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『ゴッドタン』佐久間宣行P、テレ東の躍進は「ただのバブル」

 近年、民放テレビ局の中で最も勢いを感じさせるのがテレビ東京。ドラマ、バラエティ、情報番組など各コンテンツで反映される“ブレないテレ東”ぶりは、視聴率以上の価値観を生んでいる。ORICON STYLEでは、『ゴッドタン』などのプロデューサーであるテレビ東京・佐久間宣行氏にインタビューを敢行。同局の躍進について、また、現在のテレビにおける“規制”ついても独自の見解を明かしてくれた。

■僕は今でもテレビには面白いソフトが沢山あると思っています

――佐久間さんは『ゴッドタン』、特に映画化もされた『キス我慢選手権』で、現在のバラエティにおける“コント”の新しい流れを作ったと思うんです。なかなかコント番組を作り辛い状況の中で、「踏みとどまっている」感じを凄く受けます。
【佐久間】確かに製作費等の問題で、なかなか純粋なコントを作ることは難しいですね。でも、僕はずっとコントを作りたいと思っていて、自分なりにアプローチしてきたという思いはあります。

――それはやっぱり、いちテレビマンとしての使命感ですか?
【佐久間】使命感というと大げさですけど、やっぱり僕は作り物の笑いで育ってきた部分が強いんです。もちろん、何が起こるか分からないトークバラエティも好きですけど、『夢で逢えたら』(フジテレビ系)などに強い影響を受けたのは、紛れもない事実。だったら今の時代に即した要素を入れた形で、今の若い世代の視聴者にも届けたいなっていう気持ちはあります。

――今って、ハードとしてのテレビがなかなか難しい時代に突入したと言われることが多いですよね。そのことについて佐久間さん自身はどのように感じていますか?
【佐久間】僕は今でも沢山面白い番組がテレビにはあると思っています。その面白さが届いていないとすると、視聴するフォーマットが生活スタイルと合っていないということが多分にあります。今は丁度その過渡期だと思います。でも、“ソフト”としてのテレビは弱まっているワケではなく、むしろどんどん強度を増していると思うんです。

――上手くそれぞれのライフスタイルに合ったフォーマットさえ整えば、ソフトの面白みは伝わるということですね。
【佐久間】そのためにも、どんなシチュエーションでも楽しめる番組作りは常に心がけていますね。映画を作ったり、舞台をやったりして改めて思うのは、これだけお金をかけて無料で届けられるテレビの良さって、やっぱりあるなって。無料だから誰にでも平等に届くというか。そういう意味でいろいろなきっかけになる可能性があるし、忘れられない1作になる。そこがテレビの良さだと思う。

■“視聴者との共犯関係”を保てれば、規制のラインは下がる

――ただ、佐久間さんが思春期の頃に観て影響を受けた番組の手法って、現在は“自主規制”という名目で企画が通り辛いのも事実ですよね。そこにジレンマを感じる瞬間は?
【佐久間】うーん……どうなんでしょうね(笑)。興味が多様化しているし、テレビを観ている視聴者の声が可視化される時代なので、確かに難しい面もありますけど、根本的には“視聴者との共犯関係”を保っていれば、その(自主規制)ラインっていうのは下がると思います。

――制作側と視聴者の間で乖離があるから反発を招くおそれがあるんですね。
【佐久間】そうです。ですから、僕が『ゴッドタン』でちょっと過激なことをやる場合には、「今、僕は視聴者と信頼関係を結べてるかな?」って常に考えますね。決して「多分大丈夫だろう。行っちゃえ!!」という気持ちでは動かないです。

――視聴者との共犯関係、信頼関係というのは、『ゴッドタン』に関しては確かに握れていると思います。これって『テレビ東京』という点が大きいんですかね? 佐久間さんは常々、“隙間産業”と仰っていますが、そのスタンスが他局とは一線を画しているからこそ信頼関係が結べているような気がします。
【佐久間】まぁ、社風として「失敗は“ある程度は”許す」という部分があるので(笑)、そういう意味でいうと比較的やりやすいというのはありますね。

■現状のテレ東はただの“バブル”、調子に乗っちゃダメ(笑)

――“隙間産業”って、いわゆる王道があるからこその隙間じゃないですか? でも現状って、その王道が崩壊して“テレ東的アプローチ”が新たな王道になりつつあるのかな?って思うんですよ。
【佐久間】いやいや! それは違います。会社の同僚ともよく喋るんですよ。「ただの“バブル”だから調子に乗っちゃダメだよね」って。本当にテレ東がメインストリームになってしまったら、それこそ危機感を感じるかも知れないですけど、ウチの社員誰もそんなこと思ってませんよ(笑)。「“一瞬”だから、逆に浮かれないようにしようね!」って。

――冷静だなぁ(笑)。
【佐久間】だって、別に製作費も増えてるワケでもないので、浮かれようがないですよ(笑)。



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