デビュー20周年の三浦大知、お茶の間”へと浸透した魅力を検証
テレビ番組への露出 お茶の間認知が急激に拡大
オリコン・モニターリサーチ(OMR)が全国の10〜50代の男女2414名を対象に行った調査では、83%が「三浦大知を知ったきっかけ」として「テレビ・音楽番組」を挙げており、具体的な番組としては1位がEX系『ミュージックステーション』(42.9%)、2位が『NHK 紅白歌合戦』(21.6%)という結果が出た。『Mステ』初登場は16年5月、『紅白』初出場は昨年末であることを考えると、この1〜2年で急激に“お茶の間”での認知度を拡大していることがアンケート結果からも窺える。
もちろん、歌って踊れるアーティストとしての三浦への評価はここ数年に生まれたものではなく、ライブに足を運ぶなどしてそのパフォーマンスを目撃している人にとっては周知の事実だった。とは言え、その圧倒的な実力やエンタテインメント性が広く一般に知られるところとなったのは、明らかにテレビへの露出が大きく影響していたと言っていいのだが、エイベックス・エンタテインメントのスタッフは「ここ数年で特に変わった露出施策はしていない」と証言する。
「三浦大知はコツコツ積み上げることを大事にするアーティストであり、ことさらに派手な見せ方をして飛び級的な評価を受けることは望んでいません。たしかにここ数年テレビ番組からオファーをいただくことは増えましたが、それもこれまで通り、積み上げてきたものが地続きで繋がった結果だと、僕らスタッフも考えています」
“無音ダンス”を機に 広く一般に浸透したオリジナルな存在
「三浦大知の作り上げたエンタテインメントを最も堪能していただけるのは、やはりライブです。一方でテレビの出演時間は短いですが、その中で少しでも三浦大知のアーティスト性を楽しんでいただくために、ライブの要素から抽出したのが“無音ダンス(「Cry & Fight」)”でした」(前述のスタッフ)
また「三浦大知のイメージ」(複数回答)についてのOMR調査では、「実力がある」(68.1%)、「独創的」(35.7%)といった回答が多く挙がった。また「自分らしさがある」(26.8%)、
「信念・ポリシーがある」(22.7%)などの回答も多く、オリジナルな存在を目指して表現と実力を磨き続けてきたアーティストとしての姿が広く一般に浸透していることが窺える。
一方で「憧れる」(3.4%)という回答が少なかったのは、あまりにも突き抜けたパフォーマンスから、身近さよりもある種のカリスマ化が生じている結果かもしれない。
しかし三浦大知ファンを公言する芸能人やアーティストの多くが、実力やストイックさへのリスペクトもさることながら、気遣いの細やかさや性格の良さといった人柄の魅力を挙げているのも事実だ。
「三浦大知は、昔も今も地方に行くときは地元のCDショップ回りを欠かしません。そうした彼の地道な活動と姿勢から、店舗でも店頭展開に協力的で、それが今回のベスト盤のセールスにも繋がったのだと思います」(前述のスタッフ)
もちろん三浦の真骨頂はパフォーマンスだ。しかし応援とは意外と人間臭いところから生まれるもの。彼の人柄に触れたからこそ、「もっと多くの人に知ってほしい」と願う、そうした業界内の応援がまさに“地続き”で積み重なった結果が、近年のメディア露出の増加に繋がったと考えられそうだ。
(文:児玉澄子)
【調査概要】
調査時期:2018年3月7日(水)〜3月12日(月)
調査対象:自社アンケート・パネル【オリコン・モニターリサーチ(外部サイト)】会員10代、20代、30代、40代、50代の男女2414名
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
三浦大知 mu-moサイト(外部サイト)