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“脱アイドル”w-inds.、紆余曲折経ての15年

 デビュー15年目を迎えたw-inds.が、アルバム『Blue Blood』を発売。これまで最先端の音楽を提示しながら、積極的に海外公演を行うなど、日本を代表するダンスボーカル・グループとして第一線を突き進んできた。デビュー当時のアイドル的な立ち位置から脱皮し、孤高の存在として歩んできた心境や、貫き通した独自のスタイルなど、紆余曲折を経た15年の軌跡を振り返り語った。

デビュー15年目を迎えたw-inds.(左から)千葉涼平、橘慶太、緒方龍一

デビュー15年目を迎えたw-inds.(左から)千葉涼平、橘慶太、緒方龍一

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◆少年のような心でずっと歌を歌えるし、パフォーマンスできる

――爽やかさは、デビュー当時から変わらない部分ですよね。15年目を迎えても、ずっとフレッシュであり続けているという。そこがw-inds.のすごいところだなって。
【橘慶太】 ずっとモチベーションが下がってないんですよ。ダンスに関しても、歌に関しても、いい意味で、仕事になっていないといいますか。ありがたいことに、自分たちの追及したい音楽をやらせてもらえる環境にずっと置いていただけているので、少年のような心でずっと歌を歌えるし、パフォーマンスできるし、楽曲を制作できていると思うんです。
【緒方龍一】 どんなときも音楽が中心だからね。家族と電話しているときでさえも、頭の片隅に音楽のことがあるし。
【千葉涼平】 僕も、自分では気づいていないんだけど、プライベートでも、つい体が動いてたり、自然と気持ちが音楽へ向かっていて、友達とかに怒られたこともあるし(笑)。
【龍一】 夢の中で、俺、慶太に怒られたから(笑)。内容は忘れちゃったけど、音楽に関することで、慶太にこっぴどく叱られたことは覚えてる。慶太のすごいなって思うところは、デビュー当時から、これはやりたくないってことは、ちゃんと主張するんですよ。
【涼平】 とんがってたよね。
【慶太】 でも、一時期、俺、おとなしくなったなって思った時期があって。

――それっていつ頃?
【慶太】 多分、4,5年前ぐらいじゃないかな。人に意見を譲ったりするのが平気になっていて。
【龍一】 あったね〜。急に慶太が丸くなって、どうしちゃったんだって。
【慶太】 でも、結局そんな自分が嫌になって、自分の思うことを素直に言おう、自分のやりたい音楽を目指そうって。

――ちなみに3人の関係性は、デビュー当時と比べてどうですか?
【慶太】 まったく変わってないと思いますね。最初から言いたいことを言ってたし(笑)。
【龍一】 当時はちょっと照れがあったかもしれないけど、とくに気を遣うとかっていうのはなかったよね。
【涼平】 そうだね。まあ、10代の頃は慶太の暴走に対して、2人が止めるっていうのはあったけど(笑)。
【龍一】 正確に言えば、止まるまで待つという(笑)。
【慶太】 すごい忍耐強い2人だと思いますね(笑)。この2人じゃなかったら、今頃どうなっていたか。
【龍一】 途中であきらめていた可能性もあるし。

◆いつまでもアイドルでいられるわけではない、常にその先の未来を考えていた

――15年続けてこれたのは、3人だったことが大きいと思いますか?
【龍一】 それが15年の答えじゃないですかね。
【涼平】 僕もひとりでは絶対無理でしたね。仲間がいたから、ここまでいろんなものを乗り越えられてきたと思います。
【龍一】 それは、メンバー、スタッフはもちろん、ファンの人に対しても同じことが言えると思いますね。
【慶太】 音楽に対して好き勝手、わがままにやらせてもらってきているのに、ファンの人たちが受け止めてくれるからこそ、この15年間w-inds.としてやってこれたと思います。ファンの人たちも音楽に対していい意味で貪欲といいますか、新しいものを吸収しようと思ってくれているから、僕らが出したアイディア、それまで見せてなかった世界を表現しても、100%大丈夫だっていう安心感、信頼関係があるし。
【龍一】 それも、ここ数年で確信に変わった気がしますね。

――デビュー当時は、イメージ的にアイドルに近い部分もあったと思うのですが、アーティストとしてw-inds.が進化していくなかで、そのような確信を得るまで、ファンの人が離れてしまうんじゃないかという不安はなかったですか?
【龍一】 僕らというよりは、周りが脅してきたよね(笑)。
【慶太】 でも、いつまでもそこにいられるわけではないこともわかっていたし、常にその先の未来を僕らは考えていたので、周りに脅されようが(笑)、意思を変えるつもりはなかったです。同じことを続けていくことが安全な道だという人もいたんですが、自分たちがやりたいことを捻じ曲げて安全策を取るんだったら、いっそのこと危険な橋を渡ったほうがいいって。とはいえ、危険だと感じることは一度もなかったですけどね。
【涼平】 僕自身、絶対こうじゃなきゃダメって、縛られるのが苦手で。でも、w-inds.って、いい意味で流動的だし、柔軟性があるから、ここまで続けることができたと思うんです。“w-inds.=バキバキに踊るグループ”っていうイメージを持っている方が多いかもしれないし、それを自分たちでも発信してきた感はあるんですが、ダンスだけじゃないw-inds.の多面性をこれからもっと打ち出していけたらいいなって思いますね。

――15年目、つい最近10周年を迎えたような感じで、あっという間ですが、心境や環境の変化はありますか?
【慶太】 今までの話にも通じるんですけど、自分の意見を貫くという思いがより強くなりましたね。きっとこの世で僕の意見を曲げれられる人物はいないんじゃないかってぐらい(笑)。
【龍一】 慶太の嗅覚、第六感的なところは、この5年間でより研ぎ澄まされたと思うし、慶太の言っていることに説得力もあるから、誰も曲げられないという。
【涼平】 決して間違ったことを言っているわけではないからね。慶太の意見にみんなが賛同できるから、よし、これで行こう! って、GOサインが出せる。
【龍一】 僕も自分の感覚、センスを信じて、これまでやってきたんですけど、これだって納得のいくものにたどり着くまで、幾度となく微調整を重ねて、やっとここまでこれたのかなって。だから、ここ2年が一番幸せですね。もちろんそれまでも楽しいこと、嬉しいこと、辛いこと、いろいろ経験してきましたが、『Timeless』のツアーが終わったときに、あまりにも見える景色が気持ち良すぎて、心の底から今の現状に対して、幸せだな〜って実感することができたんですよね。
【涼平】 あと、この5年で、それぞれがソロとして活動するようになったのは、環境、心境ともに大きな変化だったと思います。それまでは、w-inds.として、どう魅せるか、3人のバランスを考えながら自己表現をしてきたのが、ソロ活動では、そこを抜きにして、自分のやりたいことをそのまま表現するという。

――これから20周年にむけての展望を教えていただこうかと思っていたのですが。
【涼平】 できる限りは続けたいです。
【慶太】 確実に言えるのは、3人とも音楽が中心にあるっていうのは、この先もずっと変わらないと思います。

(文:星野彩乃)

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  • アルバム『Blue Blood』【初回盤】
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