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女性声優の歌手デビュー続々、世界観の構築でアプローチする新世代

 昨年から今年にかけて特に人気の高い女性声優の歌手デビューが相次いでいる。昨年は花澤香菜竹達彩奈らが歌手デビューし、リリースした作品は全てTOP10入り。両者は作家陣にカジヒデキ北川勝利沖井礼二といった渋谷系ミュージシャンが多く名を連ねていることも話題を集めており、こうした“アキシブ系”(秋葉原×渋谷系)と称される流れなどもあって、声優のCDの購買層にも変化が起きているようだ。

作家と声優をひもづけた店頭展開は定番となっているようだ(写真はタワーレコード新宿店)

作家と声優をひもづけた店頭展開は定番となっているようだ(写真はタワーレコード新宿店)

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 「最近は洋楽等とともにアイドルや声優の曲も回すDJイベントが人気ですが、これまでアニメ・声優の作品を聴いてこなかった音楽ファンにも購買層が広がっているように感じています。店頭においても、作家とひもづけた展開は、定番となりつつあります」(タワーレコード新宿店 7階フロア担当 鈴木秀和氏)

 こうした流れがある一方で、13年は自身の持つ個性を活かして、音楽や映像、ビジュアルイメージなど全方面で世界観を構築し、他との差別化を図る女性声優の活躍も目立つ

 ユニット・ミルキィホームズとしても活動し、ソロ1stシングル「会いたいよ...会いたいよ!」が13年4/15付のシングルランキングで初登場10位を記録した三森すずこは、ソロ歌手デビューにあたり、多角的に展開するプロジェクトとしてスタッフも各分野の精鋭を集めた。担当者いわく、「声優が歌手デビューする際、声優活動とは違ったアプローチをするケースも多いのですが、三森の場合はアニメからのファンを大切にするために、アニメのような世界観――リアルと二次元の枠を越え、「三森すずこ」というキャラクターとしてのイメージをアピールしています」という。

 例えば、「会いたいよ〜」の初回限定盤に彼女をモチーフにしたキャラクターが主人公のライトノベルを封入。楽曲も物語とリンクし、その主人公の思いを描いたものとなっている。今後も同様の施策を行い、アルバムに繋げていくという。

 同じく4月にデビューした上坂すみれは、声優デビューしたのは12年とまだキャリアは短いものの、強烈な個性で人気を伸ばしている。ロシアマニア、ロリータファッション、ミリタリーファンの一面もあり、歌手デビュー発表の場では、「生産・団結・反抑圧」をスローガンに好きなものを好きと言える世界を目指すという「革命的ブロードウェイ主義者同盟」の立ち上げを発表。昨今のアニソン界を代表するクリエイターが集結したデビュー作「七つの海よりキミの海」では、電気グルーヴやグループ魂等の作品にも携わる田中秀幸監督によるMVを制作、上坂節を炸裂させている。音楽活動でもブレない世界観をアピールし、さらにファン層を広げていきそうだ。

 声優の音楽活動が定番化してきただけに、音楽性の一面だけではアピールしにくくなっている。今後は個人のキャラクターが垣間見えるような世界観を見せることで他者との差別化を図る声優が増えていきそうだ。(オリジナル コンフィデンスより)

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