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利用者が急増、SNS発のヒット現象も…新たなツールSNSの持つ可能性

 インターネット上のコミュニケーションサービスで、ブログの次に、いやそれ以上に流行すると言われているのがソーシャル・ネットワーキング・サービスだ。特に360万人の登録ユーザー数を誇る「mixi」は各業界から大きな注目を浴びており、他にもさまざまな分野に特化したSNSが人気を集めている。これらはいったいどのようなサービスなのだろうか?

友達同士がつながるSNSは、ここ数年で爆発的な会員増

 ソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下SNS)とは、参加者が互いに友人を紹介しあって新たな人脈を広げることを目的に作られた会員制のコミュニティー型ウェブサービスだ。会員同士はサービス内で「友人」関係を結ぶことができる。プロフィールと呼ばれる会員の顔写真や自己紹介文を掲載したページには、その人の友人リストが一覧表示され、人間関係を簡単に把握することができるので、もしその人に自分と共通の友人がいたり、自己紹介を読んで趣味や嗜好が似ていたりした場合には、「友人」になることをリクエストすることができる。ただしリクエストを受ける受けないはその人の自由だ。
 このようにしてSNS内で「友人」を増やし、友人同士でのみ閲覧できる日記機能や、メールのように会員間でやりとりできるメッセージ機能、共通の趣味などについて書き込むことができるコミュニティー機能などを使い、友人を含む多くの人とコミュニケーションを楽しむことができる。
 SNSユーザーの多くは実名で参加しており、会員の紹介がないと入会できないサービスが多いこともあり、ハンドルネームなどの匿名コミュニケーションが主流であった従来の類似サービスと比べて、「信頼感」、「安心感」を得ることができるのが大きな特徴となっている。
 SNSは03年頃から米国で次々とサービスが開始され、中でもスタンフォード大学の卒業生が始めた老舗サービス「Friendster」と、大手検索サイト「google」の社員が始めた「orkut」は多くのユーザーを集め、日本にもその存在を知られることになった。
 翌04年には日本でも「mixi」、「GREE」を始めとして多くのSNSがサービスを開始した。その後SNSの利用者は増加し続け、総務省の調査によると06年3月末の時点で、のべ716万人のユーザーがSNSを利用しており、今後もこの傾向は続くと見られている。ただしこの数字は調査対象サービスの登録者数を単純合計しているため、1人で複数のSNSを利用している場合は、重複して数えられるので注意が必要だ。とはいえSNSよりも以前から話題になっていたブログサービスの登録者数868万人と比べても遜色のない数字である。

大規模なものから専門分野特化型まで、百花繚乱日本のSNS

 では現在日本に多数存在するSNSを、その特徴から3つに分類してみよう。
 まずはオーソドックスな「コミュニケーションツール型」。不特定多数のメンバーが多数参加し、様々な話題で交流しているのが特徴である。参加者の目的も趣味の友達探しからビジネスパートナー募集までバラエティーに富んでいる。「mixi」、「GREE」、「キヌガサ」などSNSが普及する初期に登場したサービスにはこのタイプが多い。
 次は、元々ポータルサイトを運営していたサービスが、コンテンツのひとつとしてSNSを運営するタイプの「ポータル融合型」だ。このタイプにはlivedoorが運営する「フレパ」、Yahoo!が運営する「Yahoo!360°」、楽天が運営する「楽天広場リンクス」などがある。ベースとなるポータルサイトの会員がそのまま参加するパターンが多いので、立ち上げ時からある程度の盛り上がりを見せているのが特徴。もはやブログと共にSNSはポータルサイトに必須のコンテンツになっているようだ。
 最後は、ある特定の分野に特化した「専門分野特化型」。音楽好きが集まる「PLAYLOG」や「Pakila」、写真をアップロードすることを主眼においた「フォト蔵」、ペット好きのコミュニティーの「プラスペット」、おたく的趣味を持った人が集まる「Otaba」など、様々なジャンルのSNSが続々登場している。

多くの人がハマる人気No.1のSNS「mixi」の魅力とは

 数多く存在するSNSの中でも株式会社ミクシィが運営する「mixi」は、06年4月の時点で360万人を超える、他サービスと比べて段違いに多いユーザーを集めている。この人気の秘密はなんだろうか?
 オレンジを基調とした親しみやすい画面デザインや、わかりやすいユーザーインターフェイス。気軽に書き込むことのできるブログスタイルの日記機能や、デジカメで撮影した写真を簡単にアップロードできるフォトアルバム機能などは多くのユーザーの支持を集めている。06年2月にはニュース記事を引用して日記を書くことができる機能を追加するなど、新しい機能も次々と追加されており、勢いを感じる。
 だがもちろん機能だけでは「mixi」の人気は説明できない。
 SNSはコミュニケーションの「場」を提供するツールだ。インターネットの積極的なユーザーは、よりおもしろそうな「場」を求めて、常に新しいサービスを探している。いくらがんばって宣伝をしたり、お金を払って有名人に参加してもらったりしたとしても、このようなユーザーが魅力を感じる「場」を作ることはとても難しい。「mixi」の人気の理由は、多くのユーザーが魅力的と感じる「場」を作り上げていることの証だろう。
 では実際に「mixi」の勢いを感じることができるエピソードをいくつか紹介しよう。 ルワンダの大量虐殺事件を題材にしたドキュメンタリー映画『ホテル・ルワンダ』は、去年の時点では配給会社が決まっておらず、日本では公開されない可能性が高かった。しかしこの映画の評判を聞いた有志が「mixi」のコミュニティー機能を使って意見を集め、日本公開を求める署名運動を行ったのだ。最終的には4595名の署名が集まり、その甲斐もあって無事日本でも06年正月に劇場公開された。
 「mixi」発の書籍も複数出版されている。「mixi」の『メガネ男子愛好会』コミュニティーに集まった、メガネをかけた男子を愛でる女子達の意見を大きく取り入れて出版された『メガネ男子』や、オタク青年との恋愛を綴った日記が書籍化された『59番目のプロポーズ』などはセールス的にも成功を収めた。「mixi」には出版業界などクリエイティブな職業についているユーザーが多いことはこの現象の理由のひとつだろう。
 また、プロミュージシャンも多数参加している。匿名で友達同士のコミュニケーションを楽しんだり、実名でプロモーション媒体として利用したりしているようだ。ちなみに米国では「MySpace」というSNSに有名ミュージシャンが多数参加していることが知られている。

SNSが流行した理由、ブログとの使い分けは

 「mixi」や「GREE」のサービスが始まった04年には、SNSがこれだけ流行すると予想した人は皆無だった。ところが、わずか2年のうちにSNSはブログと並んで、日本におけるインターネットサービスの大きな柱になろうとしている。この理由はいったいなんだろうか?
 そもそも日本には携帯メールや出会い系サイトなど、コミュニケーションを活性化させるツールが支持を得るという土壌があった。そこでまず流行したのがブログである。ブログを利用すれば、誰でも自分の意見や作品を世界中に発信し、コメントなどを通して多くの人と交流することが可能になる。それまでは作家やライターになって雑誌などに掲載されなければできなかったことをパーソナルパブリッシングツールであるブログがいとも簡単に実現したのだ。
 ところが、ブログはインターネットに接続さえしていれば誰でも閲覧できるので、ネガティブなコメントなど、作者にとって好ましくない交流をしなければならない可能性もでてくる。
 このような欠点を克服することができるのがSNSだ。SNSは自らが認めた友人だけに向けて日記を書いたり、特定の話題についてのみ話すことができるコミュニティーを利用して、気のあう友人を簡単に探すことができるようになっている。ブログに不満を持っている人や、ブログにはあまり興味を示さなかったライトユーザーにもSNSは魅力的に映ったようである。
 また、すでにブログを運営している人も、プライベートの日記はSNS、オフィシャルな記事はブログというように、自分の中で媒体を使い分けている人も多い。
 今後もブログと共にしばらくはSNSの勢いは止まりそうにない。未経験の人は一度試してみるといいのではないだろうか。
 方法は簡単だ。飲み会などで「mixiやってる人いない?招待してよ」と言えばいいだけである。

文/田口和裕



主なSNSサイト

mixi/ミクシィ
http://mixi.jp/

GREE/グリー
http://gree.jp/

キヌガサ
http://kinugasa.cc/

PLAYLOG/プレイログ
http://playlog.jp/

Pakila/パキラ
http://pakila.jp/

YoroZoo〜萬〜
http://www.yorozoo.com/
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