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「CD」「ダウンロード」「サブスク」3形態の楽曲ランキング比較

 シングルCDランキング、デジタルシングル(単曲)ダウンロードランキングのほか、サブスクリプションサービス(Spotify、LINE MUSIC)の週間集計オリジナルランキングを掲載し、音楽シーンのヒット曲を多角的に分析するオリコン発行のコンフィデンス誌。それぞれのユーザー層が異なる4つのランキングは、毎週ランクインする楽曲がまったく異なる。17年12月集計最終週のランキング(12/25付)は、それぞれのユーザー特性が現れた興味深いものになっている。

CDとダウンロードの順位の違いから読み取れること

 CDとダウンロードを比較すると、その週に発売された作品がランキング10位まですべてを占めるCDに対して、息の長いヒットが続くダウンロードではTOP10のうち新曲は4曲のみ。毎週ランクイン作品が入れ替わり、リリースタイミングでのシーンの動きがダイナミックに伝わるのはCDランキングだが、ダウンロードランキングでは息の長いロングヒットなどが見えやすい。
 今週のCDランキングを見ると、デジタル配信がないHey!Say!JUMP「White Love」(28.7万枚)がダントツの売上枚数で1位を獲得している一方、2位は東方神起「Reboot」(12.4万枚)だが、ダウンロードでは4位(1.7万DL)になる。そして、ダウンロードで1位のback number「瞬き」(7.2万DL)は、CDでは5位(4.0万枚)に留まっている。CDランキング上位のコア層の厚いアーティスト、ダウンロードランキング上位の幅広くライトユーザーを動かすアーティストと、ユーザー属性が如実に現れていると言える。

 また、キリン「午後の紅茶」新CMソングとしてオンエア中のスピッツ「楓」(12年7月配信開始)は、ダウンロード3位(1.9万DL)にランクインしているが、CD(98年発売)は100位圏外。キャンペーンソングなどによるメディア露出とデジタル配信との親和性の高さがうかがえる。

 CD売上枚数、ダウンロード数の比較では、1〜10位までを見ると、コアファンが動くCDのほうが売上枚数が多いが、週によって異なるもののおおよそ20位前後で逆転し、100位ではダウンロード数のほうが倍以上になることが多い。CDランキングはコア層の多いアーティストの人気の指標になっているが、一方でダウンロードはより幅広くライト層の消費を促しており、その時々の流行を映し出していることが、数字の上でその規模とともにはっきりとわかる。

メディア露出など世の中の話題性が顕著に現れるサブスク

 同じ定額聴き放題のサブスクリプションサービスでも、トレンドに敏感な若年層が多いLINE MUSICと、グローバルなサービス展開でコアな音楽好きや洋楽ファンが多いSpotifyとは、ユーザー層が異なる。LINE MUSICは音楽番組やテレビCMなどメディア露出からのランキングへの影響が大きく、一方、Spotifyは「Tokyo Super Hits」「World Vibes」ほかアーティストが作るものまで無数のプレイリストがあり、そこ発で国境を超えた世界的なヒットが生まれていることが特徴的だ。

 また、Spotifyは「JAPAN TOP 50」など通常のトップチャートのほかに、再生回数ではなくシェアなどの回数を重視したバイラルチャートがある。変動の少ないトップチャートに対して、バイラルチャートは人気急上昇曲などもっともタイムリーかつダイナミックにシーンの動きを反映することから、コンフィデンスでは同チャートを掲載している。
 今週のランキングでは、LINE MUSICは若年層に根強い人気のNissy(西島隆弘)のニューアルバム『HOCUS POCUS 2』からの先行配信3曲「Don’t let me go」「The Eternal Live」「まだ君は知らない MY PRETTIEST GIRL 〜Christmas ver.〜」がTOP5内にすべてランクインしたほか、『NHK紅白歌合戦』出演も話題のTWICEのリパッケージアルバム『Merry&Happy』収録の新曲「Heart Shaker」が1位。ダウンロードランキングで3位のスピッツ「楓」は、やはりCMからの影響でLINE MUSICでも7位にランクインしている。

 Spotyfyは、TOP5中の3曲が洋楽だが、1位は東京メトロ「Find my Tokyo.」キャンペーン第3弾CMソングとなっている、佐藤千亜妃(きのこ帝国)、金子ノブアキ(RIZE)、小林武史による「太陽に背いて」。そのほか、10位のDJ OZMA「アゲ♂アゲ♂every☆騎士」は、日本郵政グループの「#そうか!平成30年か!」キャンペーンと連動したプレイリスト「平成ボックスヒストリー」収録からのランクイン。サブスクにおけるランキング上位の邦楽は、メディア露出の影響など世の中の話題性が顕著に現れることがわかる。

 この4つのランキングからは、ヒット曲の要因を掘り下げていき、それぞれのランキングと世の中の事象、ユーザー動向を関連付けて見ることで、多様化する音楽シーンのヒットを構造的に分析することができる。もはやひとつのランキングではシーンを語れなくなった時代に、音楽関係者にとってヒット創出への多くのヒントを内在するだけでなく、広くエンタテインメントに関わる者それぞれにとっての有益な発見のあるマーケティングツールになることだろう。

◆週刊エンタテインメントビジネス誌コンフィデンスについて

提供元: コンフィデンス

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