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古い町並み歩きがグッと楽しくなる!東京谷中は旧吉田酒店から


普段見過ごしがちなところに目を向けてみると、古い町並み歩きがグッと楽しくなります。今回は、東京の谷中です。谷中は天正から元禄の時代に町として成立しました。商人や職人が全国から集まり、店を構え始めたという背景があります。商家の建築から街の成り立ちや背景を知って、観光をすると新しい気づきがあります。

東京谷中の代表的な商家「旧吉田酒店」で学びあるひと時を

写真:稲村 行真

明治43年に建てられた酒屋の古民家「旧吉田酒店」に来てみませんか?
まずは、屋根を支える大きな梁(出桁造)と、上下開閉の扉(揚戸)に注目してみましょう。こんな面白い仕掛けがあるのかと思わずにはいられません。普段観光では素通りしてしまいがちですが、それぞれについて丁寧に見てみましょう。

重厚感があり堂々とした「出し桁造り」

写真:稲村 行真

軒下の桁を外に出した構造を「出し桁造り」と呼びます。等間隔で突き出した梁の上に桁を乗せている構造になっています。
この大きな梁があるということは、「格式が高いようにアピールしている」ということを示しています。やっぱり凹凸のくっきりしたところが古民家の重厚感を増していますね。
ちなみに雪国では雪の重みに耐えるために、大きな梁は「垂木を補強する」という役割を担うことが多いです。古民家の造りはこのように地域によって解釈が変化するのです。

開閉する瞬間に立ち会えるかも!?昔のシャッター「揚げ戸」

写真:稲村 行真

上下開閉の扉「揚げ戸」は、今でいうシャッターですね。間口が広く使えるため、客の出入りや、資材の搬入出に適した造りをしています。
昼は揚げ戸を上に上げておきます。揚げ戸には戸袋(戸を収納する場所)がなく、写真の通り建物の内側からは丸見えです。こっそり裏から揚げ戸を覗いてみましょう。
夜は揚げ戸を下に下げておきます。出入りをするときは、揚げ戸に付いた小さな引き戸を利用するものもありますが、旧吉田酒店の揚げ戸はそのような構造になっていません。では、この「揚げ戸」を閉める瞬間を見てみましょう。休みの日を除き、毎日16時30分の閉館時にこの光景を見ることができます。

写真:稲村 行真

閉まる前。

写真:稲村 行真

閉まった後。
何気なく揚げ戸を眺めていても、どのような使われ方をしているかを知ることはできません。実際にこの「揚げ戸」が閉まる瞬間を見ることで、昔の暮らしがグッと身近に感じられます。「旧吉田酒店」で谷中の街の背景を知ってから観光を始め、夕暮れに戻ってきて揚げ戸が閉まる瞬間を見るというのもなかなか面白い観光になるでしょう。

商品や金銭の出し入れをする「帳場」を体験!

写真:稲村 行真

他にもたくさんの展示があるのでご紹介します。上の写真は、前土間形式の「帳場(ちょうば)」です。旧吉田酒店では昔、お酒や砂糖、塩、醤油などの販売をしていました。そのお会計の時に、番頭が商品や金銭の出し入れを記録する場所が帳場でした。今でいうレジのようなものです。畳の上に上がり、計算をする時のそろばんや、記録するための硯や筆、用紙を出し入れする棚を間近に見ることができます。今となっては、「瓶詰め」や「袋詰め」が一般的で、すでに価格が決まっているものがほとんどですが、昔はこのように「量り売り」が一般的だったことが伺えます。

写真:稲村 行真

では、どのような商品が売られていたのでしょうか。例えば、これは「白双糖(しろざらとう)」という砂糖です。今でもザラメとしてよく知られています。この砂糖の特徴は、結晶の粒が大きいため、溶けるのに時間を要します。コーヒーに入れるときは、あえてカップの底に溶け残るようにして入れたようです。

他にも見所たくさん!町並みと暮らしの背景を知り、充実した観光を!

写真:稲村 行真

その他にも、様々な展示があるので、ぜひじっくりと見学してみてください。かまぼこに描かれた絵、広告デザイン、法被の試着コーナーなど盛りだくさんです。一見するとすぐに見終えてしまう展示も、じっくり見て回ることで様々な気づきがあります。昔の生活が今の暮らしや町並みに繋がっていることを実感できるのはすごく楽しいですよね。見学が終わったら、谷中や上野など周辺の観光情報のパンフレットも充実しているので、ぜひ街歩きの参考にしてみてください。

旧吉田酒店の基本情報

住所:東京都台東区上野桜木2丁目10番6号
電話番号:03-3823-4408
アクセス:地下鉄千代田線根津駅から徒歩10分、JR日暮里駅から徒歩10分
2018年11月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。

【LINEトラベルjp・ナビゲーター】
稲村 行真

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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