ここ数年で全国のシネコンは増え続け、いまや飽和状態にある。加えて、上映作品のプログラムで劇場の個性を出すことも難しくなってきた。そんななか、シネコンを運営する企業は、差別化の策を練っている。もはや「映画を観る」だけの場所ではなくなったシネコンは今、「エンタメの場」としてかたちを変えつつあるようだ。そんななか、今世間で注目を集めている「街コン」と映画とを組み合わせた、ユニークな企画を実施した松竹マルチプレックスシアターズ。昨年立ち上げた新規事業部が手がけた最初の取り組みは、上々の反応で、今後も継続していくと意気込む。
■好評につきシリーズ化「シネ・コン」話題づくりで劇場をアピール
MOVIXをはじめ、松竹系映画館を運営する松竹マルチプレックスシアターズは、96年に会社を設立するなど、シネマコンプレックスという形態にいち早く注目。運営、サービス面で積極的に展開し、評価されてきた。なかでも、ママと赤ちゃんのためだけの鑑賞環境を、徹底的に工夫・追求した鑑賞会「ほっとママシネマ」は、大勢の女性から支持を得て定期開催されているなど、その好例といえるだろう。同社は映画館というスペースの有効活用に、意欲的に取り組んでいる。
「日本のシネコンは、現在、過当競争の状況にあります。スクリーン数が増えた割には興行収入が思うように伸びていません。上映する作品が同じなのですから、各劇場がどこで差別化し独自性を打ち出すか――これが切実なテーマとなります。当社も昨年に新規事業の部門横断的なチームを立ち上げて、新たなODSや、そこからさらに広げた劇場の利用法を模索しているところです」(松竹マルチプレックスシアターズ 取締役/中原教裕氏)
新たな取り組みの一環として生まれた企画が、さる5月30日に開催された「シネ・コン」だ。街の活性化を目指した合コン「街コン」を運営するリンクバル社と組んで、映画と街コンのコラボレーションを図るという趣旨で行われた。
東銀座の東劇で、6月15日公開の映画『俺はまだ本気出してないだけ』の試写を観た後、近隣のレストランに移動して食事と歓談を図るというもので、約120名の男女が参加した。会場では、巨大スクリーンに予告編を上映。料理テーブルには映画のチラシを並べたほか、『はじまりのみち』(6月1日公開)の前売券を2枚1800円の低価格で販売するなど、松竹グループの他セクションと連携したサービスも好評だったという。
「初回ということで、幅広い層に向けて、熱烈な映画ファンでなくても楽しめる作品を選びました。この企画は今後シリーズ化することになりましたので、今度は洋画やアニメーション、過去の名作などで、映画ファンに向けた“出会い”を提供したいですね」(同 経営企画部 経営企画室サブリーダー/石毛宏明氏)
■劇場の魅力をアピールすべく新規事業実現を目指す
松竹マルチプレックスシアターズとしては、「シネ・コン」によって開催場所である東劇の認知度を高めるという目的もあった。この企画は新聞などのメディアで取り上げられるなど話題を集めたが、あくまでも劇場の魅力をアピールすることが本分だと語る。
「「ほっとママシネマ」もおかげさまで好評ですし、もともと当社は多様なニーズに応える細やかなサービスの提供を意識していますから、そこに根ざした新企画をこれからも練っていくつもりです」(同 建設・施設管理部 部長/五ノ井邦彦氏)
現在、松竹マルチプレックスシアターズでは、劇場を利用した新規事業の社内公募を実施している最中だという。これまでも音響・映像設備の整った貸しスペースとして、たびたび音楽関係に利用されてきたが、既成概念にとらわれず、さらに門戸を広く開けておきたいと結ぶ。今後に注目だ。(『ORIGINAL CONFIDENCE』13年6月17日号掲載)
■好評につきシリーズ化「シネ・コン」話題づくりで劇場をアピール
MOVIXをはじめ、松竹系映画館を運営する松竹マルチプレックスシアターズは、96年に会社を設立するなど、シネマコンプレックスという形態にいち早く注目。運営、サービス面で積極的に展開し、評価されてきた。なかでも、ママと赤ちゃんのためだけの鑑賞環境を、徹底的に工夫・追求した鑑賞会「ほっとママシネマ」は、大勢の女性から支持を得て定期開催されているなど、その好例といえるだろう。同社は映画館というスペースの有効活用に、意欲的に取り組んでいる。
新たな取り組みの一環として生まれた企画が、さる5月30日に開催された「シネ・コン」だ。街の活性化を目指した合コン「街コン」を運営するリンクバル社と組んで、映画と街コンのコラボレーションを図るという趣旨で行われた。
東銀座の東劇で、6月15日公開の映画『俺はまだ本気出してないだけ』の試写を観た後、近隣のレストランに移動して食事と歓談を図るというもので、約120名の男女が参加した。会場では、巨大スクリーンに予告編を上映。料理テーブルには映画のチラシを並べたほか、『はじまりのみち』(6月1日公開)の前売券を2枚1800円の低価格で販売するなど、松竹グループの他セクションと連携したサービスも好評だったという。
「初回ということで、幅広い層に向けて、熱烈な映画ファンでなくても楽しめる作品を選びました。この企画は今後シリーズ化することになりましたので、今度は洋画やアニメーション、過去の名作などで、映画ファンに向けた“出会い”を提供したいですね」(同 経営企画部 経営企画室サブリーダー/石毛宏明氏)
■劇場の魅力をアピールすべく新規事業実現を目指す
松竹マルチプレックスシアターズとしては、「シネ・コン」によって開催場所である東劇の認知度を高めるという目的もあった。この企画は新聞などのメディアで取り上げられるなど話題を集めたが、あくまでも劇場の魅力をアピールすることが本分だと語る。
「「ほっとママシネマ」もおかげさまで好評ですし、もともと当社は多様なニーズに応える細やかなサービスの提供を意識していますから、そこに根ざした新企画をこれからも練っていくつもりです」(同 建設・施設管理部 部長/五ノ井邦彦氏)
現在、松竹マルチプレックスシアターズでは、劇場を利用した新規事業の社内公募を実施している最中だという。これまでも音響・映像設備の整った貸しスペースとして、たびたび音楽関係に利用されてきたが、既成概念にとらわれず、さらに門戸を広く開けておきたいと結ぶ。今後に注目だ。(『ORIGINAL CONFIDENCE』13年6月17日号掲載)
2013/06/15