ハリウッドのSFアクション超大作『パシフィック・リム』（8月9日公開）のプロモーションで7月下旬に来日していた鬼才ギレルモ・デル・トロ監督と、『AKIRA』などで知られる大友克洋監督の対面が実現した。二人は15年ほど前に初めて出会って以来、これまで世界各地で数度の会食などをし、親交を深めてきた仲。久々の再会を喜んだ。

　『パシフィック・リム』の試写を観た大友監督は「とにかく、ノリが良くて観ていてとても楽しかった。夏休みにぴったりの映画ですね。面白い要素を、出し惜しみせずに、全部入れ込んでいる感が良い。ギレルモ・デル・トロ監督の強烈なこだわりを貫き通した映画。大きなスクリーンで観るべきだ！」と絶賛。同作の撮影期間や撮影方法などを質問し、ギレルモ監督の話を興味深く聞いていた。

　日本のアニメや特撮をこよなく愛し、怪獣と巨大ロボが戦う最新作『パシフィック・リム』にもその要素をふんだんに取り入れているギレルモ監督は、劇中に登場するペントコスト司令官は実は『AKIRA』に登場する大佐をモデルにしたという驚きのエピソードを告白。

　大友監督の最新作であるオムニバスアニメ映画『SHORT PEACE』（公開中）も鑑賞済みで、「この作品で大友監督は日本アニメーションの新たな領域を開拓した。それは痛いほどに美しく、非常に魅力的で、人々が憧れて届かない真の地平線。大友監督は、ストーリーを作る上でも、スタイルを作る上でも現在最高の状態にある。彼の器は壮大で、それが満たされるのを見届けるのが我々にかされた責務である」と心酔ぶりを伺わせた。

　途中、『パシフィック・リム』に出演している女優の菊地凛子が加わり、ギレルモ監督から「いつか凛子を主演女優にした映画を僕とあなたで一緒に作ることができたらうれしい」と大友監督に熱烈オファー。菊地も「それはぜひやりたい！」と壮大な話で盛り上がった。最後は「近いうちに絶対にまたお会いしましょう」と固い握手を交わしていた。