9日に亡くなった女優・山田五十鈴さん（享年95）の通夜が11日、東京・青山葬儀所でしめやかに営まれ、約600人が参列した。山田さんを慕う俳優グループ「養子会」の市村正親や松井誠、高嶋政伸らをはじめ、三田佳子や朝丘雪路ら女優仲間が別れを偲んだ。

【写真】その他の写真を見る

　2002年に体調不良で舞台降板後は表舞台から遠ざかっていたものの、生涯女優を貫いた山田さん。昭和初期から舞台や映画で活躍し、今までに数多くの女優賞を獲得、2000年11月には女優として初めて文化勲章を受賞した。

　祭壇には天皇陛下からの祭祀料がまつられ、遺影は2000年3月に市村との共演舞台『時は…今』時に撮影した公式写真が使用。遺影に向かって最後の別れを告げた市村は「僕が紋付袴で千歳飴を持って並んで撮ったもの」と当時を懐かしんだ。

　戒名は寶光院天猷妙津大姉（ほうこういんてんゆうみょうしんだいし）。はるかな天を描く妙なるうるおいの大姉という、大女優にふさわしい意味が込められた。棺の中には日頃着ていたお気に入りの洋服や「養子会」からプレゼントされたスカーフやひざかけなどの縁の品々が収められ、会場には代表作の舞台『たぬき』の楽曲で山田さんが実際弾いていた「ふきよせ」や「たぬき」が流された。