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【前編】『妖怪人間』『怪物くん』の脚本家・西田征史氏が語る「実写化を手掛ける思い」

 昨年のドラマ界で大きな注目を集めた『妖怪人間ベム』の脚本を担当した西田征史氏が、この春3年ぶりに舞台でオリジナル作品『BOB』を手掛ける。コメディ、恋愛、ミステリーと幅広いジャンルの作品でキャリアを重ねてきた西田氏に、ORICON STYLEは単独インタビューを敢行。新作の見どころはもちろん、脚本家として“原作モノ”を手掛ける際の苦心する点やオリジナル作品への溢れる気概など、注目脚本家の胸の内を語ってもらった。

若手脚本家のなかで注目を集める西田征史氏 (C)ORICON DD.inc

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 これまでに脚本家としてドラマ『魔王』や『怪物くん』といった話題作から、NHKの教育番組『シャキーン!』、またアニメ『TIGER&BUNNY』など幅広いジャンルを手掛けてきた西田氏だが、もとはお笑い芸人として活動していた。表舞台から裏方へ、脚本家にスイッチしたのは、若手芸人が芝居を書くという企画ものがきっかけで「1つのネタで笑いをとるより、長い時間をかけて笑いを見せるお芝居が自分に合ってました」と、転機を振り返る。

 「脚本を書くのが楽しみになってきて、24歳できっぱり芸人を辞めたんです。その後は作・演出が中心となっていきました。演者として出演していたこともありますが、仕事として考えると、1つの役を演じるよりも1つの作品を書きあげる幸せの方が大きかったんです」と、周りからみれば大胆な決断も、本人にとってはごく自然な流れだったようだ。

 西田氏が脚本家として広く知られるようになった作品といえば大野智が主演した『怪物くん』。作品への思い入れの深さはもちろんだが、実写化を作る時に最も気を配ることは「原作のファンの方を裏切らない、失望させないという点を非常に大事にしています」と真剣な表情をみせる。「怪物くんも妖怪人間も、結果的にオリジナル作品に近いストーリーで書かせていただいてますが、最初から、作家として自分の色で劇的に変えるんだという思いで取り組んだことはありません。その作品が持つ面白い部分はちゃんと踏襲しないと、その作品でやる意味が無い。その上で、ドラマ化するにあたって必要な変更を加えていっているつもりです」。

 しかし、今後も積極的に原作モノを手掛けていくのかと尋ねると「少なくなるかもしれないですね。今年はオリジナルの小説も出しましたし、『TIGER&BUNNY』もオリジナルストーリー。もともと舞台などで自分の作品を作ってきたので、可能な限りオリジナルも発表していきたい」と、意外な答えが返ってきた。原作モノの実写化は、世間から大きな注目を集める一方でファンからの抵抗の声があがるのも事実。知名度が高い作品であればあるほど物議を醸すが、実際に脚本を手掛ける側としては「怖さはあっても、抵抗感はありません」と胸の内を明かす。

 「まだまだ知名度の低い脚本家が、いきなりオリジナル作品をゴールデンでやらせてもらえるって、なかなか無いんです。だから、どんな作品であれ、携わることで刺激を受けて、学んでます。どの作品も書いていて楽しいですし」と笑う。原作モノがどうかが問題ではなく、若手作家として着実なステップアップのため、堅実に足跡を残すことが大切なようだ。

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  • 若手脚本家のなかで注目を集める西田征史氏 (C)ORICON DD.inc
  • インタビューに応じた脚本家・西田征史氏 (C)ORICON DD.inc
  • インタビューに応じた脚本家・西田征史氏 (C)ORICON DD.inc
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