• ホーム
  • 音楽
  • TAKUROが語るファンクラブの在り方「会費はチケットを入手するための“白紙の委任状”ではない」

TAKUROが語るファンクラブの在り方「会費はチケットを入手するための“白紙の委任状”ではない」

 GLAYのモバイルファンクラブ「GLAY MOBILE」が10周年を迎えた。GLAYはいわゆる“時代の変化”に対して敏感なアーティストの1組。音楽がCDからデジタル配信へと移行が進むなか、本年2月には、GLAYのデビューから現在までに発売した音源や、100を超えるミュージックビデオが月額制ストリーミングサービスで聴き放題&見放題になる「GLAY公式アプリ」もスタート。アーティスト単体による非常に画期的な配信サービスとして多くの注目を集めた。

 今回、10周年を迎えた「GLAY MOBILE」も同様に、紙の会報誌をいち早くデジタル化。スマートフォンへの対応も素早かった。こうした変化と同時に、常にファンを向き合い、エンタテインメントを届けてきたGLAY。音楽の視聴環境、視聴習慣の変化とともに、アーティストとファンの関係性も変化し始めている。今、彼らが考える「ファンクラブ」の在り方について、TAKUROに語ってもらった。

ファンクラブの在り方をもう一度考え直さなければならなかった

――今年10周年を迎える「GLAY MOBILE」。どんなコンセプトで生まれたのですか?
TAKURO モバイルファンクラブを立ち上げたのは、世の中の情報の伝達速度が劇的に変わってしまったから、というのが大きいです。それまでは、コアなファンと俺たちを繋ぐ媒体といえばやはりファンクラブ(発足22年となる「HAPPY SWING」)で、会報誌を俺は“紙”と呼んでいますが、それが3ヶ月に1度発行されるというスピードではもはや時代に対応できない、と。「GLAY MOBILE」は2008年にまずフィーチャーフォンサイトとしてオープンし、2012年にはスマートフォンにも対応したんですが、今やその時とは比べものにならないぐらいスマートフォンが普及していますよね。電話がただの電話ではなくなったその時から、情報を発信する側の変化も宿命づけられていたんだと思います。

――インターネット、スマートフォンが生活に占める重要度は飛躍的に高まっていますね。
TAKURO ある世代より下は、用事がある時はLINEやメールで、電話をすること自体が失礼だと考える層が一定数いるんですよ。もう、俺たちの感覚とはまったく違う。それに、今や多くの人たちは音楽もスマホからBluetoothで飛ばして聴くというのがたぶん一般的ですよね。それはCDから配信へといった音楽業界における変化だけでなく、スマホを手にした人たちの生活様式が変わっていっている、ということだと思う。

 そういう時代が脈々と迫りくる中で情報を迅速に届けたいと思ったら、俺たちとしては、ファンクラブの在り方をもう一度考え直さなければならなかった。そういう時期に直面して、“紙”とも違えばPCで見る公式ホームページとも違う、独立した人格を持つものとして「GLAY MOBILE」を立ち上げたんです。その日のライブのレポートもすぐに公開しています。こちらが出そうが出すまいがあらゆる情報が出回るこの世の中で、GLAY公認の情報を皆に伝えられるのは「GLAY MOBILE」の特権です。そのように“有料会員の方の優越性”を一番に考えながら、丁寧な仕事はしていきたいな、とずっと思っています。

「GLAY MOBILE」のメインコンテンツはメンバーの想いや感情

――2018年2月にスタートした「GLAY公式アプリ」(月額980円でGLAYの楽曲、映像、電子書籍などを自由に楽しめるサブスクリプションサービス)との住み分けはどうお考えでしょうか?
TAKURO 「GLAY公式アプリ」は、“楽しい”とは言ってもアプリ自体には感情はなくて、そこにあるのはGLAYのアーカイブ、要するにコンテンツの図書館ですよね。図書館は訪れた人たちを楽しませるわけではないし、本を読んで何を感じるかはその訪れた人次第なわけです。アプリはひたすらデータを示し、意味を付けるのはユーザー。アプリのほうがより(ユーザー側が)能動的であって、エンタテインメントではない、とも言えます。エンタテインメントは楽曲や映像自体で、アプリとその中にあるコンテンツたちがユーザーを楽しませるわけではないですから。

 だけど、「GLAY MOBILE」はやはり俺たちがユーザーを楽しませようとしているし、楽しんでほしいと思っている。そういう意味で「GLAY MOBILE」はアプリと「HAPPY SWING」の間にあって、その3つは足りないものを互いに補い合っています。様々な個人発信が席巻するこの時代における存在意義を随分とスタッフと話し合い、コンテンツについても試行錯誤して、「GLAY MOBILE」は今のような形になっているんです。

――そういった会議には、TAKUROさんがリーダーとしてメンバー代表で出席されるのですか? それともメンバーの皆さんが一堂に会するんでしょうか?
TAKURO 他のメンバーは会議という形では参加しないけれど、それこそスマホのおかげで各自の意志が瞬時に各所へ伝わるし、アイディアは俺以上にメンバー発信が多いですよ。JIROの『キャラメルベースがっこう』(JIROの演奏中のこだわりやテクニックを、実演を交えて紹介するコーナー)とか、TERUの『今日のひとこと(G-CONNECT)』(TERUのひとことコメントに対し会員がコメントできる交流ページ)やゲームだとか、自分の好きな世界を「GLAY MOBILE」の中で思い切りやってもらって、それをユーザーに楽しんでもらおう、という。「GLAY MOBILE」のメインコンテンツはメンバーの想い、感情なんだと思います。

自分たちの“想いの置きどころ”をうまくつくることができた

――2012年にスタートした週刊コンテンツ『MOBILE MAGAZINE』では、ソロインタビューの他、集合インタビューで皆さんがワイワイとされている雰囲気が味わえるのも貴重だと思います。
TAKURO 俺も客観的に見て、こんなにくだけたインタビューも珍しいと思うし、例えば“天気”や“好きなおにぎりの具”について真面目に語る40代、かわいいなと思うよね(笑)。「俺はオカカかなぁ〜」とか言いながら(笑)。それは雑誌でもなかなか読めないし、当然テレビだったらやらないし。俺が知る限りワイワイこんなにも4人が楽しそうなのって『MOBILE MAGAZINE』ぐらいじゃないかな? ファンクラブのコーナーもあるけれど、伝える頻度や迅速さ、限られたページ数の誌面ではないのも強みですよね。

――ライトな話題から意外に深いお話に発展することも多々あり、それは会員の方からいただいた質問にお答えするコーナーも同様です。
TAKURO 「俺はオマエたちの兄貴じゃねぇからな? そんなトラブル知らねえよ!」という相談ばかりが俺には届きますが……(笑)。でも、メンバーそれぞれのリラックス度しかり、ことGLAYに関しては、「GLAY MOBILE」に勝るものはないんじゃないでしょうか。原稿の中にいるのは、少なくとも俺の知っている(素顔の)皆ですよ。配信サービスの発展もあって音楽がどんどん身近になり、ある意味無料化されている今、音楽だけではなくて「自分たちが何を考え、何を思って活動してるか?」ということを、時代のスピードに合わせて「GLAY MOBILE」で伝えられているんじゃないかな? GLAYは自分たちの“想いの置きどころ”をうまくつくることができたな、と思います。

提供元: コンフィデンス

【最新号】コンフィデンス 2018年9月17日号 詳細はコチラ バックナンバー 一覧

最新号コンフィデンス2018年9月17日号

<COVER STORY>
美藤宏一郎氏(エムアップ 代表取締役)
私たちは目標を持つ会社。
達成すべき目標を粛々と実現していくことが使命

<SPECIAL ISSUE>
月間マーケットレポート8月度
「音楽」ジャンルが急伸長 映像作品市場を検証

お問い合わせ

オリコンニュース公式SNS

Facebook、Twitterからもオリコンニュースの最新情報を受け取ることができます!