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東出昌大、俳優への道を決意させた作品とは

 高い評価を受けた映画『桐島、部活やめるってよ』(2012年)、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』、映画『クローズEXPLODE』など話題作への出演が続き、今やその姿をメディアで見かけぬ日はないほどの活躍ぶりを見せる若手の最注目俳優、東出昌大。モデル活動を経て所属事務所を移り、俳優の道一本で進むことを心に決めたのには、ひとつの作品がきっかけになっていた。

◆こんな感動が味わえるならずっとやりたい

 高校時代にモデルデビューし、芸能活動をスタートしていた東出。高校卒業後はモデルとして活動しながらも進学し、さらにジュエリー関係の専門学校で手に職をつけようと勉強もしていた。6年間所属していた当時のモデル事務所時代は、芸能界で生きていくとは考えていなかった。

「物作りが好きで、ジュエリー関係の仕事に就くんだろうと漠然と思っていました」

 そんななか、初めて芝居のオーディションの話が舞い込んだのが、デビュー作となった『桐島、部活やめるってよ』。東出は、演技未経験ながら見事、メインキャストのひとりの役を射止めた。そして、高校生のなにげない日常の学校生活のなかから、学校ヒエラルキーの様々なポジションのひとたちの心に視線をあわせたその群像劇は、口コミで話題が広がり異例のロングヒット。その年の日本アカデミー賞最優秀作品賞ほか映画賞を総なめにし、作品そのものだけでなく、東出のほか、橋本愛、山本美月、松岡茉優、清水くるみ、落合モトキ、浅香航大ら出演していた若手俳優たちに熱い視線が集まった。

 同作は、撮影前に出演者の合宿が行われ、さらに地方で集中して行われた撮影を通してキャストたちの間には得難い一体感が生まれ、演技の技術とともに俳優としての意識を高めていった。もともと気鋭の若手俳優がキャスティングされていた同作だが、彼らの多くがこの作品のあと、俳優としての活躍の場をより広げている。東出もこの作品との出会いを通して、俳優の道を進む決心をしたという。

「自分にとっては転機となった作品であり、役者になったきっかけの作品でもあるので、(この作品の存在は)大きかったですね。吉田大八監督、共演者、スタッフ……プロの方々がひとつの目標を持って長期間一緒に仕事をする、そういう経験が初めてだったので、撮影を終えたときに年甲斐もなく大泣きしました。でも、いま思うと、感動だったのかな。現場が終わってしまうのは寂しいけれど、こんな感動が味わえるのならこの仕事をずっとやっていきたい、そう思ったんです」

◆縁と出会いとタイミングでここにいる

 その後、映画、ドラマと話題作に続けて出演するが、それだけ世間の関心を引き寄せ、期待を寄せられていることに対しての驚きや自らへの過信はなく、今の人気の理由を「縁と出会いとタイミングで、今ここにいると思っています」と足元をじっと見つめる。そんな東出は、多忙な仕事の日々を送りながら、まだこの道を選んでよかったというところまではたどり着いていないという。

「いまはまだ(演じることが)楽しいとは思えないですね。ただ、『ごちそうさん』に入ってからなんですけど、ある日、その日いちにちの芝居をいろいろ反省しながら布団に入ったんです。そのとき『こんなに熱中できる仕事に就いてよかったな、これが好きってことなのかな』とふと思いました」

 最新主演作『クローズEXPLODE』では、特異な作風と撮影の厳しさでも知られる豊田利晃監督の過酷な現場を経験した。そこでは新たな自分の発見があった。

「頭かたいなぁ、俺……と思いました(苦笑)。だから、柔軟に人の話を聞くようにしたり、でも聞きすぎないようにしたり、最後は自分を信じようとか視野は広がりました。役者としてはまだまだこれからですけど、東出昌大の演技を観てよかったと思っていただけるような、感動を与えられる役者になりたいと思いました」

 周りを惹きつける謙虚なその人柄も、出演作が途切れず活躍を続ける東出の魅力のひとつだろう。東出にとっての男のカッコよさを聞いてみると「周りの人を幸せにできる人ですね」とカッコいい答えが返ってきた。

東出昌大インタビュー『いまはまだ楽しいとは思えない』

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