湯木慧、深化する21歳のクリエイティビティ「いつも何かにときめいている人間でいたい」

 2019年6月5日、21歳の誕生日にシングル「誕生〜バースデイ〜」でメジャーデビューした女性アーティスト・湯木慧(ユキ アキラ)。映像、絵画、写真、デザインなどを取り入れながら、楽曲に込めた世界観、メッセージを多面的に描き出す彼女のスタイルは、メジャーデビューをきっかけに、さらに幅広い層のリスナーに浸透しはじめている。8月7日にリリースされたメジャー2ndシングル「一匹狼」は、これまでの楽曲と紐づいた物語性、そのストーリーを際立たせるアレンジメント、演劇的な要素を取り入れたMVを含め、彼女のクリエイティビティがさらに高い精度で表出した作品に仕上がっている。

新たな命の誕生を経て、描かれるのは「孤独」

 表題曲「一匹狼」は、前作「誕生〜バースデイ〜」の収録曲「バースデイ」と強く結びついている。クラシカルな雰囲気とエレクトロが混ざり合うサウンドと、「世界は正しいことばかりではないから、まっすぐに前を向いていく」という内容の歌詞が混ざり合う「バースデイ」は、曲名の通り、新たな命の誕生をテーマにした楽曲。それは同時に、アーティスト・湯木慧の新たな誕生を意味していたのだろう。その楽曲を経て制作された「一匹狼」。その中心となるテーマは“孤独”だったという。
「生まれる瞬間は、1人じゃないんですよね。身体を取り上げてくれる人、へその緒を切ってくれる人がいないとこの世には出てこられなかったし、そもそもお父さん、お母さんの存在がなければ、その人の細胞はできていません。つまり“誕生”は人とのつながりから生じるものですが、出てきた瞬間からは孤独になってしまうんです。へその緒が切れた瞬間から、痛い、熱い、眩しいといったような感覚は、もう他の人と完全には共有することはできない――。だからこそ“誕生”の次は“孤独”を歌うべきだなって。絶対にわかり合えないはずだからこそ、“僕は僕のまま、君は君のまま、お互い違う自分たちとして今を生き合いたい”ということを歌えたらなと思って作ったのが、『一匹狼』なんです」(湯木慧)

 人と人が100%わかり合えることはない。でも、だからこそ、個々の違いを認め合い、同じ時代を共有しながら生きていたい。歌詞の中には、そういった思いを端的に示したフレーズが登場する。「音楽」のことを「光(ひかり)」と歌っていることも、この曲のポイントだ。

「この楽曲では、音楽を“光”として置いていますが、そこはあまり決めつけたくなくて。人によっては花を愛でることが“光”かもしれないし、アウトドアを楽しむことだったり、運動することだったりするかもしれない。そこは聴いてくださる方が『自分にとって、”光”って何だろう?』と考えてくれればいいのかなと思っています」(湯木慧)

アートワークやジャケット写真、MVなど、アーティスト・湯木慧の創造性が随所に

  • 2ndシングル「一匹狼」通常盤ジャケット写真

    2ndシングル「一匹狼」通常盤ジャケット写真

  • 2ndシングル「一匹狼」初回限定盤ジャケット写真

    2ndシングル「一匹狼」初回限定盤ジャケット写真

 同曲のアレンジはビートメイカー、プロデューサー、シンガーとして活動しているSasanomalyが担当。歌とアコギを中心に据えながら、エレクトロニカ的なトラックを取り入れたサウンドメイクは、“孤独”と“共生”という二面性を持った「一匹狼」の世界観を見事に映し出している。

「アレンジに関しては、まず自分で打ち込みをしてみて、『こういうシンセ(サイザー)がほしい』、『ストリングスは必要ないかもな』というふうに方向性を定めてから、アレンジャーの方にお願いすることが多いです。『一匹狼』も同じやり方だったんですが、『一匹狼』の孤独な世界を深めてくれるのはSasanomalyさんしかいないなと。私のなかでは一択でしたね」(湯木慧)

 これまでの作品と同様、シングルのアートワークやジャケ写にも、彼女自身の創造性がしっかりと反映されている。まず、アートワークは、前作「誕生〜バースデイ〜」のベールに包まれたような淡い色味から一転、本作では鮮やかな色味を基調としたビジュアルを採用。ここには「“個であること”を意識して、混ざらない色を選びました」(湯木慧)という意図があったという。ワンシーンワンカットによるMVもまた、孤独な世界を描くことを意識して制作された。

「一匹狼」のアートワーク

「一匹狼」のアートワーク

「これまでは私の方から『こういう内容の映像にしたいです』と細部まで提案して決めることが多かったんですが、今回は監督(湯木の映像作品を多く手がけてきた映像クリエイターの松本倫大氏)と話し合いながら、ゼロから演出を考えました。目隠ししたままの撮影はかなり怖かったですね。スタッフの方から、『もっと右』『もうちょっと左!』というように声をかけてもらっていたんですが、その言葉が信じられなくて。でも、同時に私が歩く方向に金具を引きずって音を出してもらったら、その音のほうが“確かにそこにある”という実感があったというか。やっぱり音って“光”なんだな、と感じられた撮影でしたね」(湯木慧)

ずっと変化し続けていたい―― メジャーデビューを機にクリエイターとのコラボが深化

 楽曲に込められたコンセプトとストーリー、そこから浮かび上がってくる情景は当然、ライブという表現の場でも存分に活かされている。『繋がりの心実』と題した東阪ワンマンライブ(大阪:8月18日 大阪 Shangri-La/東京:8月24日 キネマ倶楽部)は、演劇的な要素を取り入れた内容となりそうだ。

「それぞれの楽曲には背景や情景が込められているので、ライブではその部分も表現したいんですよね。今回のライブは、照明を演劇の方にお願いしているんですよ。空間を作るプロフェッショナルの方なので、楽曲の裏にある背景や色をどんなふうに表現してもらえるんだろうと、いまからすごく楽しみです。本や漫画を読んで曲ができることはあまりないんですが、舞台にはすごく刺激を受けていますね。舞台に興味を持ったきっかけは、(2017年11月に上演された舞台の)『人生の最後はきっといつも最悪』の主題歌「嘘のあと」を書き下ろしたこと。稽古も見学させていただいて、舞台の魅力に惹きつけられました」(湯木慧)

 メジャーデビューをきっかけにして、アレンジャー、映像作家、デザイナーなどのクリエイターとのコラボレーションもさらに深化。「ゼロからイチを作るのは自分ですが、そこから世界を広げるために、いろんなクリエイターの皆さんの力を借りたいなと。今回、『一匹狼』のビジュアル撮影やMV撮影で初めて衣装を作っていただいたんですが、そうやって自分にはない世界を持ち込んでもらえるのが嬉しいんですよね」(湯木慧)と、新たな創造性に対する意欲を見せている。“音楽を中心とした総合芸術家”とも言える湯木慧のクリエティブは、ここからさらなる発展を遂げることになりそうだ。

「自分のことだけを歌い続けていると、噛みすぎたガムみたいになりそうだし、新しい作り方は常に探していますね。いまは“命”を表現したいという気持ちが強いですけど、この先は変わってくるかもしれないし、“作る”、“伝える”という核の部分以外は、ずっと変化し続けていたいんです。いつも何かにときめいている人間でいたいし、それが次の作品につながると思うので」(湯木慧)

文/森朋之

Information

Profile

湯木慧(ユキ アキラ)
表現することで“生きる”ことに向き合い、“生きる”ための感情を揺さぶる鋭いフレーズとメッセージで綴った楽曲と、五感に訴えかける演出を伴うライブパフォーマンスを武器に、自身の個展とアコースティックライブを融合させた企画等もセルフプロデュースするなどマルチなフィールドで活動する21歳の女性アーティスト。高校1年生の時に開始したツイキャスの総視聴者数がわずか2年ほどで累計200万ビューを超えるなど「デジタルネイティブ世代の音楽表現者」として注目を浴びる。自主制作盤を含め4枚のミニアルバムと1枚のフルアルバムをリリース後、2019年、21歳の誕生日である6月5日にSPEEDSTAR RECORDSからシングル『誕生〜バースデイ〜』でメジャーデビュー、8月7日には早くもメジャーセカンドシングル「一匹狼」をリリース。8月18日に大阪のShangri-La、8月24日に東京のキネマ倶楽部にてワンマンライブ『繋がりの心実』を開催。

■2ndシングル「一匹狼」特設サイト:https://yukiakira.com/ippikiokami/(外部サイト)
■湯木慧オフィシャルサイト:https://yukiakira.com/(外部サイト)
■湯木慧Twitter:@Yuki_Akirart

提供元: コンフィデンス

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