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最新業界図から見るアニメの未来

 13年上半期の映像ソフト市場をみると、アニメの売上額は415.4億円、対前年同期比119.8%と好調を維持。アニソン・キャラソンも、週間ランキングでは毎週のようにTOP10入りする作品が登場している。一方で、ここ1年の間でも、カルチュア・コンビニエンス・クラブやユニバーサルミュージックなどの新規参入企業も加わり、ますます競争が激しくなっている。CS放送やVOD、IPTVなどウィンドウも多様化するなか、次のビジネスチャンスはどこにあるのか。改めてアニメ市場を整理・解説する。

10月26日公開の映画『劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語』(配給:ワーナー・ブラザース映画)(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Movie Project Rebellion

10月26日公開の映画『劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語』(配給:ワーナー・ブラザース映画)(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Movie Project Rebellion

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 現在でも基本フォーマットとして定着している30分のTVアニメシリーズは63年に放送開始された『鉄腕アトム』から本年で50周年を迎えた。日本動画協会発表資料を見ると、TVアニメのタイトル数(その年に発表された新作と、前年からの継続作品の合計数)は、06年に279タイトルとピークを迎え、その後、世界的な不況の影響もあり、徐々に減少し、10年には195タイトルまで落ち込んだ。しかし11年より再び活況を呈しはじめ、12年では222タイトルが放送された。

 市場回復の要因として、AT-X代表取締役社長岩田圭介氏は「地上波放送に加え、BS・CS放送、IPTV、PC・タブレット配信といったウィンドウの増加」を挙げる。バンダイビジュアル 川城和実 代表取締役社長も「従来のセオリーに囚われず、ファンのニーズに合わせて、メディアを選択できる」利点を、好調要因として挙げる。

■ファーストウィンドウが変化、存在感を増す劇場アニメ

 コンテンツホルダー側が、ファーストウィンドウとして、地上波キー局での放送を選択する例は依然多いものの、近年では、TOKYO MXやtvkなど独立U局やCSなどのアニメ専門チャンネルからスタートするケースも増えている。この背景には、地上波キー局や映像ソフトメーカー・原作出版社主導だった製作委員会に、近年では、アニメ専門チャンネルや、さらにゲーム会社などが積極的に資本参加しはじめている点が挙げられる。BDやCD、イベント、グッズ販売をビジネスの軸に据えた場合、マスへの発信を重視するより、ウィンドウ展開が比較的自由で、かつ確実に視聴者が見えている場所での発信に留め、パッケージ内容や、マーチャンダイジングとの連携強化・充実化に注力するという狙いもあるようだ。

 一方で、97年にTVアニメがスタートした『ポケットモンスター』を皮切りに、『遊☆戯☆王』(98年〜)、『ONE PIECE』(99年〜)、『NARUTO-ナルト』(02年〜)と続いたグローバルなメガヒット作が、ここ10年近く生み出せていない点を課題として挙げるアニメ関連企業は多い。海外では、日本国内のようなパッケージビジネスでの成功が難しく、配信市場もまだまだ規模が小さい。そこで各社が注目しているのが劇場アニメによる興行収入だ。例えば『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ』は世界47都市で劇場公開し、グローバルな成功を収めた。TV放送と違い、ファーストウィンドウから収入が見込め、劇場でのグッズ売上も期待できる劇場アニメへの関心は、今後もますます高まっていきそうだ。

(ORIGINAL CONFIDENCE 13年8月12日号掲載)

⇒⇒ 魔法少女まどかマギカのチケット発売情報

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