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桂三度、落語家転身の“真相”を明かす

 2011年に落語家へ転身した桂三度。今月8日には師匠である桂文枝プロデュースの『神保町花月〜桂文枝 プロデュース〜戀(こい)する落語会』にも出演する三度にORICON STYLEではインタビューを敢行。“新弟子”としての3年間の歩み、そして落語家に転身した真相も明かしてくれた。

落語家転身の“真相”を明かす桂三度

落語家転身の“真相”を明かす桂三度

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■今までのキャリアの中で培ってきた“間”が通用しない

――落語家に転向して3年。三度さんって、いわゆる“通い弟子”のような形なんですよね。
【三度】 そうですね。弟子入りする際に師匠から、「お前は東京にいなさい」って言うてくれはったんですよ。それはつまり、東京で上方落語の広報的な役割を任させれたのかなと……まぁ僕はまったくその役割を果たしてませんが(笑)。

──2011年に弟子入りし、翌12年に高座デビュー。すごく順調に進んでいるように見えます。
【三度】 そうですね……直ぐに認められる世界ではないと思っていて。15年くらいやって、どうにか一人前として認められればラッキーくらいの気持ちで弟子入りしたんです。なので、焦らず自分なりにコツコツやっていこうと思っていたんですけど、思っていた以上に落語が難しくて今エライ目にあってます(笑)。

──甘くなかったと(笑)。
【三度】 あれ!? 15年位って思ってたけど、22年は掛かるぞって(笑)。落語家として大成するためには早くコツを掴まないとヤバイなっていう焦りの方が大きいですね。

──でも視聴者目線で見ていると、芸人として培ってきたものって、仮に落語家に転向されても失われたり、マイナスになることってないと思うんですよ。ですから三度さんを見ていると、凄く順調なんじゃないかなって思うんです。
【三度】 ありがとうございます。もう、ありがとうございますしか言えないです。そして、しめしめという気持ちがちょっぴりですね(笑)。

──アハハハハ! でも、そんな三度さんも、壁みたいなものにぶち当たっていると?
【三度】 そうですね。この3年間は、やっぱり無駄にキャリアが長いだけに変なクセを修正するところから始めて。あと、東京に長くいすぎたからイントネーションを直したり。

──なるほど。いわゆる上方落語をやるのにネックになる部分が多かったと。
【三度】 はい。確かに、噺の中で演じる部分というのは、ずっとコントなんかをやってきた部分が活かされることも多いんですけどね…。だから今はクセを直しながら落語のコツを掴もうとしている最中ですね。

──となると、今までのキャリアの中で培ってきた“間”ってあると思うんですけど、その“間”も修正してしまうことになるんですよね。それって凄く怖くないですか?
【三度】 怖いですよ〜(しみじみ)。おこがましいですけど、自分の中で少なからず「これで笑いが取れる」という“間”があったワケですけど、その間自体が落語では通用しないこともあるんです。

──今までのノウハウが活かせない。
【三度】 そうなんですよ! 創作落語を考えていたとき、「どないやねん!!」って思わずペン投げましたからね(笑)。

■お金の面に関しては一杯損してるなって(笑)

――三度さんは芸人としてもジャリズムとして大阪で売れて、ピンとしても世界のナベアツとしてブレイク。さらに作家としても『アメトーーク!』や『めちゃイケ』など人気番組に携わってきた超売れっ子でした。
【桂三度】 いやいや! 売れっ子だったかなぁ……よく言うんですけど、総合演出がお殿様で一流の作家さんというは侍なんです。で、僕は……忍者。

──隠密行動が得意(笑)。
【三度】 はい。忍者として、いろいろなお殿様に仕えていたという感じですね。

──でも、落語家転身が最たるものですけど、いろいろなことに挑戦するのを見て、自分の欲求に忠実な人なんだって。
【三度】 あぁ〜それは凄く自分でも感じますね! 僕って、哀しいことがあったとしても「俺の人生ドラマチックやなぁ」って思うようにしているんですね。で、数年前に自分の人生を振り返った時にあんまり面白くないなぁって思ってたんですけど、落語家になって「あ、自伝の内容みえた!」って(笑)。

──何時でも、出版出来るぞと(笑)。
【三度】 あとは、この先の人生で、とんでもないイジワルじいさんが登場して、そのじいさんを倒したら自伝出します!

──アハハハハ! やっぱり難敵をクリアしないとね(笑)。
【三度】 そうなんですよね。今は逆に困っているんですよ、周りが良い人だらけなので。「嫌なヤツ出てこないかなぁ」って探してるんですけど(笑)。

──いや、現状でも十分ドラマチックだと思いますよ。落語家転身なんて、奥様も相当な理解力のある方だなって。正直、経済面で考えたら構成作家を続けていた方が良いワケですよね?
【三度】 それはねぇ……ホンマにお金の面に関しては一杯損してるなって思いますね(笑)。今になって色々計算をしたら、「くっそ〜」ってなりますから(笑)。

──アハハハハ! 若干後悔していると(笑)。
【三度】 奥さんにはありがとう!という気持ちしかないんですね。ただ、反対されるのもイヤやから、いつも「ごめん。もう決めてきたから…」っていうパターンばっかりですね(笑)。
──常に事後報告ですか(笑)。
【三度】 「拒否すること出来へんから、とりあえず弟子入りの挨拶いく?」って(笑)。

■いつか自分の新作落語を映画化したい!!

──今後の桂三度としての展望って現在どのように考えていらっしゃるんですか?
【三度】 そうですね……これは、もしかしたら矛盾しているように聞こえるかもしれませんけど、落語家を目指すときに「いいテレビタレントになりたい」と思っていたんです。

──落語というコンテンツがまだまだテレビに通用する、もしくは活かせると感じたワケですね?
【三度】 テレビ諦めたとか、生活の安定のための落語家転身とか言われたりするんですけど、そうじゃないんです。ちゅうか、安定したいなら落語家なんてならんよって思うんですよ(笑)。とにかく僕の中で凄い可能性が眠っているジャンルだったんです。

──安定のみを考えたら、ずっと作家の方が良いですよね。
【三度】 ホンマそうですよ〜。で、いつかある程度落語家として認められるようになったら……あ、でもこんなこと今言わん方がエエかな。

――なんですか? 教えて下さいよ。
【三度】 そうですね! 今の現状ではあまり大きなことは言いたくないんですけど、アホなんで言うていかないと忘れるので(笑)。いつか自分の作った新作落語を映画化したいんです。

──素晴らしいじゃないですか! 落語家として大成するだけではなく、その先も見据えてますし。
【三度】 長尺じゃないとダメだし、長尺やるには落語家としてもっと上に行かないといけないですし。まだまだ先の話なんですけど、夢だけでも持つのはええやろって思ってまして。

──三度さんを見ていると、キャリアを重ねても変なプライドが邪魔をせず、自分のやりたいことに邁進してますよね。
【三度】 まぁ〜色々と逆算していったら“ドM”なだけなんです(笑)。でも、ただのドMじゃなくて、女王さまに叩いてもらうムチも自分で用意するみたいな。

──アハハハハ! そこもしっかりと自分で作りこむと(笑)。
【三度】 そうですね。SM部屋の照明から美術まで、トータルプロデュースはしたいなと考えております(笑)。

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