小室哲哉、最後のプロデュースグループ・Def Willが明かす“小室引退”への想い
最後のグループとしてアルバム発売は誇り
「小室さんプロデュースの最後のグループとしてアルバムを出せるのは誇りだと思っています」(AYANO)
インパクトの強いジャケットの写真はレスリー・キーが撮影。実は、衣装やヘアメイクは、メンバー個々に委ねられ、撮影当日まで他のメンバーはもちろん、レスリーもどんなイメージとなるか決まっていなかったという。Def Willのパーソナリティーにぴったりのプロデュースワークだ。
「5人ともキャラも考え方も全然違うんです。ほっておくと、みんな違う方向に全力でバラバラに走っていっちゃうグループで(苦笑)。だからこそパワーを集めたときの一体感や団結力が、まさしく今回のアルバムに詰まってるんじゃないかなと思います。小室さんのおかげですね」(REI)
「デビュー前はMONNA以外のメンバーみんな、基礎的な歌い方を知らなかったんです。ちゃんとボーカルレッスンすら受けたことがなかった。でも、小室さんは「絶対に個性を壊さないでほしい」って言ってくれて。私のなかではそれがすごく嬉しくて。それぞれバックグラウンドが違うなかで生きてきた5人です。全然違うけど、違うからこそ私たちならではの表現ができるのがDef Willだと思っています」(LETY)
小室氏の近年の心情を投影したアルバム
「アルバムをパッケージという形で出せたのが嬉しかったです。小室さんは、Def Willメンバーの恩人です。夢を叶えてくれた人。恩返しとして、小室さんが作ってくれたオリジナル曲やカバー曲など、たくさんの名曲をもっともっと若い世代に届けたいと思っています」(MONNA)
小室哲哉引退発表の衝撃を、センターであるHINA がDef Willが誇る名バラード「あなたという明日」になぞらえて語ってくれた。
「そのときに聴いていたのが「あなたという明日」でした。聴くタイミングによって、対象の人物が変わる曲なんです。その時々の大事な人に置き換えられるんです。あの日は、1つひとつの言葉が全部小室さんにシンクロして…記者会見で「この3年間くらいが本当にしんどかった」って。それって私たちが活動してる期間と一緒なんです。今回、アルバムで作ってくれた楽曲には、小室さんの心情がすごく込められていると思います。自分たちの感情より、小室さんがその決断で楽になってくれるなら本当にそれに越したことはないし。小室さんが明るく前に向かって進んでいけるならそれが一番だなって。自分たちも落ち込むとかじゃなくて、前を向いて前進していこうと思っています」(HINA)
小室ファミリー全盛期に生を受けたDef Will のメンバーたち。小室氏から教わった数々のクリエイティヴィティーや、TK作品を次世代に繋ぐ役割を、Def Willは担っているのかもしれない。
(文/ふくりゅう 写真/八木虎造)
[18年6月18日号 コンフィデンスより]
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