マニアにとって、唯一無二の宝物である“限定モデル”。しかし、趣味嗜好が違えば、同じ価値観を共有することは難しいもの。そこで今回は、過去に起きた交通事故の中から、アメリカンバイクの代名詞「ハーレーダビッドソン」の、客観的価値が争点となった交通事故の裁判を紹介。限定モデルだった同バイクの稀少価値は、裁判所に認められるのか? それとも個人の趣味と一蹴されたのか? 実際の判決と、その認定理由もみていこう。 事故が起きたのは、2010年8月7日の夕方。京都府宮津市の道路をハーレーダビッドソン(誕生95周年限定記念モデル・生産数3000台)に乗車したAが集団走行していた。このとき、対向車がセンターラインをはみ出し、Aたちのバイクに衝突。事故原因は対向車の前方不注視で、センターライン側へ寄っていることに気づかないまま漫然と走行していたことであるため、Aたちに過失はなかった。
2015/03/14