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『Mステ』で“コマネチ” エッジの効いたアーティスト・BiSH、ヒットの秘訣とは

 インディーズ時代からアイドルシーン、バンドシーンのエッジに立ち、2ndアルバム『THEGUERRiLLA BiSH』が、12/11付週間アルバムランキングで5位にランクインし、先日出演した『ミュージックステーション』でも渾身の“コマネチ”で大きな爪痕を残すなど、常に話題を振りまいてきたBiSH。「ファンとアンチが8:2くらいのバランスがちょうどいい」というその独自戦略について、メンバーのモモコグミカンパニーと、すでにファンにはお馴染みのマネージャーであるWACKの渡辺淳之介氏に話を聞いた。

“損して得を取る”…アルバムを299円で発売

――BiSH の2ndアルバム『THEGUERRiLLA BiSH』が12/11付で5位を記録しました。新たな代表曲となった「プロミスザスター」、7月には幕張イベントホールでワンマンライブを開催、さらに『ミュージックステーション』出演などによって生まれた追い風が結果に結びついたわけですが、手応えはどうですか?
渡辺 想像以上ですね。アルバムのプロモーション期間は1ヶ月くらいだったんですが、11月4日、5日にタワーレコード限定でアルバムを299円でゲリラ発売し、5日には大阪・道頓堀の船上ゲリラライブをやって。『ミュージックステーション』の反響もかなりあって、すべてがハマった感じです。
モモコグミカンパニー 反応はすごく良いですね。アルバムのリリースイベントにも今まで以上にお客さんが来てくれたり、Twitterのフォロワーが急に増えたり。
渡辺 元カレから連絡があったりしないの?
モモコ それはないです(笑)。

――ゲリラライブ、ゲリラ発売の狙いは何だったのですか?
渡辺 ファンにアクションを起こしてもらうことが大事だと思っていたんですよね。アルバムのゲリラ発売も“タワーレコードに行かないと買えない。行かなきゃ”という行動を起こしてもらうことが狙いだったので。著作権料のことなどを考えると299円で売るのは無茶なんですが、エイベックスのスタッフを含めて“損して得を取る”という認識を共有できていたのもよかったですね。
モモコ 私たちは単純に楽しんでいました。船の上のライブなんてなかなかできないし、ゲリラ発売のときも、Twitter を見ていると“○○店にはなかった。どこにあるんだ?”と盛り上がってくれて。

――『Mステ』でのパフォーマンスも注目を集めました。
モモコ オープニングで“コマネチ”をやったんですが、本番1時間前に急に楽屋で渡辺さんに練習させられたんですよ。笑ってやっていたら“真顔でやれ”って言われて。
渡辺 本番はカメラワークが決まっているので、遊べるのは登場シーンだけなんですよね。誰にも迷惑をかけず、おもしろいことができないかと考えて、“コマネチ”をやらせようと(笑)。BiSH が欅坂46 さんのように丁寧にお辞儀をしてもしょうがないですからね。
モモコ 単に“誰?”ってなりますからね(笑)。私のソロパートは2番なので、『Mステ』では出番がなかったし、ココしかない、という気持ちが特に強かったです。その後の握手会では“コマネチ、良かったですとすごく言われました。

――“楽器を持たないパンクバンド”を標榜されています。今回のアルバムは楽曲の幅も以前に比べ、グッと広がっています。
渡辺 売れてくると同じような曲ばっかりになっているアイドルグループとかいますが、そういう風にはなりたくないんですよね。アメリカのバンドでは、最初の頃はエッジーなロックだったのに、いわゆるアメリカらしいポップな感じに行き着いていくのってよくありますよね。今回はそんなメジャー感も狙いました。
モモコ 「SHARR」は私の歌詞が採用されたんですが、デモ音源聴いたら「シャー!」とか叫んでて、どうすんの、コレ?って、全然、曲を無視して歌詞を書いたりもしました。でもいろんな曲があったほうが歌っていても飽きないし、楽しいですよね。
渡辺 自分の曲を飽きるなよ(笑)。

一般の人がカッコいいと感じるのは、中指を立てるポーズくらいまで

――BiSHの活動がスタートしたのは2015年1月。当初はどんなビジョンを描いていたんですか?
渡辺 実は行き当たりばったりなんですよ。実際に始動したのは5月くらいだったんですけど、そのときは“(2015年)12月にリキッドルームでワンマンライブをやる”ということだけを決めていました。1000 人規模の会場を埋めることを目標にしていたのですが、思った以上のトントン拍子で、リキッドルームもソールドアウトして。そこからですね、次の展望が見えてきたのは。今はライブ会場が取りづらい状況が続いているので、2年くらい先のことを考えて動かないといけないんですけど、怖いところもありますね。不倫問題などで、いきなりお客さんがゼロになる可能性もあるので。気を付けてね、ホントに。
モモコ ……はい(笑)。

――渡辺さんがマネージメントを担当していたBiSでは、全裸MVなど過激な活動で注目を集めました。BiSHは違うスタンスを取っていますよね?
渡辺 BiSでは変わったことをやりすぎて、失敗した部分もあると思っているんです。最近気付いたんですが、一般の人がカッコいいと感じるのは、中指を立てるポーズくらいまでなんですよね。そこまでが限界で、暴力やゲロみたいなものを持ち込むと嫌われてしまう。BiSはそれで良かったかもしれないですが、BiSHでは方向を変えないといけないと思ったんです。先ほどの“コマネチ”もその1つですね。“初登場の『ミュージックステーション』でコマネチやるってカッコ良くない?”という(笑)。
モモコ 衣装にしても曲にしても、カッコ良く見せようとしてくれているなというのは感じてます。ライブやMVなどではイカツイこともやってるから、実際にファンの方にお会いすると“もっと怖い感じかと思った。意外と普通に女の子なんですね”と言われることはあります(笑)。

――“こんなことをやるのはイヤだ”と思ったことは?
モモコ ないですね。渡辺さんは独自の感覚を持っている人で、それがBiSHらしさにすごく影響していると思いますが、イヤだと感じたことは一度もないので。去年の夏にアユニ・Dが加入して「オーケストラ」とい
う曲のMVを撮ったときに、メンバーの顔のアップやリップシンクのシーンがあったんですよ。そのときは“こんな普通のグループみたいなことしていいのかな?”と思いましたけど。
渡辺 インディーズのときもアイドルらしいMVは作ってたけどね(笑)。
モモコ そうでしたっけ?(笑)。でも、渡辺さんから言われたことに従っ
てる感じでもないんです。“こういうキャラクターで”みたいなことも言われてないし、髪型も自由なので。リンリンなんて最近、ドレッド・ヘアにしたんですよ。普通のグループだったら絶対ダメじゃないですか。
渡辺 こっちから指示しても聞かないだろうし、だったら自由にやってもらったほうがいいかなと。“誰かが足を引っ張ったら傷付くのはBiSHだからね”ということは言ってますが、あとは社会通念の範囲で好きにやってもらったほうがいいかなと。

――メンバーの自由さもBiSHの尖ったイメージに繋がっているんでしょうね。18年5月には神奈川・横浜アリーナの単独公演も決定。さらに飛躍が期待できる1年になりそうですね。
渡辺 桑田佳祐さんのように、尖ったまま売れるアーティストにしていきたいと思っています。マスに知られるようになると、ある程度嫌われるのも仕方ないですからね。ファンとアンチが8:2くらいのバランスがちょうどいいのかなと。
モモコ 尖っているのがBiSHの良さなので、そこを取ってしまったら、たとえ売れたとしても楽しくないだろうし、一時的な流行で終わると思うんです。まずは中身がちゃんとしてないと長続きはしないので、このままの感じでさらに速度を上げていきたいですね。

(文:森朋之/写真:HIRO EDWARD SATO)

提供元: コンフィデンス

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