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日本のママは世界一、睡眠不足?! 大人も子どもも「脳のメンテナンス時間」が重要なワケ 【睡眠と脳の専門家、西野先生・近藤先生から学ぶ】

怒涛の一日が終わってやっと自分時間。よくないとはわかっているけれど、ついスマホを見ながら夜更かし。気づけば睡眠時間は削られて、日中は頭がぼんやり、なんだか疲れたまま…。そんな日々を送っていませんか?

実は日本人の平均睡眠時間はとても短く、なんと世界最下位(※OECD=経済協力開発機構の調査より)で、"睡眠不足大国"とも言われています。そんな睡眠課題に向き合い前向きに行動していく「SLEEP ACTION LAB(スリープ・アクション・ラボ)」がこのたび発足。睡眠を「我慢するもの」「ちゃんとしなきゃいけないもの」ではなく、「睡眠をもっと味方にしていこう」というプロジェクトです。

プロジェクト発表会には、睡眠クリエイターを任命された安藤優子さん、藤井隆さん、きゃりーぱみゅぱみゅさんも登壇先日行われた発表会では、ラボ長を務める西野精治先生と、ラボスペシャリストとして参画する近藤聡英先生による勉強会も実施。それぞれ睡眠と脳の専門家であるお二人のお話から、「睡眠不足、解決のヒント」と「脳のメンテナンス時間が必要なワケ」をご紹介します。教えてくれたのは…

写真左:西野精治(にしの せいじ)先生医師、医学博士 スタンフォード大学医学部精神科教授 同大学睡眠生体リズム研究所所長。2007年、日本人として初めてスタンフォード大学医学部教授に就任し、40年近くにわたり睡眠研究の最前線に立つ。日本の睡眠本ブームの火付け役の一つ、著書『スタンフォード式 最高の睡眠』は累計42万部超のベストセラー。今回の「SLEEP ACTION LAB」ではラボ長を務める。写真右:近藤聡英(こんどう あきひで)先生順天堂大学医学部脳神経外科学講座 主任教授。日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医、日本脳神経外科認知症学会 認定医、日本脳ドック学会 認定医などの資格を持つ。脳を直接診る臨床医の立場から、「SLEEP ACTION LAB」にはメディカルセクションの専門家として参画。「睡眠と脳機能・認知症予防」の関係について発信されています。

日本の女性は「世界一、睡眠時間が短い」

発表会に登壇した西野精治先生は、日本の睡眠事情についてこう語っています。「日本は睡眠時間が世界で一番短い。しかも大人だけの問題じゃなく、子どもの睡眠時間もそう。女性は、欧米では男性より多く眠る国が多いのに、日本は働いている女性の睡眠時間が特に短い。日本の女性は世界で一番睡眠時間が短いと言っても過言ではありません」(西野先生)睡眠を軽視しているわけではなく、大事だとわかっていても、仕事や家事・育児に押されて後回しになってしまう。多くの人が抱えているのは、そんなギャップです。子育て中ならなおさら、身に覚えがある人も多いはず。そのギャップを、罪悪感ではなくポジティブな行動に変えていこうと立ち上がったのが「SLEEP ACTION LAB(スリープ・アクション・ラボ)」。合言葉は「まず、寝てみよう。」で、睡眠を「しなきゃいけない義務」ではなく、「楽しみにできるもの」に変えていくことを目指しています。

「ちゃんと眠らなきゃ」と気負いすぎないこと

今回の勉強会で西野先生がまず伝えたのは、睡眠を「疲れたからとる休息」ではなく、「生活を充実させるすべての土台を整えるために眠るもの」と捉え直してほしい、ということ。「人は眠るために生きているのではなく、毎日を心地よく生きるために眠る。良い睡眠は、あくまで日々の暮らしをより良くするための手段です」(西野先生)

もうひとつ、肩の力が抜けるメッセージも。「これが唯一の正解、という睡眠法は存在しません。最適な睡眠は人によっても、その日の状況によっても違うんです」(西野先生)また、会場ではママたちが気になるこんな質問にも答えてくれました。Q.「規則正しく寝なきゃダメ?」 A.一番の問題は日中の生活に支障が出ること。そこに問題がなければ、深く気にしすぎなくていい。Q.「最低何時間寝ればいい?」 A.必要な睡眠時間には個人差がある。日中に支障があるかどうかがポイント。Q.「お昼寝はOK?」 A.不足した睡眠を補う意味では有効。今は昼寝のメリットがデメリットを上回るとも言われている。「ちゃんと眠らなきゃ」と気負いすぎず、まずは自分の睡眠のクセを知ることから――そんなメッセージが伝わってきました。

今日の睡眠不足が、20年後の脳を左右する

脳神経外科の専門医である近藤先生からは、「睡眠と脳(認知症)」というテーマで解説していただきました。あらためて知っておきたい「脳のメンテナンス時間が重要なワケ」をご紹介します。

「睡眠と脳機能・認知症予防は多いに関係している」と近藤先生睡眠は、記憶力や判断力といった"認知"の働きにも深く関わっています。実際、当直明けの医師を対象にした調査では、きちんと眠れている人の方が的確な判断ができるというデータもあるのだそう。近藤先生は、こうした日々の"認知"の働きだけでなく、長期的には認知症のリスクとも睡眠が関わっていると指摘します。認知症の多くを占めるアルツハイマー型は、脳内に「アミロイドβ」という異常なたんぱく質がたまり、神経細胞を壊していくことで起こります。実はこのアミロイドβ、眠っている間に脳の中で洗い流されていることがわかってきているそうです。

近藤聡英先生 登壇資料より抜粋これは「グリンパティックシステム」と呼ばれる脳の“洗浄機構"で、眠っている間は脳細胞の隙間が広がり、老廃物を含んだ液体がスムーズに流れる仕組み。逆に言えば、睡眠不足が続くとこの洗浄機能が落ち、アミロイドβがたまりやすくなってしまう、というわけです。しかもこのアミロイドβ、認知症発症のずっと前、20年近くも前からゆっくり、脳にたまり始めているといいます。つまり30〜40代の"今"は、まさに毎晩しっかり洗い流しておきたい大事なタイミング。「まだ若いから関係ない」とは言えないのです。

近藤聡英先生 登壇資料より抜粋さらに近藤先生が紹介したのは、50〜70歳代で短時間睡眠(6時間未満)が続くと、認知症のリスクがおよそ30%上がるという研究データ。「まだ若いから大丈夫」ではなく、今の睡眠習慣の積み重ねが、将来の脳の健康を左右する、というのです。ちなみにこのデータ、睡眠時間が短い人だけでなく、8時間以上とたっぷり眠っている人もややリスクが高くなる傾向が示されています。「たくさん寝れば寝るほどいい」というわけでもなく、自分にとってちょうどよい睡眠時間を保つことが大切なようです。「睡眠中にしかできない、脳のシナプスや老廃物を洗い流す機能があります。生きていく上で大切な“脳のメンテナンス”の時間だと捉えてください。睡眠は『運動・食事・社会参加』に次ぐ、認知症予防の"第4の柱"として注目され始めています。認知症は発症すると治らないからこそ、予防が何よりも大事。『眠りを整える』ことは、『未来の脳を守る』ことにつながっているんですよ」(近藤先生)子育て中は自分の健康は後回しになりがちですが、"今日の睡眠"が20年後の自分の脳を守ることにつながると思うと、少し意識が変わってきませんか?

まずは今夜、小さな一歩から

今回のプロジェクト発表会には、専門家だけでなく"睡眠クリエイター"として、キャスターの安藤優子さん、コメディアンで俳優の藤井隆さん、アーティストのきゃりーぱみゅぱみゅさんも登壇。3人とも、それぞれの言葉で「わかってはいるけど、ついつい睡眠を削ってしまう夜」について語ってくれました。

長年ニュース番組の第一線を走ってきた安藤さんは、"24時間365日対応"の生活の中で、睡眠はいつも真っ先に削られる存在だったと告白。今は、つい韓国ドラマを見てしまい、自分の意志で夜更かししてしまうこともあるのだとか。藤井さんは、最近セリフ覚えが悪くなったと感じ、睡眠を削って覚え込もうとしていたものの、実は寝たほうが記憶が定着することに気づき、今は無理に削らないようにしているそう。そして子育て中のきゃりーぱみゅぱみゅさんは、子どもを20〜21時に寝かしつけたあと、22〜23時からがようやく自分の時間。ドラマや漫画を見ているうちに、「寝るのがもったいない」とついつい夜更かししてしまう…という、多くのママが頷いてしまいそうなエピソードを明かしてくれました。そんな3人が発表した「今日からできる睡眠アクション」も、肩の力が抜けるものばかりでした。安藤さん:「安心して眠れる環境を作る」藤井さん:「枕を見直す」きゃりーぱみゅぱみゅさん:「何も考えず、目を閉じて深呼吸」「わかってはいるけど、なかなか変えられない」のは、意志が弱いからではありません。完璧な習慣を目指すのではなく、「いつもより10分早くベッドに入る、スマホを少し離れた場所に置いてみる」など、睡眠クリエイターたちのような「自分なりの小さな一歩」を見つけて、「まずは寝てみる」ことから始めてみましょう。

「小さな睡眠アクション」の一例 西野精治先生 登壇資料より抜粋また、自分だけでなく子どもやパパ、離れて暮らす両親の睡眠状況も気になるところ。この機会に「最近ちゃんと眠れてる?」などとゆるく話題にして、ご家族で「小さな一歩」を話し合ってみてはいかがでしょうか。取材協力::ブレインスリープ「SLEEP ACTION LAB」 プロジェクトhttps://lab.brain-sleep.com

提供元:ウーマンエキサイト

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