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石井竜也、歌手・映画監督・芸術家……30年続けられた秘訣とは

 アーティストデビュー30周年を迎えた石井竜也が、10月21日に東京・日本武道館でアニバーサリーライブを開催。その模様が、WOWOWで生中継される。米米CLUBのメンバー、ソロアーティストとして活動するだけでなく、映画監督や芸術家としても才能を発揮する石井が、現在の心境やこれまでの苦悩について語った。

アーティストデビュー30周年を迎えた米米CLUBでも活躍する石井竜也

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◆30年と言われてもあまりピンとこない

――今年アーティストデビュー30周年を迎えられますが、今、どんなお気持ちでしょうか?
【石井竜也】 みなさんに「石井さん、30年はやっぱり長く感じるでしょ?」といろいろ聞かれますが、俺の場合は、米米CLUBがまずあって、ソロがあって、また米米CLUBが始まって……と10年、10年、10年といった感じで、音楽的にも3つぐらいに区切られているので、正直、30年と言われてもあまりピンとこないんです。石井竜也という米米CLUBに属した人間が一時期ソロになって、また現在はソロと米米CLUBを両立してやっていますが、そういう人間がやれる30周年というのはどういうことなんだろうか、ここに至るまで随分悩みました。

――悩まれたというのは?
【石井】 米米CLUBと一緒にやったほうがいいんじゃないかと思ったりもしたのですが、既成事実として米米CLUBは一度解散という言葉を使っていますし、そもそも何十周年を記念して何かをやるのが好きじゃないバンドなんです。“米米=88”ということで、8周年を迎えたときに、8角形の日本武道館で8日間ライブを開催したりと、シャレでやったことはありましたが、真面目に○○周年をお祝いしようってことはなかったです。でも、僕個人としては、そういう節目も大事だと思っているので、いろいろご意見はあるかとは思いますが、30周年は、僕だけでやらせてもらおうと決めました。

――悩まれた結果、石井竜也として30周年を記念した全国ツアー、さらに30周年を迎える当日(10月21日)には、日本武道館でスペシャルライブを開催することになったと。
【石井】 ひとりでいい思いしやがってとか、いろいろ言われるかもしれないですが(苦笑)、まあ米米CLUBのなかにも個人の石井竜也はいたわけですしね。

◆映画監督・芸術家はこの業界の隙間産業

――石井さんといえば、独自のユーモアあふれるトークセンスも魅力のひとつですが、アーティストとしてはもちろん、映画監督、芸術家としても活躍されていますが。
【石井】 僕はただ隙間を見つめながらやってきただけです(笑)。まさしくこの業界の隙間産業ですよ(笑)。

――とはいえ、どれもが徹底されていらっしゃるじゃないですか。石井さんは、エンタテインメント・バンドを成立させた先駆者的存在でありながら、アートにしても、アーティストが生み出すアート作品ではなく、いち芸術家・石井竜也として国内外から高い評価を得ているのが凄いなと。
【石井】 まあ、自分が興味あることしかやってないですからね。

――まさしく才能の塊というべき、多才な才能をお持ちでいらっしゃいますが、30年間常にアグレッシブに活動し続けるのは大変じゃないかと。
【石井】 特に、米米CLUBの全盛期の頃は、ツアーをやっている最中に、次のツアーが既に控えていたので、その為の絵をずっとホテルの部屋で書いていたという記憶しかないですね(苦笑)。コンサートが終わると、疲れきっちゃって、お風呂に入りながら、そのまま眠ってしまって、起きたら水だったとか(笑)。へたしたら生死をさまようぐらいの経験を無意識のうちにたくさんしていました。

◆変化し続けていくことが、逆に変わんないねって言われること

――それは、すごいですね。自ら休む時間を作らないと。
【石井】 それが自分という大人な人間をギリギリまとめている武器といいますか、カンフル剤なんですよね。逆に、大量のお休みが与えられたとしたら、一気に精神がボロッボロになって、何をやっているんだか、訳がわからなくなってしまうと思います。だから、この30年間、全くブランクもなく、何かしら活動し続けて来れたんだと思いますし、少しでもブランクが空いてしまったら、30年も続けることはできなかったです。

――30年間、しかもずっとトップで突っ走るのは、とてつもない馬力が必要ですよね。
【石井】 俺をトップと言っていいのかわからないですけど。間違っているのが、今これが流行っているよねとか、今の音ってこうだよねって、自分に合わないのに無理して合わせようとしちゃうのが一番の癌なんですよね。それにみんな巻き込まれちゃって、それで消えちゃう人も多いと思うんです。

――だからこそ、石井さん(米米CLUB)には、今もなお色褪せない名曲たちが存在するんでしょうね。
【石井】 「君がいるだけで」や「浪漫飛行」とみなさんが知ってくださっている楽曲があると思うんですが、そういう歌も時の流れとともにいろんな風に変えていかないといけないと思うんです。変化し続けていくことが、逆に変わんないねって言われることなのかなって。

(文:星野彩乃)

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