アーティスト・石井竜也（56）が21日、東京・日本武道館で30周年記念ツアー『TATUYA ISHII 30th ANNIVERSARY「ARROWS HEAD」』の最終公演を開催し、全33曲を熱唱した。この日は、米米CLUBとしてデビューしてから丸30年の記念日。アンコールではダンサーと同じ衣装を着た愛娘のサリーナさん（13）がサプライズで登場し花束を手渡すと「泣かせようって気か。オレは泣いてないぞ！」と強がりながらも、サングラスの下につたった熱い涙をぬぐった。観客8000人からも「てっぺいちゃん（石井の愛称）、30周年おめでとう」と祝福され「お前ら大好きだー！」と絶叫した。

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　コンサートタイトルの『ARROWS HEAD（＝弓矢の先）』は、ことわざ「石に立つ矢」を元に祖父から命名された自身の名前に由来。戦国時代風のセットのなか、甲冑風の衣装をまとい、右手にマイク、左手に刀を持った石井が登場すると、割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。

　「石井竜也が歩んできた道を見せるのも大事だけど、これからの石井竜也は何をやっていくんだろうというのを見せるのもファンへの仁義」という石井は、700曲以上あるという持ち歌の中から、ちょうど30年前にリリースされた米米CLUBのデビュー曲「I・CAN・BE」、代表曲「浪漫飛行」「君がいるだけで」、97年9月のソロデビュー曲「WHITE MOON IN THE BLUE SKY」のほか、8ヶ月かけて制作したという渾身の30周年記念アルバム『STONE』（CD2枚組26曲入り）収録曲などたっぷり33曲を、2部構成・3時間にわたって熱唱した。

　本人にも内緒でHOME MADE家族のMICROが祝福に駆けつけると、石井は「たまげたわ」と驚きながらも、アルバムでもコラボした「DREAM DANCE」を披露し熱い抱擁。アンコール最後のメドレー「Shake Hip！」では、石井の実妹で米米CLUBのダンサー、シュークリームシュのMINAKOがこれまたサプライズで登場し、兄妹共演でもファンを沸かせていた。

　ライブ前の囲み取材でデビュー当時を振り返った石井は「3ヶ月で終わると思っていましたよ。バンドブームの中、続くわけないと思ってた。米米CLUBはふざけたバンドだったので自分の名前を出すのが嫌で、最初はカールスモーキー“中村”だった。ハハハ」と懐かしげ。

　これまで辞めたいと思ったことを聞かれ「それとの戦いだった気がしないでもない。山も谷もあった。辞めなきゃいけないかなというところまで追い詰められたこともあった」としみじみ。97年の米米CLUB解散後、映画監督などに挑戦した結果「借金を抱えて、どうしようもなくなって本当に辞めようと思ったとき、何も言ってないのに親父からふっと電話がかかってきて…」と激励されたことを感慨深げに振り返った。

　これまでの活動を通して「一つだけ自慢できることは、30年間一回もコンサートツアーを休んだことがない。アルバムを出さなかった年もない。ずっと歌を歌い続けてこられたのは自信にもなった」と胸を張り、「多くの人に支えられてやってこれた」とファンやスタッフ、亡き父に対しても感謝しきりだった。

■TATUYA ISHII 30th ANNIVERSARY「ARROWS HEAD」
00. 月の行進〜尊き者のために〜ART VANDALIZE
01. 天地の乱舞
02. Where is Heaven
03. TRAUMA
04. TAKEN
05. FOXY〜危険な恋〜
06. GREY ZONE
07. OH！MY ANGEL
08. 勇気の言葉
09. RIVER
10. 旅の途中で
11. 鳥の視線（インストゥルメンタル）
12. WHITE MOON IN THE BLUE SKY
13. 君へのLOVE SONG
14. 浪漫飛行
15. SO COOL
16. I・CAN・BE
17. Troubled Fish
18. 愛してるだけじゃない
19. 君がいるだけで
20. FLYING HEART
21. DISCOメドレー
22. ONE MORE
23. HI TENSION LOVE
24. 夢 DE 愛魔性
25. GOLDEN FISH ＆ SILVER FOX
26. DREAM DANCE
27. 熱愛が止まらない
28. YOU’RE SO SEXY
29. ONE NIGHT BRIDE
30. 飛 〜JUMP〜 翔
31. 花まつり
【アンコール】
32. 幻想の理想
33. 壮絶夜舞酒家〜Shake Hip！〜壮絶夜舞酒家