20周年を迎えた倉木麻衣、息の長い活動を支える人気の裏に4つのキーワード

(3)変わらぬ“透明感”と大人の女性への進化

 では、ファンは倉木のどんな点に最も惹かれているのか、「好きなところ」を調査したところ、約8割が「声・声質」を挙げた。また、以降は、「メロディー」「歌の上手さ」「容姿・ルックス」「歌詞」「雰囲気」などが続いている(図4)。

 デビュー時から倉木を形容する言葉として“透明感”を用いるケースが多いが、それを最もよく表しているのが、彼女の“声質”である。その独特のボーカルは、「メロディー」を際立たせ、「歌詞」をしっかりとリスナーに届かせる。それに加えて、「容姿」や「雰囲気」もまた、彼女独自の“透明感”をまとっている。それは16歳のデビュー時から、今年で37歳になる現在に至るまで、まったく変わっていない。倉木というアーティストに通底している“透明感”こそが、世代を超えて多くのファンを魅了する要因であると言えるだろう。

 ただし、「変わらない透明感」だけをもって、倉木の魅力を語るのは早計だ。
 次に、「初めて倉木を知った頃のイメージ」と「現在のイメージ」の変化を探った。これを見ると、おそらくデビューから倉木を知るファンにとっては、当時はメディア露出も極端に少なく、「ミステリアス」な存在というイメージが強かったようで、同項目が47.0%を占めた。ところが、現在のイメージでは「ミステリアス」は11.1%まで下がり、その一方で「女性らしい」(13.4%→32.6%)、「明るい」(1.5%→11.6%)、「親しみやすい」(5.2%→14.4%)といった項目が上昇している(図5)。

 これらは、倉木が20年のキャリアを重ねていくなかで、“大人の女性”が醸し出す、美しさやゆとり、しなやかさを身につけていったことを示唆している。こうした女性としての成長もまた、アーティスト・倉木麻衣の現在の魅力の1つと言える。

(4)アジアを中心とした“海外”への飛躍

 最後に、倉木と言えば、アジアを中心とする海外での活躍ぶりも忘れてはならない。倉木は、今年7月から8月にかけて、北京、深セン、台湾の3ヶ所を廻るアジアツアーを実施。各所で大成功を収めた。すでに恒例になっている空港でのファンのお出迎えは今回も見られ、各地で多数のファンが倉木を迎えるために詰めかけた。

 日本の音楽業界では近年、中国市場への進出が本格化しているが、そうしたなかにおいても、アジア地域ですでに多くのファンを持つ倉木は稀有な存在ともいえる。

友達や子供、親との思い出とともに刻まれる楽曲

 このように、4つのポイントから倉木麻衣の魅力を探ってきたが、同調査を通じて気づいたのが、ファンが自身の思い出とともに倉木の楽曲を語るケースの多さだ。

「部活の合宿の時にプールサイドで良く流れていた曲で青春の1ページ」(30代女性)
「お昼の校内放送ではいつも流れていた。友達と練習してよく歌った」(30代女性)
「コナン君の曲で、子育て中に子どもと一緒に見始めて、毎週聴くのが楽しみだった」(50代女性)
「母の運転する車で何度もかかっていて子供ながらにいい曲だと思った」(20代女性)

 このように、学生時代の友達や、子供、母親との記憶とともに倉木の楽曲が多くの人の心に刻まれている。実はこんなところにこそ、彼女が支持され続けるヒントが隠れているのかもしれない。倉木独自の透明感のある歌声や、楽曲自体のクオリティーの高さ、コラボする「名探偵コナン」との親和性など、倉木の魅力は多々あれば、結局は「聴く人の心に思い出とともに刻まれる」という、歌の力こそが最大の魅力なのかもしれない。
[調査概要]
調査対象:全国10〜60代男女 
サンプル数:総回答数 4584名
調査期間:2019年9月6日(金)〜12日(木)
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ
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提供元: コンフィデンス

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