動画がYouTubeにアップされました。それをスウェーデンのスタジオの人が見つけて、ワークショップをやらないかと呼んでくれました。そして、その動画を観て、今度はドイツの人が、さらにその動画を韓国の人が観て、韓国アーティストの振り付けの仕事に繋がりました。海外アーティストとの仕事の場合は、メンバー自身がYouTubeで僕らのことを知って、スタッフに勧めてくれたということも多いですね。
――YouTubeがきっかけということは、ダンサーの方以外では、あまり知られていないと思います。
【shoji】 ダンススタジオでのレッスンというのは、講師料という収入面もありますが、プロモーションの場にもなっているので、ライフワーク的にやっている方は多いです。若手のダンサーは、バイトをしながらレッスンを受けて、声がかかるチャンスを待つという感じです。
――収入面で一番大きな仕事はどんなものなのでしょうか?
【shoji】 アーティストのバックダンサーとして長いツアーに同行することや、舞台やライブの演出、振り付けといったところでしょう。やはり音楽業界の仕事の方が、金額的には大きくなります。若手の頃は、本当に安かったんですが、年齢やキャリアを積むことで上がって行きます。
◆ギャラは自ら交渉 “ダンサー”として生活できるようになるまでが大変
――中学でダンスが必須科目になり、EXILEらの活躍で、ダンサーを夢見る子どもが増えています。先程のお話は成功例として、実際問題ダンサーだけで食べていけるものでしょうか?
【shoji】 振り付けやバックダンサー、ダンスレッスンだけでなく、イベントや舞台も増えているので、生活基盤を得るチャンスも増え、ダンスだけで食べて行くことが可能です。ただ生活できるようになるまでは、大変です。音楽業界と違ってレコード会社や事務所がバックアップしてくれるわけではないので、ギャラや細かい条件まで、自分たちで交渉しないといけない。
――では、海外も同じような状況なのでしょうか?
【shoji】 アメリカなど海外ではダンサー専門のエージェントがあって、必ずどこかのエージェントに所属して、そこが仲介して仕事を斡旋してくれるのでギャラや条件も安定しています。しかし日本では、まだエージェントが整備されていません。ダンサーは社会的な地位がまだまだ低いので、それを今後どれだけ上げていけるかが大切だと思っています。
――最近では、菅原小春さんなど若手の台頭も目立って来ていますが、個人的に注目されている方はいますか?
【shoji】 日本では、十数年前からキッズのダンスブームですが、90年代生まれの光る人がたくさんいます。キッズの頃から上手く、その上に表現力も手に入れたらモンスター級に恐ろしいです。そういう才能を持った人がたくさんいる世代なので、今後どんな風に進化していくかワクワクします。
――でも、どうして90年代生まれに才能を持った子が多いのですか?
【shoji】 90年代中盤から安室奈美恵さんやSPEEDさんなどダンス&ボーカルグループが大人気になり、彼女たちの活躍を見てダンスを始めた世代が、90年代には多いのではないでしょうか。僕たちの時代は、ダンサーの評判はあまりよくなく、公園で練習をしているだけで、不良が集まっていると通報されることもありました(笑)。でも安室さんやSPEEDさんたちのおかげでダンスの健全性が認識され、やりたいと思う子供も増え、親世代のダンスに対する感覚も変わりました。ただ、将来的に日本のエンタテインメントが単一化されてしまっては、今の子どもたちが才能を開花させるチャンスが減ってしまう。そういった意味では、僕らの世代が、どれだけダンスの可能性を広げられるかも重要だと考えています。
(文:榑林史章)
◆今ダンサーが仕事を得る場の多くが、実はYouTube
――アーティストや俳優は、デビューや活動の道筋がわりと知られていますが、ダンサーの場合はどういうステップを踏んで行くのか、あまり知られていないですよね。
【shoji】 スタイルの違いもあり、道はひとつではなく、決まったゴールはありません。ひとつは、スキルで攻めるタイプ。テクニックやスキルを競い合って、勝ち抜いて世界中のコンテストを総なめにするというソロダンサーの方は多いです。もうひとつは、振り付け師や演出家という裏方側になる方。あと、アーティストのバックダンサーの仕事をゴールとしている方もいます。でも今の若い方たちは、海外でレッスンを開いたりパフォーマンスを披露したりと、海外に活躍の場を見出している方も多いです。
【shoji】 オーディションは、とても数が減っています。知り合いの紹介や、振り付け師が自分のレッスン生の中から選ぶこともあります。公募のオーディションは本当に少ないので、オーディション情報を得ることも難しいと思います。今ダンサーが仕事を得る場の多くが、実はYouTubeなんです。プロダクションの方が、YouTubeの動画を常にチェックしています。あの曲のあの振り付けが気に入ったと、連絡をくれることも多いです。実際に僕らも、アメリカのダンススタジオでパフォーマンスを披露する機会があり、そのときの動画がYouTubeにアップされました。それをスウェーデンのスタジオの人が見つけて、ワークショップをやらないかと呼んでくれました。そして、その動画を観て、今度はドイツの人が、さらにその動画を韓国の人が観て、韓国アーティストの振り付けの仕事に繋がりました。海外アーティストとの仕事の場合は、メンバー自身がYouTubeで僕らのことを知って、スタッフに勧めてくれたということも多いですね。
――YouTubeがきっかけということは、ダンサーの方以外では、あまり知られていないと思います。
【shoji】 ダンススタジオでのレッスンというのは、講師料という収入面もありますが、プロモーションの場にもなっているので、ライフワーク的にやっている方は多いです。若手のダンサーは、バイトをしながらレッスンを受けて、声がかかるチャンスを待つという感じです。
――収入面で一番大きな仕事はどんなものなのでしょうか?
【shoji】 アーティストのバックダンサーとして長いツアーに同行することや、舞台やライブの演出、振り付けといったところでしょう。やはり音楽業界の仕事の方が、金額的には大きくなります。若手の頃は、本当に安かったんですが、年齢やキャリアを積むことで上がって行きます。
◆ギャラは自ら交渉 “ダンサー”として生活できるようになるまでが大変
――中学でダンスが必須科目になり、EXILEらの活躍で、ダンサーを夢見る子どもが増えています。先程のお話は成功例として、実際問題ダンサーだけで食べていけるものでしょうか?
【shoji】 振り付けやバックダンサー、ダンスレッスンだけでなく、イベントや舞台も増えているので、生活基盤を得るチャンスも増え、ダンスだけで食べて行くことが可能です。ただ生活できるようになるまでは、大変です。音楽業界と違ってレコード会社や事務所がバックアップしてくれるわけではないので、ギャラや細かい条件まで、自分たちで交渉しないといけない。
――では、海外も同じような状況なのでしょうか?
【shoji】 アメリカなど海外ではダンサー専門のエージェントがあって、必ずどこかのエージェントに所属して、そこが仲介して仕事を斡旋してくれるのでギャラや条件も安定しています。しかし日本では、まだエージェントが整備されていません。ダンサーは社会的な地位がまだまだ低いので、それを今後どれだけ上げていけるかが大切だと思っています。
――最近では、菅原小春さんなど若手の台頭も目立って来ていますが、個人的に注目されている方はいますか?
【shoji】 日本では、十数年前からキッズのダンスブームですが、90年代生まれの光る人がたくさんいます。キッズの頃から上手く、その上に表現力も手に入れたらモンスター級に恐ろしいです。そういう才能を持った人がたくさんいる世代なので、今後どんな風に進化していくかワクワクします。
――でも、どうして90年代生まれに才能を持った子が多いのですか?
【shoji】 90年代中盤から安室奈美恵さんやSPEEDさんなどダンス&ボーカルグループが大人気になり、彼女たちの活躍を見てダンスを始めた世代が、90年代には多いのではないでしょうか。僕たちの時代は、ダンサーの評判はあまりよくなく、公園で練習をしているだけで、不良が集まっていると通報されることもありました(笑)。でも安室さんやSPEEDさんたちのおかげでダンスの健全性が認識され、やりたいと思う子供も増え、親世代のダンスに対する感覚も変わりました。ただ、将来的に日本のエンタテインメントが単一化されてしまっては、今の子どもたちが才能を開花させるチャンスが減ってしまう。そういった意味では、僕らの世代が、どれだけダンスの可能性を広げられるかも重要だと考えています。
(文:榑林史章)
2015/10/25



