結成5周年DOBERMAN INFINITYの苦悩と葛藤…紆余曲折のいま LDHの異色グループが示すHIP HOPの新定義

 HIP HOP、R&Bの要素をベースにしながらも、アグレッシブなダンス・トラックから心を締めつける美しいバラードまで、さまざまなタイプの楽曲を圧倒的なマイクリレーで響かせる、HIP HOPグループ・DOBERMAN INFINITY。2019年6月に結成5周年を迎え、当初から「目標」と掲げてきた全国アリーナツアーを11月27日に大阪・大阪城ホールでファイナルを迎えた彼らに、これまでとこれからを聞いた。

【動画インタビュー】活動の裏に描かれた苦悩や葛藤を語る

年齢もバックボーンも違うが、今では何でも言い合える関係に

──DOBERMAN INFINITYは、今年6月24日で結成5周年を迎えました。DOBERMAN INCのメンバー3人に、SWAYさんとKAZUKIさんが加わりスタートしたわけですが、当時のことについて教えてください。
KUBO-C SWAYとは以前からの知り合いだったので、すぐに打ち解けましたね。KAZUKIに関しても、礼儀を重んじるタイプだったので、すぐにメンバーと溶け込んで、あっという間に仲のいいグループになった感じちゃうんかな?
KAZUKI 大先輩ばかりがいるところに、1人加入することに対して「よっしゃ!」と思う部分があった反面、正直不安もありましたが、他メンバーの皆さんのサポートのおかげもあって成長できました。

──年齢差もあり、バックボーンも違う5人です。これまで活動する上で、どのように結束力を高めていきましたか?
GS 当初は、2人を加えたことでどう進化していけばいいのか、HIROさんに相談したところ「(全員が)まとまることなんてないんだよ」と言われて、吹っ切れたというか。みんな個性のあるメンバーなので、まとまって何かを見せるのではなく、1人ひとりが存在感を発揮できるような環境にしていくことが大切だなって思った。そこから何でも言い合える関係になって、気付いたら5年が経過していましたね。

──2014年にリリースされたデビュー・アルバム『#PRLG』(ピーアールエルジー)は、皆さんにとっても思い入れの深い作品になっているではないでしょうか。特に収録の「INFINITY」は、フジテレビ系ドラマ『GTO(第2期)』の挿入歌に起用され、多くの人に認知されるきっかけとなりました。
P-CHO 4人のMCとひとりのボーカリストというスタイルを、どう表現すべきか試行錯誤しながら完成させた思い出がありますね。さらにドラマの挿入歌に起用されることにもワクワクしていて、初回がオンエアされる際には、メンバー同士で連絡取り合っていましたね。
SWAY あの頃は、楽曲の持つ雰囲気通り「気合い」しかなくて、その魂を楽曲にこめたという感じです。

日本でも受け入れやすいHIP HOPを提案する「ALL ROUND HIP HOP」

──2016年発表の「いつか」では、アリーナツアーを敢行することを目標に作られた楽曲だそうですね。この頃から、音楽活動に対する意識の変化があったのですか?
KUBO-C この楽曲は、アリーナのステージに立っている「未来」の自分が、(当時の)「現在」の自分を見つめるというテーマで描いたものです。
KAZUKI この楽曲をリリースするまでは、自分の意見はあまり言わずに、周囲のアイデアをそのまま取り入れている感覚だったんですけど、僕の考えも柔軟に取り入れてくださった。結果、自分のシンガーとしての表現力をさらに高めるきっかけを与えてくれましたね。

──2017年リリースの「あの日のキミと今の僕に」では、本格的なバラードにも挑戦。さらに表現力を広げた印象です。
GS 5人とも、HIP HOPやR&Bなどがベースにあって、日本のポップスに関してあまり詳しくなかった。でも、どうやったら多くの人に聴いていただける楽曲ができるか考えていくうちに、バラードに特化したものを発表してもいいのではないかと思ったんです。最初は不安もありましたが、リリースして多くのリスナーに届いた手応えを感じて、自分たちが選んだことは間違いではなかったという「答え合わせ」ができた気分になれた。結果、この頃から「ALL ROUND HIP HOP」というスタイルを提示したいという意識が強くなった。
SWAY 「ALL ROUND HIP HOP」は、日本のリスナーの方でも受け入れられやすいHIP HOPを作るために僕らが掲げた表現です。

──また、DOBERMAN INFINITYはP-CHOさんを筆頭にメンバーの皆さんで、トラックメイクやプロデュースをされているのも特徴。そこで気をつけていることは?
P-CHO 自分たちの楽曲にプロデューサーとして関わらせてもらう以上は、他の作家さんが作るものよりDOBERMAN INFINITY濃度の高いものを、という気持ちになりますね。5人が表現したいもの、真髄としてあるものを、純粋に表現できるフィールド作りをしなくてはという思いがあります。

──2018年発表の「SUPER BALL」は、KAZUKIさんが初プロデュース。
KAZUKI 夏に合う楽曲をリリースしたいと考えていた時、候補のなかにピンとくる楽曲がなくて、ならば自分で作ってみようと思ったんです。18歳の頃から、トラック制作をしているので。それまで「SUPER BALL」のようなサマー・チューンを作ったことはなかったのですが、DOBERMAN INFINITYらしさを取り入れて完成させた思い出があります。

──他に思い出深い、ターニング・ポイントになった楽曲はありますか?
SWAY 僕らは「SUPER BALL」のようなパーティ・チューンを、楽曲をリリースした後に「あの日のキミと今の僕に」のようなバラードを発表したりとか、常に何か新しいことにチャレンジしている。だから、毎日ターニング・ポイントがやってきている感じがします。

「売れる・売れない」ということ考えず、責任は自分たちで取ればいい

──5年の活動のなかで、大変だったことは?
GS 個人的には、葛藤がありましたよ。そもそも僕らは「売れる・売れない」という物差しで活動をしていたわけじゃなかったから、時々周囲から現実を突き付けられると「何やってるんだろ?」って感じたこともありました。でも、評価してくださる人がいないと、僕らは活動ができないし……。ただ5年経過した現在は、そういうことを考えなくなりました。胸を張っていいと思えるものであるならば、どういう結果になろうが、責任は自分たちで取ればいいからと。今後は、音楽の聴かれ方が大きく変化していくと思う。そのなかでも変化せずに求められるものがあるはず。僕らは「求められる」ものがある存在になっていかなくてはならないと思う。

──皆さんはLDHのなかでは、ダンスをしない、HIP HOPが主軸であることなど、すでに他の所属グループとは異なる存在感を放っています。
P-CHO 5人それぞれがマイクを武器にしてステージに立ち、1人ひとりが「主役」であると考えてパフォーマンスをしている。そこから、ダンスはなくてもエネルギーを感じていただけるのではないかと思います。

──また、アリーナツアーの最終日には両A面シングル「We are the one/ずっと」をリリース。
KAZUKI 「We are the one」に関しては、「いつか」の場所に立った自分たちのことを歌っています。そこは本当のゴールなのではなく、さらに先を見据えて進んでいくという思いを表現した楽曲。実は、歌詞は僕らの思いを汲み取っていただき、他の方に作っていただいたので、今までにない表現もあって新鮮でした。

──今後10周年、その先に向けてどんなことにチャレンジしたいですか? 次のゴールは決めていますか?
KUBO-C 次のゴールは、アリーナツアーを終えてから見えるんじゃないかなって。ただ、今度はこれまで応援していただいた方に、1人ひとりでも多く感謝の気持ちを伝えに行けたらと思いますね。

文/松永尚久

提供元: コンフィデンス

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