日本のコンテンツ分野の総合見本市「Co Festa(JAPAN国際コンテンツフェスティバル)2013」期間中に開催された国際コンテンツ見本市「Japan Contents Showcase2013」(13年10月22日〜24日)で、バイヤーの関心を大いに集めたアーティストがいた。着物コスチューム(キモコス)でプレゼンテーション&商談会ライブを行った、女性デュオ“ヤナキク”だ。エキゾチックでポップ、独特の世界観を醸し出し、日本文化の愉しさを世界に伝えることをコンセプトとしている。
■アーティスト自らがプレゼン、その波及効果
このショーケースは、コンテンツ分野の3つの国際見本市(映画や放送番組が中心の「TIFFCOM」、音楽の「東京国際ミュージックマーケット(TIMM)」、アニメーションの「東
京国際アニメ祭2013秋」)を統合したもの。会場では、個別商談会、ビジネスセミナー、商談会会場でのショーケース・ライブが行われた。
ヤナキクは、その商談会に自ら登壇し、英語でプレゼンテーションを行い、ライブも行った(15分)。また、3日間の期間中はTIMM会場に出展したブースに常駐し、アーティスト自ら呼び込みも行って、多くのバイヤーや関係者が訪れた。
商談会のパフォーマンスが効いたと語るのは、所属事務所サーティー・フレームの石川智徹氏。「2人の熱意が伝わったのだと思います。多くのバイヤーや関係者にお声がけいただき、今後、具体的に動き出すであろう多くの案件をいただきました」。ブースに立ち寄り、海外展開におけるアドバイスをするバイヤーも後を絶たなかったという。「ステージにかける熱意を評価してもらえたようです。ライブパフォーマンスや楽曲が良かったと言ってもらえたのが嬉しかった」(ヤナ)。
過去のTIMM を振り返っても、アーティスト自身がこれほど積極的に商談会に関わったケースは稀、と語るのはTIMMを運営する桑原誠氏(一般財団法人音楽産業・文化振興財団専務理事)。「チャンスと捉えて最大限に活用いただいた好事例だと思います。アーティスト自ら会場でアピールしたこともあって、出展ブースも活気がありました」。
■ジャパンブランド戦略に必要なチャンスを最大限に活かす姿勢
「TIMMで輝けるように頑張ろう」は、ヤナキクのテーマだった。2人は13年7月にイギリス・ロンドンで開催された、日本カルチャーをテーマにしたイベント『HYPER JAPAN 2013』に出演し、大きな歓声を浴びた。初の海外であり、最初こそ海外の日本ファンを前におっかなびっくりで臨んだ2人だったが、「関心を持ってもらえていることがダイレクトに伝わってきた」(キク)と、思わぬ人気に驚いたという。
日本文化を取り入れた楽曲を披露すると人だかりができ、習字によるサイン会は予想以上の列ができた。この反響に現地メディアが関心を示し、多くの取材を受けた。この体験が2 人の大きな自信につながり、ひいてはTIMMでのパフォーマンスにつながった。
これまで、海外展開というと、日本での地固めを行ってから、というケースが大半を占めた。しかし、ヤナキクはその逆パターン。当初から海外展開を意識しており、「13年はそのための準備期間」(石川氏)と語る。
主催者の発表によれば、3日間の来場者数は2万人を超え、前年から76%増となった。この来場者数は過去10年間のTIFFCOMを含めて、初めてだという。
そんな来場者に向けて、熱意のこもったパフォーマンスで自らを“売り込む”。当たり前のことのように感じるが、例えば、クリエイターが自身の企画をビジネス関係者にプレゼンテーションするクリエイターのビジネスマッチング見本市『CREATIVE MARKET TOKYO』でも、ただキャラクターを展示するだけで、ビジネス面での企画のアピールを行えるクリエイターは驚くほど少ないという。
チャンスを最大限に活かして、売り込んでいく姿勢こそが、ジャパンブランド戦略には必要であることを、今回のケースは教えてくれる。
(ORIGINAL CONFIDENCE 13年12月30日号掲載)
■アーティスト自らがプレゼン、その波及効果
このショーケースは、コンテンツ分野の3つの国際見本市(映画や放送番組が中心の「TIFFCOM」、音楽の「東京国際ミュージックマーケット(TIMM)」、アニメーションの「東
京国際アニメ祭2013秋」)を統合したもの。会場では、個別商談会、ビジネスセミナー、商談会会場でのショーケース・ライブが行われた。
ヤナキクは、その商談会に自ら登壇し、英語でプレゼンテーションを行い、ライブも行った(15分)。また、3日間の期間中はTIMM会場に出展したブースに常駐し、アーティスト自ら呼び込みも行って、多くのバイヤーや関係者が訪れた。
商談会のパフォーマンスが効いたと語るのは、所属事務所サーティー・フレームの石川智徹氏。「2人の熱意が伝わったのだと思います。多くのバイヤーや関係者にお声がけいただき、今後、具体的に動き出すであろう多くの案件をいただきました」。ブースに立ち寄り、海外展開におけるアドバイスをするバイヤーも後を絶たなかったという。「ステージにかける熱意を評価してもらえたようです。ライブパフォーマンスや楽曲が良かったと言ってもらえたのが嬉しかった」(ヤナ)。
過去のTIMM を振り返っても、アーティスト自身がこれほど積極的に商談会に関わったケースは稀、と語るのはTIMMを運営する桑原誠氏(一般財団法人音楽産業・文化振興財団専務理事)。「チャンスと捉えて最大限に活用いただいた好事例だと思います。アーティスト自ら会場でアピールしたこともあって、出展ブースも活気がありました」。
■ジャパンブランド戦略に必要なチャンスを最大限に活かす姿勢
「TIMMで輝けるように頑張ろう」は、ヤナキクのテーマだった。2人は13年7月にイギリス・ロンドンで開催された、日本カルチャーをテーマにしたイベント『HYPER JAPAN 2013』に出演し、大きな歓声を浴びた。初の海外であり、最初こそ海外の日本ファンを前におっかなびっくりで臨んだ2人だったが、「関心を持ってもらえていることがダイレクトに伝わってきた」(キク)と、思わぬ人気に驚いたという。
日本文化を取り入れた楽曲を披露すると人だかりができ、習字によるサイン会は予想以上の列ができた。この反響に現地メディアが関心を示し、多くの取材を受けた。この体験が2 人の大きな自信につながり、ひいてはTIMMでのパフォーマンスにつながった。
これまで、海外展開というと、日本での地固めを行ってから、というケースが大半を占めた。しかし、ヤナキクはその逆パターン。当初から海外展開を意識しており、「13年はそのための準備期間」(石川氏)と語る。
主催者の発表によれば、3日間の来場者数は2万人を超え、前年から76%増となった。この来場者数は過去10年間のTIFFCOMを含めて、初めてだという。
そんな来場者に向けて、熱意のこもったパフォーマンスで自らを“売り込む”。当たり前のことのように感じるが、例えば、クリエイターが自身の企画をビジネス関係者にプレゼンテーションするクリエイターのビジネスマッチング見本市『CREATIVE MARKET TOKYO』でも、ただキャラクターを展示するだけで、ビジネス面での企画のアピールを行えるクリエイターは驚くほど少ないという。
チャンスを最大限に活かして、売り込んでいく姿勢こそが、ジャパンブランド戦略には必要であることを、今回のケースは教えてくれる。
(ORIGINAL CONFIDENCE 13年12月30日号掲載)
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2013/12/28