IFPI（国際レコード製作者連盟）が3月31日、2005年の全世界におけるレコード市場の状況をまとめ、発表した。CD等パッケージ商品と音楽配信によるものそれぞれをまとめたもので、レポートによれば、両者を合わせた全世界のレコード会社による収益額（出荷額）の総額は、前年比3％減となる約210億米ドル（以下、すべてドル＝米ドル）と微減。小売額ベースでは約330億ドルとなった。
　パッケージ商品が前年比6.7％減となった一方で、1月に“IFPI Digital Music Report 2006”として発表していた音楽配信市場の急拡大については、このレポートでも特筆されており、同市場は前年の4億ドルから11億ドル強に。その商品特性からも、いわゆる「シングル」の売上を音楽配信が押し上げ、パッケージ・音楽配信を合わせた場合のシングル出荷は、数量ベースで前年比75％増となったとしている。

音楽配信市場の大きい国として、もともとレコード市場の大きな国でもある米国、日本、英国、ドイツ、フランスが挙げられているが、この市場をさらに「オンライン（インターネット配信）」と「モバイル（携帯向け配信）」とにわけた場合、米、英、独ではいずれもオンラインが60％台、モバイルが30％台という比率を示しているのに対して、日本（前者が9％、後者が91％）や欧州の一部ではモバイル向け配信市場が先行して成長していることにも触れられている。

　また、このレポートの中では、2005年に全世界でもっとも売れたアルバムTOPも発表されており、No.1に輝いたのはコールドプレイの『X&Y』。以下、2位にマライア･キャリーの『MIMI』、50セントの『ザ・マッサカー』と続いている。



■IFPI（国際レコード製作者連盟）：http://www.ifpi.org/