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愛媛にジブリの世界が〜海に続く線路とトトロトンネル〜


近年、愛媛県伊予市の各種ロケ地や聖地として有名なJR下灘駅西の青石海岸が、「千と千尋の神隠し」に登場する海に続く線路風景が見られるとして話題になっています。「海原電車」の駅のホームに見える構造物もあります。
更に八幡浜市の王子の森公園には、「となりのトトロ」に出て来たメイがトトロに会いに行くために通った「トトロトンネル」に酷似した樹木トンネルも存在します。これらの地でおとぎの世界をご体験下さい。

青石海岸に本当にあった海原電車の線路

写真:春野 公比呂

海の中へと続く線路は全国に何百ヶ所もあるものの、青石海岸が脚光を浴びるようになったのは、近くに有名な下灘駅があったこととロケーションが関係しています。青石海岸周辺はかつて上浜海水浴場だっただけに、集落側にあるとは思えないほど海岸がきれいで海もエメラルドグリーンになっています。その海に木製の枕木がついたレールが入っていっているのです。
しもなだ運動公園東の国道378号に架かる豊浦大橋から、海岸を見下ろしてみて下さい。陸側から三本の線路が出て、海中に没しているのが分かります。この光景はまさに海原電車の線路。

写真:春野 公比呂

三本の線路の内、東側の二本の線路上から沖合を見ると、千尋が靴を両手に持って駆けて行った海原電車のホームがあるではありませんか。アニメと違う点は、一つのコンクリート構造物ではなく、多数の波消しブロック集合体であること。

写真:春野 公比呂

線路を間近に見るには、豊浦大橋東のX字路の西角にある階段を下ります。浜を歩くとすぐ線路があります。後ろを振り返ると造船所。そう、この線路は船舶が造船所から海へ出るためのものなのです。
2019年2月、複数箇所に立入禁止看板が設置されたことにより、ネットでは3月、ここ自体が立入禁止エリアであるかのような誤報が流れましたが、地権者がこの看板を設置したのは、廃工場と間違えて奥の作業場まで入ってくる観光客がいるため。しかし波打ち際周辺については社長が立ち入りを認めているため、そこで作業をしていない限り、見学はできます。しばし千と千尋の世界に浸ってみては如何でしょうか。
<海に続く線路風景地の基本情報>
所在地:愛媛県伊予市双海町串上浜
アクセス:JR下灘駅から徒歩7〜8分ほど。車利用時はしもなだ運動公園の広場へ駐車

海上の駅と天空の水仙と道路のゼロ戦

写真:春野 公比呂

青石海岸を訪れた観光客は皆、波打ち際に近い駅、下灘駅にも向かいます。「男はつらいよ」や「HERO」(木村拓哉主演)、アニメ「境界の彼方」(OVA)、「猫物語(黒)」等、この駅を舞台にした映画、ドラマ、CM、アニメは数えきれないほど。
あまり知られていませんが、この駅を俯瞰できる地が観光客用駐車場の東方にあります。

写真:春野 公比呂

下灘界隈には毎年12月後半から2月上旬、もう一つインスタ映えスポットが誕生します。それが「日本水仙花開道」こと、「下灘の水仙畑」です。山の斜面の30aに広がる広大な水仙畑はまさに「天空の水仙」で、豊田漁港から瀬戸内海までパノラマが展開します。
開花期はしもなだ運動公園の駐車場が観光客用駐車場に充てられます。

写真:春野 公比呂

しもなだ運動公園の西方約3キロの国道沿いに、グーグルマップで「模型飛行機道路公園」と表示された場所があります。しかしこの名称は個人の探訪者が勝手に命名してグーグルに投稿したもの。
そこには戦時中のゼロ戦から現代の航空機、アダムスキー型UFO、宇宙人等、多数の手作り大型模型・人形が展示されています。地域住民が道行く人に楽しんで貰いたい、ということで整備したもの。全長が1メートルを超えるものですから、見応えがあります。

自然の森にはない真の「トトロトンネル」

写真:春野 公比呂

各種遊具を備えた王子の森公園にも近年、SNSで話題になっているものがあります。公園の南東端にある緑の細長い庭木のようなもの。全長70〜80mほどの杉で作られた奇妙なものは「トトロトンネル」と呼ばれています。中央で二つに分離されており、両側から入ることができます。
これは盆栽のような技術が使用されたもの。無数の杉の木を道の両側に並べ、高さが1メートル半位までしか成長しないようにして上部の枝を皆、内側に這わせ、天井とし、トンネル状になったもの。この匠の技が「となりのトトロ」の世界を創出したのです。自然の樹林ではあり得ない光景・完成度です。

写真:春野 公比呂

天井部も壁面部も隙間なく木々に覆われているのに拘わらず、内部は思ったより明るく、子供なら普通に立って歩けます。大人は少々背をかがめる必要があります。

写真:春野 公比呂

天井部は枝というより、根のように見えます。ある程度成長させた杉群をひっくり返したかのよう。

ピカピカの機関車と八幡浜市街地随一の展望地

写真:春野 公比呂

内側からトンネルの壁面部を見ると、極力枝が外側に飛び出さないよう、また、極力隙間がないように剪定されているのが分かります。トンネルのカーブ部は特に難しいように思われます。

写真:春野 公比呂

公園内には「9600型79642号」の機関車も展示されています。1924年製で、山梨県に配備された後、北陸地方や北海道で貨物運搬用として使われていました。1976年3月に引退してからは八幡浜市が無償貸与を受けています。
運転席に入ることもできるため、鉄道ファンならずとも運転手気分を味わってみたいもの。
<王子の森公園の基本情報>
住所:愛媛県八幡浜市五反田1-5
問合せ先:0894-22-3111(八幡浜市建設課)
アクセス:JR八幡浜駅から徒歩十数分、或いは宇和島自動車「王子の森公園前」バス停降車、目の前。無料駐車場あり

写真:春野 公比呂

八幡浜市民以外にはあまり知られていませんが、王子の森公園北方の愛宕山公園には八幡浜市街地随一の360度のパノラマを誇る展望台があります。愛宕山上の巨大な貯水槽の上が展望台になっているのです。市街地と八幡浜港が一望できます。また、3月下旬から4月上旬は約300本の桜が咲き誇ります。
<愛宕山公園の基本情報>
所在地:愛媛県八幡浜市愛宕山
問合せ先:0894-22-3111(八幡浜市役所 商工観光課)
アクセス:登山口まで八幡浜駅から徒歩30分ほど。或いは伊予鉄南予バス「市立病院前」バス停または宇和島自動車「大正町」バス停より徒歩20分少々。登山口から展望台まで20分弱

全国随一の疑似アニメ聖地

青石海岸と王子の森公園は正式なアニメ聖地ではありませんが、全国を探してもこれだけ当該アニメシーンに合致した風景・光景はないでしょう。尚、青石海岸探訪時は、干潮の昼時が適しています。潮が引けば線路が海面から出てくる部分が長くなり、太陽が頭上にあれば、豊浦大橋の影も海面には映りません。
王子の森公園と愛宕山公園はどちらもJR八幡浜駅から徒歩で行ける範囲ですから、同じ日に巡っておとぎの世界と絶景を体感し、帰路、両スポットの間にある商店街で買い物等をすれば充実した観光になるでしょう。
2019年4月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

■関連MEMO
JR下灘駅
https://www.iyokannet.jp/spot/3580
日本水仙花開道
https://www.iyokannet.jp/spot/354
王子の森公園
https://www.iyokannet.jp/spot/4057
愛宕山公園
https://www.iyokannet.jp/spot/1083
宇和島自動車・路線バス
https://www.uwajima-bus.co.jp/rosen

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
春野 公比呂

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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