AKB48グループが総集結し『仁義なき戦い』を舞台化「アイドル界でもがく自分たちと作品を重ね合わせた」
シーンはもちろん映画の臨場感やスピード感まで再現
広島の街を舞台に任侠の世界に生きる男たちのプライドや意地、野心がぶつかり合う“実録活劇”は、映画上映当時も多くの男性たちを魅了し、上映後、劇場からは菅原文太演じる主人公・広能昌三になりきった観客が肩で風を切りながら出てくる姿がいくつも見られたそうだ。
この男くささ満載の原作を今回はなんとAKB48グループメンバーだけで完全舞台化する。当然、出演者は女性のみ。にもかかわらず、昭和の名優たちが演じてきたそのままの役柄に挑むという。メンバー間でも戸惑いが大きいのでは…と想像していたが、岡田に話を聞くと、「これまでもAKB48グループはびっくりすることばっかりしてきたからあまり驚きはありませんでしたね(笑)」と、飄々と語る。それは田島も同様だ。
とはいえ、ただでさえ男声を意識しなくてはならないうえに、今回は広島弁での長セリフも多く、その点での苦労は多い。さらに組同士の抗争の場面では、当然、喧嘩や銃撃戦もあり、大人数での殺陣のシーンもある。
「苦労しているのはやっぱり広島弁と殺陣ですね。セリフを覚えるのは割と大丈夫なほうですが、イントネーションを覚えるのが大変。それに殺陣は、映画の臨場感やスピード感を再現するのも難しくて。みんな苦戦しています」(岡田)
「私の演じる山守組長はとにかくセリフが長くて、登場するとここぞとばかりにしゃべるんです。そこが難しい。山守組長はキャラも強くて、超悪役なんだけど、憎めない。そんなキャラクターに近づけるにはどうすれば良いのか、めちゃ考えています」(田島)
さらに今回は本物に近い銃を使用するため、重いうえに、引き金を引くと実際の射撃音が出る仕様になっているという。
「SE(音響効果)で処理することも多いんでしょうけど、今回は実際に銃の引き金を引いて音を出すんです。だから、なにかの拍子に2回鳴らしちゃったら、最後のシーンで音が出ない、なんてことも起きちゃうんです。そこがすごい怖い!」(田島)
また、男同士の怒鳴り合いを演じるのもひと苦労だ。
「怒鳴り散らすシーンも多くて、喉も心配です。のど飴とか、マヌカハニーの差し入れがあるとうれしいです!(笑)」(岡田)
「良い意味で期待を裏切りたい」
「別チームで山守組長を演じるのが(斉藤)真木子さんなんです。実際、SKE48のドンですから、お似合いだし、想像もできると思うんです。でも、私の演じる山守は想像できないって言われているんで、そこは良い意味で期待を裏切りたいです」(田島)
矢野を演じる本間が、「任侠の世界に入る前と、そこから何年か経った後で全然違う。お話が進んでいくにつれて“男になっていく矢野”を演じたい」と意気込みを語ると、岡田・田島は、本間の男芝居を絶賛。「とっても女の子らしいから全然想像できないんですけど、お芝居に入るとガラッと変わるんです。声もハスキーになる」(岡田)、「意外と男声がハマってるんです。恥じらいがなくて堂々としてる。カッコ良いです!」(田島)
セリフの応酬やアクションはもちろん、任侠の世界を生きる男たちを出演メンバーがどう演じるのか? ファンならずとも興味がわくだろう。