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小日向文世、ハマり役“情けない男”にかける思い

 俳優の小日向文世(58)が7月8日放送のドラマ『高橋留美子劇場 第1章「赤い花束」』(日曜 後10:00 NHK・BSプレミアム)に主演し、このほどORICON STYLEのインタビューに応じた。同作で宴会の裸踊り中に亡くなったサラリーマンの幽霊を演じ、同じNHKの大河ドラマ『平清盛』では、最期まで報われない男・源為義など“情けない男”役で個性を見せる小日向が、自身にしかできない「情けなさ」にかける思いを語った。

インタビューに応じた小日向文世 (C)ORICON DD inc.

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 小日向が『平清盛』で演じた源為義は、源氏再興に勤しむものの何をやっても裏目に出てしまい、悲運な最期を迎える源氏の棟梁で義朝(玉木宏)の父。本人は「どっちかと言えば、今までずっと、思春期の頃からモテなかったし、女性にチヤホヤされたことがなかった。日の目を見るタイプじゃなかった」と、報われない役どころと自身の半生を重ねて振り返る。

 気を落とすでも悔むでもなく、「そういう人の方が多いんじゃないかな。顔には出さず心で泣く人を応援したくなる。そういう切ない人を演じて、『頑張れよ』って応援したくなる」と明かし、「狙ってやっているわけではなくて、悲しいなとかつらいなって思う気持ちを正直に出しているだけ。子どものときから経験してきたことだし、俳優になってそれが役に立ってる」と、ハマり役だと胸を張る。

 『高橋留美子劇場』では、“宴会の裸踊り中に命を落とし自身の葬儀で心ない会話を聞いてしまう幽霊”という大河よりもシュールな役柄。最初は「これをやるとなると、裸になって腹に絵を描くのか…」と乗り気ではなかったというが、高橋作品の大ファンだという妻がこれに食いついたそうだ。普段、小日向の仕事に口を出すことのない妻が「絶対やった方がいい!」と猛プッシュし、「そこまで言うならやってみよう」とまさに一肌脱ぐ覚悟を決めたという。

 実際の撮影では「エキストラさんが下を向いて笑ってたし、(妻役の)原田美枝子さんもずっと吹き出しそうな顔をしてた。50代後半の身体ってひどいですね。見せるもんじゃない」と苦笑い。それでも「それが作品の良さになるならいいかなって。恰好つける歳でもないし、出来上がりを観たら面白かったですね」と吹っ切れていた。

 同作は、人気漫画家・高橋留美子が25年にわたって年に1作執筆している読み切り作品集『高橋留美子劇場』を初ドラマ化。郊外にある少しさびれた「さいわい町」を舞台に、そこに住むどこにでもある夫婦や家族の小さな奇跡の物語を2作描く。村上淳主演の第2章「運命の鳥」は翌週15日(日)に放送。

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