安倍なつみが明かす、「モー娘。のなっち」という呪縛からの解放

 2004年にモーニング娘。を卒業して以降、数々のミュージカル、舞台に出演してきた安倍なつみが、その経験を活かしクラシカル・クロスオーヴァーをコンセプトにしたアルバム『光へ−classical & crossover−』を10月22日にリリース。これまでとは全く違うアプローチで挑んだ新作から、歌手としてだけでなく、一人の人間としての大きな成長を感じさせるが、「安倍なつみ=モー娘。のなっち」を演じなくてはいけない、と縛られていた時期もあったという。ORICON STYLEでは、新たなチャレンジとなった新作への思い、10年のソロ活動でたどり着いた“今の安倍なつみ”について聞いた。

■ミュージカル、芝居で学んできた経験が活かされたアルバム

――今回の作品はミュージカルの名曲が多数収録されていますね。舞台女優としても様々な作品に出演されていますが、やはりミュージカルへの思いは強いのですか。
【安倍なつみ】 ミュージカル、歌がないストレートプレイのお芝居もたくさん出演させていただいてますけど、やっぱり強いですね。演技をするときに自分じゃない何者かになれているという感覚、その期間は安倍なつみじゃなくて、その役で生きられているということが楽しいし、幸せだなって思います。

――今回のアルバムでその経験が活きているな、と感じる部分は?
【安倍】 たとえば、歌に対する意識の変化です。歌詞の世界観を理解して、主人公を“演じる”ようになったんです。1曲1曲にストーリーがあって、自分のテンションや感情、声のアプローチの仕方次第でまったく違った曲になる。今までは歌詞の世界観というよりは、リズム、ピッチとかビートを意識していたんですよ。表現ってひとつじゃなくて、いろいろあるんだなというのは、経験を通して学んできたことではありますね。

――新曲として収録されている「光へ」は作詞を平原綾香の「Jupiter」などで知られる吉元由美さん、作曲をスタジオジブリ映画『思い出のマーニー』の音楽に抜擢された村松崇継さんが手がけられていることも話題ですね。作品の第一印象を教えてください。
【安倍】 最初に曲があがってきたときはちょうど他の曲のオケ録りをしていて、スタジオにいたんですよ。歌詞とメロディを聴いたとき、ぞくぞくして鳥肌が立ちました。今の自分の心境と置かれている立場、新しいことに挑もうとしている気持ちを、すごく代弁してくれているんです。タイトル通り、夢とか希望とか、“光”に向かって前向きに進んでいくイメージ。生きることや人生の大切にすべきことをこの曲から教えてもらっている気がします。この曲は大切に育てていきたいと思っていたので、納得いくまで何日もかけてレコーディングしました。

■いまだにどこかに「モーニング娘。のなっち」というイメージがある

――つい最近のことのような気がしていましたけど、モーニング娘。の一員としてデビューされてからもう17年、卒業してからも10年経ってるんですね。
【安倍】 気づけば長くてすみません(笑)。10代でデビューして、20代を過ぎて、今30代。やっぱり年を重ねてきたなかで人との出会いやいろいろな出来事を経験して、自分も成長していきたいなって。

――より自分と向き合っていくことが必要だと。
【安倍】 やっぱりソロになってから、アイドルと呼ばれる集団の中にいたときは経験できなかったことをやらせていただくことが多くなって、自分と向き合う時間が必然的に増えていったんです。私は何者なんだろう、今の私に何ができるんだろう、何を伝えることができるんだろうって。自分の曲もあまり聴かないタイプだったんですけど、積極的に見たり、聴いたりすることが増えましたね。

――“今の安倍なつみ”についてはご自身でどう捉えているんですか。
【安倍】 うーん、なんだろうって思いますけど。いまだにどこかに「モーニング娘。のなっち」みたいなイメージがありますよね。自分でも「モーニング娘。のなっちはこうじゃなきゃいけない」という時期があったんです。でも、今はそこは引きずっていなくて、「私はこうです!」と吹っ切れて伝えられるようになったので、活動のスタンスが変わってきた気はします。やらなきゃいけないんだ、っていう意識から、自分がやりたくてやらせていただいているんだ、って。だから、ちゃんと結果を残していきたいなと思います。

――自分の足で歩き始めたわけですね。
【安倍】 ライブでも、これが私らしいステージなんだな、というのがだんだんつかめてきて、今回のバンド編成はこうしましょう、じゃあこのタイトルで、だったら衣装はこれで、とか、客観的な面も持ちつつ自分は何がしたいかみたいなことを、うまくバランスを取って表現できるようになってきました。もうつんく♂さんプロデュースではないですからね。コミュニケーションを取りながら、自分をプロデュースさせてもらっています。

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