迷走極める
韓国・文政権の政策運営
最近、韓国の文政権の政策運営を見ていると、国内外からの批判は一段と高まっているようだ。わが国にとって、距離的に近い隣人はいよいよ迷走を極めているようにみえる。
李洛淵(イ・ナギョン)首相が、韓国最高裁が日本企業に命じた元徴用工への賠償命令に関して、「政府の対応には限界がある」と発言したことは不可解でならない。李首相は元徴用工訴訟問題の対応責任者である。日韓請求権協定は、両国間の請求権問題などが“完全かつ最終的に”解決済みであることを明記した。本来、元徴用工の問題は韓国の国内問題と考えるべきだ。しかし、韓国はこの問題に手を付けることができず、文政権は日本の協議要請に応じなかった。日本の立場からすれば、政府間の約束を反故(ほご)にされたことになる。5月、韓国の原告団は日本企業の資産売却指示を出すよう裁判所に申請した。
戦後最悪の日韓関係は、日に日に深刻さを増している。韓国の責任者が匙(さじ)を投げた以上、2国間で協議を進めることはできない。日本は認められた権利を行使し、企業に実害が及ぶことを避けることを考えなければならない。20日に政府が韓国に対して請求権協定に基づく仲裁付託を通告したことは当然だ。
これから先、日本は韓国を、まともに相手にする必要はないだろう。それよりも、政府は“親日国”の獲得に注力する方が得策だ。日本が国際社会の中で発言力を高めるために欠かせない。米中の通商摩擦が激化しているだけに、日本はより多くの国と関係を強化し、国際世論を形成することを考えればよい。
国内世論対応への
限界迎える文政権
社会心理学的に、韓国世論の特徴は“恨み”にあるといわれる。恨みの心理は、韓国の政治、経済、安全保障に無視できない影響を与えてきた。文大統領は、この社会心理に寄り添う姿勢を示して大統領の座を手に入れることはできた。...